相続対策で孫を養子にするデメリット5つ!孫に財産を遺す方法とは?

相続対策で孫を養子にするデメリット5つ!孫に財産を遺す方法とは?
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司法書士山田 愼一

 監修者:山田 愼一

この記事を読む およそ時間: 5

孫は法定相続人にはなれませんが、祖父母と養子縁組すれば法律上の親子関係が生じ、孫も相続人になれます。
孫を養子にすれば相続人として財産を相続させられる一方で、養子にした孫は相続税が2割加算になるなどのデメリットがあります。

相続税対策のみで孫を養子にすることを検討しているのであれば、事前にシミュレーションをして本当に相続税の節税効果があるか確かめる必要があるでしょう。
また、孫に財産を相続させるのが希望であれば、養子縁組以外にも生前贈与や遺言書作成などの選択肢もあります。

本記事では、孫を養子にするデメリットを解説します。
孫に財産を相続させる方法については、下記の記事で詳しく解説していますのでご参考にしてください。

孫に遺産を相続させる4つの方法と相続権がある場合の相続割合と税金

1章 相続対策で孫を養子にする4つのデメリット

相続対策で孫を養子にする際には、本当に相続税の節税効果があるかシミュレーションしなければなりません。
また、孫を養子にすると相続人同士の年齢差が大きくなることや子供がいない相続人が不公平感を持つことから、相続トラブルも起きやすくなります。

孫を養子にするときには、下記のデメリットに注意しましょう。

  1. 相続トラブルが起きやすくなる
  2. 孫養子は相続税が2割加算になる
  3. 養親が亡くなると未成年の孫の親権者が不在になる
  4. 相続対策のみの養子縁組は無効になる恐れがある

それぞれ詳しく解説していきます。

1-1 相続トラブルが起きやすくなる

孫を養子にすると相続人の人数が増えるので、相続人1人あたりが相続できる財産は減ってしまいます。
子供がいない相続人が不公平感を持ち、養子になった孫やその親とトラブルになる恐れもあるでしょう。

故人が遺言書を用意していなかった場合、相続人全員で遺産分割協議を行い誰がどの財産をどれくらい相続するか決めなければなりません。
孫を養子にすることに反対していた相続人がいる場合、遺産分割協議がまとまらず長期化する恐れもあるので注意が必要です。

1-2 孫養子は相続税が2割加算になる

孫を養子にした場合、法律上の親子関係は生じますが、相続税は2割加算になってしまいます。
下記にあたる人物以外が財産を相続したときには、相続税が2割加算されます。

  • 配偶者
  • 両親
  • 子供

養子にした孫は法律上は故人の子供にあたりますが、相続税対策での養子縁組を防ぐために、孫養子は例外として相続税が2割加算されます。
一方で、相続人である子供が相続発生時点ですでに死亡していて孫が代襲相続人になった場合には、相続税は2割加算されません。

1-3 養親が亡くなると未成年の孫の親権者が不在になる

祖父母にあたる人物が孫を養子にした場合、孫が未成年のうちに祖父母が亡くなる可能性もゼロではないでしょう。
しかし、孫を養子にした祖父母が亡くなったとしても、親権が自動的に実親に戻るわけではありません。

少し複雑なので、具体例とともに詳しく解説します。

  • 祖父Aおよび祖母Bが孫C(実親はD)と養子縁組をした
  • 祖父Aと祖母Bが相次いで亡くなった
  • 祖父Aと祖母Bが亡くなった時点で孫Cは未成年である

上記のケースでは、祖父母の仕事も養子縁組関係が継続し、孫Cの親権者が実親Dに自動で戻ることはありません。
未成年者は遺産分割協議への参加や相続手続きを自分では行えないので、孫Cは未成年後見人の選任が必要です。

また、孫Cの親権者を実親Dに戻すには、祖父母との養子縁組関係を解消する死後離縁が必要になります。

未成年後見人とは?仕事内容から手続きの流れまで専門家が徹底解説!

1-4 相続対策のみの養子縁組は無効になる恐れがある

相続税対策や事業承継、家系を途絶えさせないためなど養子縁組には、様々な理由が考えられます。
ただし、相続税対策のみの養子縁組は、税務署に否認される恐れがあります。

税務署が相続税対策のみを目的とした養子縁組と判断した場合、孫を法定相続人として含めずに相続税の申告や計算をしなければなりません。
あくまでも税務署の判断によるので、こうすれば相続税対策の養子縁組とみなされないという対処法はありません。

そのため、相続税対策で養子縁組を行うときには、必ずしも成功するわけではないことを念頭におく必要があります。

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2章 相続対策で孫を養子にするメリット

孫を養子にすると法定相続人の数が増え、相続税の基礎控除や生命保険金、死亡退職金の非課税枠が増えるメリットがあります。
孫を養子にするメリットは、主に下記の4つです。

  1. 相続税の基礎控除額が増える
  2. 相続税の金額が減る可能性がある
  3. 生命保険金・死亡退職金の非課税枠が増える
  4. 一世代飛ばして孫に財産を遺せる

それぞれ詳しく解説していきます。

2-1 相続税の基礎控除額が増える

孫を養子にすると法定相続人が増えるので、相続税の基礎控除額が増えます。
相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算可能です。
孫を1人養子にすれば、600万円も相続税の基礎控除を増やせます。
また、相続財産の合計額が相続税の基礎控除内に収まる場合には、相続税の申告および納税は不要です。

ただし、相続税の基礎控除を増やす目的だけの養子縁組を防ぐために、基礎控除の計算に含められる養子の人数は下記のように決まっています。

1人故人に実子がいる場合
2人故人に実子がいない場合

なお、配偶者の連れ子と養子縁組したケースや特別養子縁組により養子になったケースなどは上記の制限に関係なく法定相続人の数に含められます。

2-2 相続税の金額が減る可能性がある

孫を養子にすれば、相続税の基礎控除が増えるだけでなく、下記の理由で相続税額が下がる可能性があります。

  • 相続税は各相続人の法定相続分による取得額に対して課税される
  • 相続税は累進課税制度であり、相続財産が多ければ多いほど税率が上がる

相続税を計算するときには、法定相続分で各相続人に分配したと仮定して相続税を算出します。
また相続税は累進課税制度なので、1人あたりの相続分が増えれば増えるほど、相続税額が高くなりやすいです。

孫を養子にすると相続人が増え、1人あたりの法定相続分額は減るので、相続税の合計額が減るケースもあるでしょう。

2-3 生命保険金・死亡退職金の非課税枠が増える

故人が亡くなった際に受け取った生命保険金や死亡退職金は「みなし相続財産」であり相続税の課税対象財産です。
生命保険金や死亡退職金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が用意されています。

孫を養子にして法定相続人の数が増えれば、それだけ生命保険金や死亡退職金の非課税枠も増加します。

みなし相続財産とは?当てはまるもの一覧と注意点・節税方法を解説!

2-4 一世代飛ばして孫に財産を遺せる

孫を養子にして相続人として財産を相続させれば、一世代飛ばして財産を相続させられます。
養子縁組をしなかった場合は、下記の順番で資産承継されます。

①親→②子→③

親が多額の財産を遺している場合、親が亡くなったときと子供が亡くなったときそれぞれ相続税が課税される恐れがあります。
孫を養子にして親から孫に財産を遺せば、一世代飛ばして財産を相続させられるので相続税負担を抑えられる可能性もあるでしょう。

ただし、本記事の1章で解説したように孫養子は相続税が2割加算されるので、本当に孫養子が相続税対策になるかシミュレーションしなければなりません。


3章 養子縁組以外で孫に財産を遺す方法

孫に財産を相続させる方法には、養子縁組以外にも遺言書作成などがあります。
孫に財産を遺したい、相続税負担を減らしたいのであれば養子縁組以外の相続対策も検討しましょう。

孫に財産を遺せる相続対策について詳しく解説していきます。

3-1 遺言書を作成する

遺言書を作成すれば、相続人に関係なく希望の人物に財産を遺せます。
なお、養子にしていない孫に財産を遣す遺言書を作成するのであれば「孫の〇〇に相続させる」ではなく「孫の〇〇に遺贈(贈与)する」と遺言書には記載しましょう。

遺言書は誰に財産を相続させるかだけではなく、どの財産をどれくらいの割合で相続させるかも指定できます。
特定の財産を孫に受け継いでほしい場合にも、遺言書の作成がおすすめです。

遺言書の作成方法をイラスト付きで解説!文例と注意点をわかりやすく紹介

3-2 生前贈与する

生前贈与をすれば相続が発生するのを待たずに、贈与者と受贈者が合意したタイミングで財産を受け継げます。
生前贈与には、下記のメリットがあります。

  • 相続財産が減るので相続税対策になる
  • 任意のタイミングで財産を渡せる
  • どの財産をどれくらいあげるか自由に決められる

生前贈与は相続と異なり任意のタイミングで行えるので、孫の進学や結婚、住宅購入など大きなお金が必要になるタイミングで贈与を行えます。

一方で、年間110万円を超える贈与をした場合、贈与を受け取った側に贈与税がかかる恐れがあります。
贈与税率は相続税率より高いので、生前贈与時には贈与税をシミュレーションし節税対策しておくことが大切です。

生前贈与とは?メリット・デメリットや贈与税の計算方法について

まとめ

孫を養子にすれば、相続発生時に孫が相続人になり財産を遺せます。
ただし、孫養子は相続税が2割加算されることや子供がいない相続人が孫養子に不公平感を持ち相続トラブルに発生する可能性もあるのでご注意ください。

孫を養子にするのはメリットとデメリットがあるので、相続税負担がどう変わるかなどをシミュレーションし、慎重に行わなければなりません。
また、孫を養子にする以外にも遺言書の作成や生前贈与などを行えば、孫に財産を遺せます。

孫を養子にするべきか、他の相続対策を行うべきかの判断に迷ったときには、相続に詳しい司法書士や弁護士に相談すれば適切な方法を提案してもらえます。

グリーン司法書士法人では、相続対策に関する相談をお受けしています。
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よくあるご質問

養子縁組した孫は相続人になれる?

孫は法定相続人にはなれませんが、祖父母と養子縁組すれば法律上の親子関係が生じ、孫も相続人になれます。

孫を養子縁組するメリットは?

孫を養子縁組するメリットは、下記の通りです。

・相続税の基礎控除額が増える
・相続税の金額が減る可能性がある
・生命保険金・死亡退職金の非課税枠が増える
・一世代飛ばして孫に財産を遺せる

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