遺品整理と特殊清掃の違いとは?費用相場や業者の選び方も紹介

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司法書士日野 修亮

 監修者:日野 修亮

この記事を読む およそ時間: 3

遺品整理と特殊清掃は、どちらも人が亡くなったときに行うものですが、それぞれ下記のように作業内容や目的が異なります。

  • 遺品整理:亡くなった人の持ち物を仕分けし、処分・保管する
  • 特殊清掃:ご遺体によって汚れた住宅を除菌や消臭、清掃する

特殊清掃は孤独死があった現場や亡くなった人が犬や猫を大量に飼育していた場合など限られた状況でしか行いません。
そのため、病院や施設、自宅などで看取られながら亡くなった場合、特殊清掃は行わず遺品整理のみを行うことも多いです。

本記事では、特殊清掃と遺品整理の違い、費用相場や業者の選び方を解説します。
なお、家族や親族が亡くなると遺品整理や特殊清掃以外にも様々な手続きが必要です。
家族や親族が亡くなったときの手続きの流れは、下記の記事でも解説しているのでご参考にしてください。

【保存版】相続手続きでやるべきことまとめ!必要書類や期限も紹介

1章 遺品整理と特殊清掃の違いとは

遺品整理と特殊清掃は、どちらも人が亡くなったときに行うものです。
遺品整理は亡くなった人の遺品を仕分け、処分することが目的ですが、特殊清掃とはご遺体によって汚れた箇所の除去や消臭、除菌を行うことです。

遺品整理と特殊清掃について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

1-1 遺品整理とは

遺品整理とは、亡くなった人が遺した品を整理し、処分することです。
亡くなった人が住んでいた自宅の片付けや処分、形見分けや相続手続きに必要な書類を収集する目的で行われることが多いです。️

1-2 特殊清掃とは

特殊清掃とは、孤独死などが合った現場などの汚れを除去、招集、除菌することです。
孤独死などでご遺体が放置されると、腐臭や細菌が発生してしまいます。

専門業者でないと清掃は困難であるため、孤独死があった現場の遺品整理は特殊清掃も行っている業者に依頼する必要があります。
なお、特殊清掃はご遺体によって汚れた箇所の清掃が目的であり、すべての遺品整理で行われるわけではありません。

亡くなった人が家族や親族に看取られた場合や病院や施設で亡くなったケースでは、ご遺体が放置されることはないため、特殊清掃は必要ありません。

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2章 特殊清掃の業務内容

特殊清掃では、ご遺体によって汚れた箇所の清掃や除菌、消臭を行います。
現場の状況によっても異なりますが、特殊清掃では下記の作業を行うのが一般的です。

  • 血液および体液の除去
  • 腐臭などの悪臭の除去
  • 害虫駆除

孤独死があった現場では、室内にご遺体の体液や血液が残ってしまいます。
これらの体液や血液は通常の洗剤では落とせないため、特殊薬剤を使用します。

他にも、腐臭などの悪臭の除去として臭いのもととなる布団などの処分、脱臭装置の稼働なども行うことが多いです。

遺族が特殊清掃を行うことは現実的ではない

本章で解説したように、特殊清掃は専用の薬剤や脱臭装置などを使用する必要があります。
他にも、汚れの状況によっては部屋のリフォームが必要な場合もあり、遺族が自分たちで特殊清掃を行うことは現実的ではありません。
そのため、親族が孤独死した場合は特殊清掃も行っている遺品整理業者に依頼することをおすすめします。


3章 特殊清掃を業者に依頼した場合の費用相場

孤独死した人の特殊清掃と遺品整理は、部屋の汚れ度合いや間取りによって費用が大きく変わります。
依頼先の業者によって費用も異なるので一概にはいえませんが、数十万円はかかると考えておきましょう。

なお、故人が賃貸住宅に住んでおり原状回復やリフォームが必要な場合は、追加でリフォーム費用がかかる場合もあるのでご注意ください。
「こんなにかかると思わなかった」とトラブルにならないようにするためにも、複数の業者に見積もり依頼をするのが良いでしょう。

遺品整理にかかる費用相場はいくら?費用を安くする5つの方法

4章 遺品整理や特殊清掃を依頼する業者の選び方

遺品整理や特殊清掃を依頼する業者を選ぶ際には、特殊清掃も行える遺品整理業者を選ぶ、見積もり無料の業者を選ぶなどの点に注意しましょう。
失敗しない業者選びのコツは、主に下記の通りです。

  1. 特殊清掃もできる遺品整理業者を選ぶ
  2. 見積もり無料の業者を選ぶ
  3. 作業実績豊富な業者を選ぶ
  4. 消臭作業まで行う業者を選ぶ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

4-1 特殊清掃もできる遺品整理業者を選ぶ

特殊清掃と遺品整理の両方を依頼する場合、両方を扱っている業者を選ぶと依頼費用を安く抑えられる可能性があります。
遺品整理業者の中には、パック料金や割引価格などを用意しているところもあり、依頼内容が増えるほど料金を割引してもらいやすくなります。

また、特殊清掃を行っている遺品整理業者であれば、清掃後の遺品の取り扱いや供養に関しても信頼して任せられるはずです。

4-2 見積もり無料の業者を選ぶ

特殊清掃や遺品整理を依頼する業者を選ぶ際には、見積もり無料の業者を選ぶようにしましょう。
遺品整理業者の中には、見積もりだけで高額な費用を請求してくる悪質な業者もあるのでご注意ください。

また、見積もりを取得する際には、3社以上の業者に見積もり依頼を出すことをおすすめします。
複数の業者に見積もり依頼を出せば単価感も把握しやすいですし「A社の見積もり内容に含まれている項目がB社には含まれていない」などの比較検討もしやすいからです。

複数の業者で相見積もりを取得すれば、最も合うプラン内容および費用の業者を見つけやすくなります。

悪質な遺品整理業者に注意しよう!

遺品整理業者の中には悪質な業者もあり、下記のようにトラブルが発生する恐れもあります。

  • 高額な見積もり費用を請求される
  • 作業完了後に追加請求をされる
  • 遺品を盗まれてしまう

本記事の3章でも解説しましたが、特殊清掃もあわせて依頼する場合、依頼費用が高額になる可能性も高いです。
安くはないお金を払うため、信頼できる業者に依頼することが大切です。
本記事の3章でも解説しましたが、特殊清掃もあわせて依頼する場合、依頼費用が高額になる可能性も高いです。
安くはないお金を払うため、信頼できる業者に依頼することが大切です。

4-3 作業実績豊富な業者を選ぶ

特殊清掃や遺品整理を業者に依頼するときには、業者のホームページなどで過去の実績を確認しておきましょう。
実績豊富な業者であれば信頼して任せられますし、下記に行った施工内容と見積もり費用のバランスが釣り合っているかなども確認できます。

4-4 消臭作業まで行う業者を選ぶ

特殊清掃を依頼する際には、消臭作業まで行う業者を選びましょう。
孤独死などがあった現場では腐臭が強烈な場合もあり、清掃をするだけでは臭いが完全に取れません。

また、腐臭などの臭いをとるにはオゾン脱臭機器の使用など専門的な知識が必要です。
そのため、下記の基準で業者を選ぶことをおすすめします。

  • 完全消臭を保証している
  • 消臭料金については後払いを採用している

消臭料金について後払いを採用している業者を選べば、清掃後の臭いや状態に納得した段階で費用を払えば良いため、業者とのトラブルを防ぎやすいからです。

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まとめ

遺品整理と特殊清掃は全く別の作業であり、特殊清掃は孤独死があった現場や亡くなった人がゴミ屋敷に住んでいたケースなどで行われます。

特殊清掃が必要な現場は臭いがひどい、最近が繁殖していることも多いため、相続人や遺族が自分たちで作業するのは現実的ではありません。
特殊清掃も行っている遺品整理業者に依頼し、部屋の清掃や除菌、脱臭から遺品の整理、処分まで一括で依頼するのが良いでしょう。

また、家族や親族が亡くなると特殊清掃や遺品整理だけでなく、様々な相続手続きが必要です。
加えて、亡くなった人がほとんど財産を遺していない場合や借金を遺していない場合は、相続放棄の申立ても視野に入れる必要があります。

故人と長年疎遠であり関わりたくないケースや相続手続きを何から始めてよいかわからないケースは、相続に詳しい司法書士や行政書士に依頼もおすすめです。

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