親の認知症を防止する5つの方法!元気なうちにしかできない相続対策

親の認知症を防止する5つの方法!元気なうちにしかできない相続対策
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司法書士山田 愼一

 監修者:山田 愼一

この記事を読む およそ時間: 5

認知症になってしまうと、判断能力を失ってしまいこれまで通りの生活ができなくなってしまいます。
親が認知症になってしまうと、親自身の生活に支障が出るだけでなく、子供や親族などの生活にも大きく影響します。

認知症になる可能性は誰にでもありますが、少しでも発症を遅らせる、防ぐためには日々の生活の中で認知症予防を取り入れていくことが大切です。
認知症予防には様々な種類があるので、まずは無理なく生活の中でできそうなことから始めてみましょう。

また、認知症予防と合わせて相続対策を進めておくと、認知症になってしまったときにも親名義の財産管理をしやすくなります。
本記事では、親の認知症を予防する方法や認知症になる前にできる相続対策を解説していきます。


1章 親の認知症防止に役立つこと5つ

認知症の発症には日々の生活習慣も大きく関わっているといわれています。
そのため、毎日の生活の中で認知症防止に向けた取り組みをしておくと、発症を防ぐ、認知症の進行を遅らせることが可能です。
年老いた親が自分だけで認知症防止に取り組むのは限界があるので、子供や親族もサポートしてあげるのも良いでしょう。
親の認知症防止に役立つことは、主に以下の5つです。

  1. 生活習慣病を予防する
  2. 運動習慣を身につけてもらう
  3. 趣味を見つけてもらう
  4. 孤立させず人と繋がる機会を作る
  5. 聴力低下の対策をする

それぞれ詳しく解説していきます。

1-1 生活習慣病を予防する

アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症は、糖尿病や脳血管障害など生活習慣病との関係性が強いといわれています。
そのため、生活習慣病を予防すれば間接的に認知症の予防にもつながります。

すでに生活習慣病の診断を受けて治療中の人は、これからも治療を続けるのが大切です。
まだ親御さんが生活習慣病になっていない場合には、これからも健康的な生活を維持するように促していきましょう。

1-2 運動習慣を身につけてもらう

毎日の生活の中で運動習慣を取り入れることは、生活習慣病の予防にもつながります。
さらに、運動は脳への刺激も促してくれるので、認知症予防に効果的です。

年老いた親が運動不足になってしまうと、関節や腰の痛みを引き起こし、生活に必要な動きも制限される恐れがあります。
生活に必要な動きができなくなると、さらに運動不足になる可能性もありますし、ケガのリスクも高まるのでご注意ください。

1-3 趣味を見つけてもらう

年老いてからも趣味を楽しむことで、認知機能低下のリスクを下げられます。
趣味を楽しむことは脳の刺激にもなりますし、定年後や子供が巣立った後の生活の中でも達成感を得やすいです。

趣味を楽しむだけでなく、趣味の計画を立てることでも認知症予防効果を期待できます。
親が日常的に楽しめる趣味がなく悩んでいる場合には、散歩やカラオケ、旅行など身体を動かせる趣味がおすすめです。

1-4 孤立させず人と繋がる機会を作る

年老いた親が1人で家でこもりきりの生活を続けてしまうと、脳への刺激が減り、認知症リスクが高まってしまいます。
親を孤立させず、地域住民や子供や孫、趣味の友達などと積極的に関わる機会を作るのがおすすめです。

現役時代は会社勤めなどで友人をあまり作ってこなかった場合には、趣味の集まりや地域のボランティア、高齢者向けのサークル活動などに参加することから始めてみるのも良いでしょう。

1-5 聴力低下の対策をする

老化により誰しも聴力は低下していきます。
しかし、聴力低下をそのままにしてしまうと、耳から入る脳への刺激が減ってしまい、認知症リスクが高くなってしまいます。
耳が聴こえにくくなったことにより、他人とコミュニケーションを取りづらくなる点にも注意が必要です。

聴力が落ちてきていると感じた時点で、補聴器等を利用することもご検討ください。
定期検診を受けて、聴力が低下していないか確認することも大切です。

このように、認知症防止のためにできることは難しいことではなく、毎日の生活の中で取り入れられるものばかりです。
親が負担に感じない程度に認知症防止のための取り組みをしていくのが良いでしょう。

また、認知症になってしまい判断能力を失うと、親の相続対策や財産管理ができなくなってしまいます。
認知症になる前に相続対策を進めておくと、より安心して生活を送れるのではないでしょうか。
次の章では、認知症になる前にしておきたい相続対策を紹介していきます。

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2章 親が認知症になる前にできる相続対策

親が認知症になってしまい意思疎通が難しくなると、親の相続対策や財産管理を行うのが難しくなります。例えば、預金の引き出しや、介護施設費用の捻出のための実家売却などもできなくなります。
また、遺言書や生前贈与など、相続税対策や相続トラブル対策もできません。

相続対策をすませておかないと、親が希望する人物に財産を引き継げない、多額の相続税がかかるなどの恐れもあるので注意が必要です。
親が認知症になる前にできる相続対策は、主に以下の4つです。

  1. 家族信託を結んでおく
  2. 遺言書を作成してもらう
  3. 生前贈与をしてもらう
  4. 任意後見制度を利用する

それぞれ詳しく解説していきます。

2-1 家族信託を結んでおく

家族信託を結んでおけば、親が認知症などで判断能力を失っても、子供が親の財産を管理・処分できます。
家族信託とは、家族間で信託契約を結び、契約内容の範囲内で受託者が信託財産の管理や運用をする制度であり、イメージは下記の通りです。

親の認知症を防止する5つの方法!元気なうちにしかできない相続対策。家族信託を結んでおく

家族信託は、契約内容の自由度が高く、柔軟に財産を管理できるなどのメリットがあります。
具体的なメリットは以下の通りです。

  • 成年後見制度よりも財産管理の自由度が高い
  • 信託契約の内容によっては財産の積極的な運用もできる
  • 二次相続対策にもつながる
  • 家族間の信託契約なので受託者に報酬を支払わなくてすむ

家族信託には上記のようにメリットがありますが、手続きが複雑なので信頼できる専門家を見つけるのが大変です。
家族信託に関しては、以下の記事で詳しく解説しているので、ご参考にしてください。

家族信託とは?メリット・デメリットと代表的な5つの活用事例を解説

2-2 遺言書を作成してもらう

親が認知症になり判断能力を失ってしまうと、遺言書の作成もできなくなってしまいます。
そのため、親が希望する相続を実現したいのであれば、元気なうちに遺言書を作成してもらうのが良いでしょう。

親の認知症を防止する5つの方法!元気なうちにしかできない相続対策。遺言書を作成してもらう

遺言書を作成すれば親が希望する相続を指定できますが、法的に有効な遺言書を作成する際には、所定の形式を守らなければなりません。
また、遺言書の内容が遺留分を侵害していた場合には、相続の際に遺留分トラブルが発生する恐れもあるので注意が必要です。

遺言書の作成は自分でもできますが、ミスなくスムーズに遺言書を作成したいのであれば、司法書士や弁護士といった専門家に相談するのがおすすめです。

これで遺言書が作成できる!遺言書の書き方・作成手順・注意点まで

2-3 生前贈与をしてもらう

生前贈与を行えば親が亡くなる前に子供に財産を引き継げるので、親が認知症になった後も財産を自由に管理や運用できるようになります。

親の認知症を防止する5つの方法!元気なうちにしかできない相続対策。生前贈与をしてもらう

ただし、生前贈与を行うと贈与された側に贈与税がかかります。
毎年110万円までの贈与であれば、贈与税はかかりませんので、親が元気なうちから生前贈与を毎年行えば贈与税や相続税の節税につながります。
また、一定の要件を満たせば、税控除や特例が使用でき、贈与税を大幅に節税できます。

生前贈与は贈与者と受贈者の合意があれば行えますが、司法書士や弁護士などの専門家に相談して贈与契約書の作成や名義変更手続きを依頼すると安心です。

認知症/相続対策は事前準備が決め手!知らないと損する相続対策4選
生前贈与とは?生前贈与のメリット5つと知っておきたい7つの特例制度・7つの注意点

2-4 任意後見制度を利用する

親が認知症になる前に、任意後見制度を利用し「任意後見人」を選任しておけば、親が認知症になったときに後見人が財産管理や契約手続きを行えます。

親の認知症を防止する5つの方法!元気なうちにしかできない相続対策。任意後見制度を利用する

上記のイラストのように、認知症になっていない段階であれば、任意後見制度を利用できます。
法定後見制度と任意後見制度のサポート内容には大きな違いがありませんが、任意後見制度であれば契約の際には家庭裁判所への申立ても不要で、任意後見人には親が希望する人物を指定可能です。

認知症/相続対策は事前準備が決め手!知らないと損する相続対策4選
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まとめ

認知症に関する研究は日々進んでいて、認知症リスクを高める行動や認知症防止への取り組みもわかってきています。
認知症リスクは日々の生活習慣も大きく影響しており、発症を防ぐ、遅らせるためには認知症防止の取り組みを生活に取り入れていくのがおすすめです。

年老いた親が自分で認知症防止の取り組みを行うのは難しい場合もあるので、子供や親族が協力して進めていくのが良いでしょう。

また、認知症になり判断能力が不十分になってしまうと、親の相続対策や財産管理を行うのが難しくなります。
認知症防止への取り組みと合わせて、相続対策も進めておくのが良いでしょう。
相続対策に関しては専門的な知識が必要になる場合も多いので、司法書士や弁護士といった専門家への相談もご検討ください。

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初回相談は無料、かつオンラインでの相談も可能なので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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よくあるご質問

認知症の人の財産管理はどうすればいい?

認知症になると自分の財産管理を行えなくなるので、認知症になって判断能力を失う前に下記の対策をしておきましょう。
・家族信託を結んでおく
・遺言書を作成してもらう
・生前贈与をしてもらう
・任意後見制度を利用する
▶認知症の人がすべき相続対策について詳しくはコチラ

認知症になった人の自宅の名義変更や売却はできますか?

認知症になり判断能力を失うと、実家の名義変更や売却ができなくなってしまいます。
介護費用や施設への入居費用を捻出するために自宅を売却したいのであれば、成年後見制度の申立てをしましょう。
▶認知症になった人の自宅売却について詳しくはコチラ

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