身元保証サービスとは、高齢者の日常支援や病院、買い物への付き添い、入院や入居の保証人になってくれるサービスです。
身元保証サービスでも、身寄りのない人や子供のいない夫婦でも安心して老後を過ごせます。
身元保証サービスが提供するサービスは幅広く、会社や団体によってサービス内容が異なります。
そのため、身元保証サービスを利用するときは希望のサービス内容を実施している会社や団体を選ばなければなりません。
また、身元保証サービスの利用は長期間にわたる可能性が高いので、信頼できる会社や団体、担当者を見つける必要があります。
本記事では、身元保証サービスのメリットやデメリット、利用がおすすめな人を紹介します。
子供のいない夫婦の老後や相続対策に関しては、下記の記事で詳しく紹介しているのでご参考にしてください。
目次
1章 身元保証サービスとは
身元保証サービスとは、高齢者の日常支援や病院への入院、施設への入居をする際に保証人になってくれるサービスです。
身元保証サービスごとにサービス内容が異なるので、利用前には確認しておきましょう。
身元保証サービスが提供する内容は、主に下記の通りです。
- 日常生活のサポート
- 入院や入居時の身元保証
- 緊急時の駆けつけサポート
- 亡くなる前後のサポート
それぞれ解説していきます。
1-1 日常生活のサポート
身元保証サービスの中には、高齢者の日常生活をサポートを行なっているところもあります。
- 買い物
- 墓参り
- 病院受診
高齢になり上記を行うのが難しくなってきた人に向け、付き添いを行います。
上記に加え、介護認定などの行政手続きをサポート、代行してくれる場合もあります。
1-2 入院や入居時の身元保証
身元保証サービスは身寄りのない高齢者向けに、病院への入院や介護施設への入居時に身元保証人になるサービスを提供しています。
身元保証サービスを利用すれば、頼れる親族や家族がいなくても入院や入居をスムーズに行えます。
1-3 緊急時の駆けつけサポート
身元保証サービスの中には、自宅で倒れたときなど緊急時に駆けつけてくれるサービスを提供しているところもあります。
24時間365日駆けつけサービスを実施している身元保証サービスを選べば、持病のある高齢者や一人暮らしの高齢者でも安心して生活を送れるはずです。
1-4 亡くなる前後のサポート
延命治療や終末期医療など本人が意思を示すことが難しい場合、身元保証サービスを利用すれば事前に確認しておいた本人の意思を示してもらえます。
自分が意識を失った後や判断能力を失った後も、身元保証サービスを利用しておけば希望する内容の医療を受けることが可能です。
また、身元保証サービスの中には死後の葬儀や埋葬、行政手続きの代行を行っている場合もあります。
そういったサービスを利用すれば、自分が亡くなった後も家族や親族の負担を減らせます。
身元保証サービスの内容は、提供している会社や団体によって差があります。
サービス利用時はどんな支援を受けたいかを考え、会社や団体を選びましょう。
2章 身元保証サービスを利用するメリット
身元保証サービスを利用すれば、頼れる家族や親族がいない高齢者も病院への入院や施設への入居をしやすくなります。
身元保証サービスを利用するメリットを詳しく見ていきましょう。
2-1 身元保証人を探さなくてすむ
身元保証サービスを利用すれば、病気やケガでの入院時や介護施設へ入居するときに身元保証人を探さなくてすみます。
- 子供がいない場合
- 親族が遠方に住んでいる場合
- 家族や親族と疎遠な場合
上記のケースでは身元保証サービスを利用しておくと、いざというときに安心して入院や入居可能です。
また、子供がいない夫婦の場合、互いを身元保証人としているケースも多いのではないでしょうか。
しかし夫婦が共に高齢者になると、夫婦のどちらかもしくは両方が認知症になり身元保証人になれない場合もあります。
そのため、子供がいない夫婦も不測の事態に対応するために身元保証サービスに加入しておくと安心です。
2-2 家族・親族に負担をかけずにすむ
家族や親族を身元保証人にした場合、保証人になった人物は責任や負担を感じる可能性もあります。
それまで疎遠だった親族に身元保証人を依頼しにくいと感じる人もいるでしょう。
子供に身元保証人となってもらうよう頼んでいても、子供が結婚、転勤などで遠方に引っ越し、身元保証人の役割を果たすことが難しくなる可能性もゼロではありまさん。
身元保証サービスを利用すれば、身元保証人になってくれる人の負担を気にする必要がなくなります。
3章 身元保証サービスを利用するデメリット
身元保証サービスを利用すると費用がかかる、利用する会社や団体を選ばなければならないなどのデメリットがあります。
主なデメリットは、下記の3つです。
- 費用がかかる
- サービスの提供元が倒産するリスクがある
- 悪質な会社・団体に注意しなければならない
それぞれ解説していきます。
3-1 費用がかかる
家族や親族に身元保証人になってもらうよう依頼したときと異なり、身元保証サービスを利用すると費用がかかります。
利用するサービスの内容や契約する団体や会社によっても異なりますが、身元保証サービスのみだと30〜50万円ほどの費用がかかるケースが多いです。
また、利用する団体や会社によっては契約時に費用を一括で払うタイプや月額費用が発生するタイプなど差があります。
サービス利用時には費用の総額や内訳、支払い方法を確認しておきましょう。
3-2 サービスの提供元が倒産するリスクがある
契約していた身元保証会社が倒産した場合、身元保証サービスを受けられなくなる恐れがあります。
倒産理由や状況によっては、サービスの利用が途中で終了してもお金が返ってこない、一部しか返ってこない可能性もあります。
3-3 悪質な会社・団体に注意しなければならない
高齢者向けの身元保証サービスは行政による規制がなく、発展途上の分野です。
そのため身元保証会社や団体の中には、悪質なものもあります。
- 説明が不十分
- 説明内容と契約内容が異なる
- 追加料金が発生する
上記のような悪質業者に注意して契約する会社を選ばなければなりません。
4章 身元保証サービスの利用がおすすめな人
本記事で解説した身元保証サービスのメリットとデメリットを踏まえ、利用をおすすめできる人は下記に該当する人です。
- 子供がいない夫婦
- 親族が遠方に住んでいて身元保証人として頼れない人
- 親族と折り合いが悪く頼れそうにない人
- 独身者で身寄りがいない人
上記のように、身元保証サービスは家族や親族に身元保証人になってもらえない、頼みにくいと感じる人におすすめのサービスです。
一方で子供との関係が良好であり身元保証人になってもらえる場合は、あえて利用する必要はありません。
5章 身元保証サービスの選び方
身元保証サービスは契約する会社や団体によって、対応内容が異なります。
また、途中でサービスが終了、会社が倒産なんてことがないように信頼できる会社や団体を選ばなければなりません。
身元保証サービスを選ぶときは、下記の4つの基準をもとに選びましょう。
- サービス内容
- 費用
- 契約内容の変更・解約の可否
- 担当者・サービス提供元の信頼性
それぞれ詳しく解説していきます。
5-1 サービス内容
身元保証サービスは団体や会社によって対応内容が異なるので、自分の希望するサービスを提供しているところを選びましょう。
希望するサービスを提供していなかった場合は安心して老後を過ごせなくなる恐れもありますし、不必要なサービスが多く含まれていると余分に費用がかかっている恐れもあるからです。
- サービス内容が明記されている
- こちらが希望するサービスに対応しているか回答してくれる
上記のような団体や会社を選ぶのがおすすめです。
5-2 費用
利用するサービスや契約する団体、会社によって費用相場が異なるので、自分が支払える価格帯のサービスを選びましょう。
身元保証サービスのみの費用相場は、下記の通りです。
サービス内容 | 費用相場 |
身元保証サービス | 30〜50万円程度 |
買い物など日常生活の支援サービス | 1回につき3,000〜5,000円程度 |
死後の手続きサービス | 30〜50万円程度 |
また、身元保証サービスの支払い方法は大きく分けて下記の2種類の支払い方法に分けられます。
- 費用を一括で支払う
- 月額費用や年会費がかかる
月額費用や年会費を支払う方法は初期費用は安くすみますが、長くサービスを利用すればするほど費用が高額化します。
- 将来的に支払い可能かどうか
- 一括払いと比較して高額すぎないか
上記を確認して契約しましょう。
5-3 契約内容の変更・解約の可否
サービス利用前には、契約内容の変更や解約はできるか確認しておきましょう。
身元保証サービスの利用は長期間になりやすく、途中で希望や状況が変わることも十分考えられるからです。
契約内容の変更や解約の可否を確認する際には、下記の情報も確認しておきましょう。
- 契約変更時には追加で料金がかかるのか
- 解約時には預託金の扱いはどうなるのか
上記について明確に回答してくれない会社や団体は信頼性に欠けるので利用をやめておくことをおすすめします。
5-4 担当者・サービス提供元の信頼性
身元保証サービスを提供している団体や会社、担当者が信頼できるかは念入りに確認しておきましょう。
身元保証サービスは長期間の利用となるケースが多いですし、自分が病気で意識を失ったときや認知症で判断能力を失ったときに代わりに対応してもらうこともあるからです。
身元保証人として適切か、信頼できるかを見極めましょう。
具体的には、契約前に下記を確認しておくと安心です。
- 担当者が必要な知識やスキルを身につけているか
- 担当者が親身になってくれるか
- 担当者との相性
- 団体・会社の設立年
- 団体・会社の実績
- 団体・会社の事業規模
- インターネット上の口コミ
まとめ
身元保証サービスを利用すれば子供のいない夫婦や家族、親族と疎遠な人、身寄りがいない人も安心して老後を過ごせます。
身元保証サービスは比較的新しい事業であり会社や団体ごとでサービスが異なるので、自分に合った会社を選びましょう。
また、利用期間が長期になる可能性も高いので、倒産リスクが少なく信頼できる会社や親身になってくれる担当者を見つけるのも大切です。
グリーン司法書士法人の関連団体でも身元保証サービスを提供しています。
司法書士と地域の郵便局が連携し見守りを行い、家族や親族に普段の様子や今後行うべき相続対策や認知症対策を提案可能です。
複数のプランを用意していますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
よくあるご質問
身元保証サービスを利用するデメリットは?
身元保証サービスを利用するデメリットは、下記の通りです。
・費用がかかる
・サービスの提供元が倒産するリスクがある
・悪質な会社・団体に注意しなければならない身元保証サービスにかかる費用はいくら?
利用するサービスの内容や契約する団体や会社によっても異なりますが、身元保証サービスのみだと30〜50万円ほどの費用がかかるケースが多いです。