- 遺品整理で出たゴミの種類がわかる
- 遺品整理で出た一般廃棄物の処理方法がわかる
- 遺品整理で出たゴミを処分する際の注意点がわかる
遺品整理を行い大量のゴミが出た場合、通常の家庭ゴミとして捨ててよいのか悩んでしまう人もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、遺品整理によって出たゴミは一般廃棄物として処理できます。
家族や親族が遺品整理を行う場合、自治体の家庭ゴミのルールに従って処分すれば問題ありません。
とはいえ、遺品の量が多い場合や遺族が高齢で遺品整理を行うのが難しい場合は、遺品整理業者に依頼することも検討しましょう。
本記事では、遺品整理で出たゴミは一般廃棄物として処理して良いのか、処分方法や注意点を解説します。
なお、家族や親族が亡くなると遺品整理以外にも様々な手続きが必要です。
家族や親族が亡くなったときの手続きの流れは、下記の記事でも解説しています。
目次
1章 遺品整理で出たゴミは一般廃棄物として処理する
結論から言うと、遺品整理によって出たゴミは一般廃棄物として処理して問題ありません。
ゴミは大きく分けて①一般廃棄物と②産業廃棄物に分けられます。
法律では、産業廃棄物について細かく定義されており、一般廃棄物は産業廃棄物以外のゴミとも考えられます。
一般廃棄物と産業廃棄物の違いについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
1-1 一般廃棄物と産業廃棄物の違い
産業廃棄物とは、企業などの事業活動に伴って発生する廃棄物の中でも、廃棄物処理法で認定されている20種類の廃棄物を指します。
一般廃棄物は産業廃棄物以外のゴミであり、下記の種類に分類可能です。
- 事業系一般廃棄物
- 家庭系一般廃棄物
- 特別管理一般廃棄物
上記のうち、遺品整理によって発生するゴミは「家庭系一般廃棄物」に分類されます。
2章 遺品整理で出た一般廃棄物を処理する方法
遺品整理によって発生した一般廃棄物を処理する方法としては、通常の家庭ゴミとして出す以外にも、下記の方法があります。
- 通常の家庭ゴミとして出す
- 自分でゴミ処理場に持っていく
- 一般廃棄物収集運搬業者に依頼する
- 遺品整理業者に依頼する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2-1 通常の家庭ゴミとして出す
遺品整理で出たゴミは一般廃棄物であり、通常の家庭ゴミとして出してしまって問題ありません。
遺品の量が少なく遺族でゴミの分別を行えるのであれば、市町村のルールに従って処分してしまえば処分費用を抑えられます。
ただし、遺品整理によって出たゴミの量が多い場合は一度に家庭ゴミとして出してしまうと、ゴミ収集車が回収しきれない、近隣住民に迷惑がかかる恐れもあるのでご注意ください。
2-2 自分でゴミ処理場に持っていく
自治体の家庭ゴミとして出すには量が多い場合や短期間で遺品を処分してしまいたい場合は、遺族が自分たちでゴミ処理場に持っていくことも検討しましょう。
ただし、自分たちでゴミ処理場に遺品を持っていく際にはトラックなどの手配が必要です。
加えて、自治体によってはゴミ処理場への家庭ゴミ持ち込みに対応していないところもあるので、事前に確認しておきましょう。
2-3 一般廃棄物収集運搬業者に依頼する
遺族が高齢であり遺品をゴミ処理場に持っていくことが難しいのであれば、業者に依頼してゴミを回収してもらいましょう。
遺品整理によって発生したゴミの処分を業者に任せる際には「一般廃棄物収集運搬業者」に依頼する必要があります。
遺品整理によって出たゴミは「一般廃棄物」に分類されるため、ゴミ収集業者の中でも「産業廃棄物収集運搬許可業者」に依頼してしまうと違法行為となるのでご注意ください。
2-4 遺品整理業者に依頼する
遺品の量が多く、遺品の仕分けを行うことすら難しい場合は、遺品整理業者に依頼して遺品の仕分けから処分、買取まで一括で行ってもらうのが良いでしょう。
一般廃棄物収集運搬業者としての許可を取得している遺品整理業者に依頼すれば、遺品整理からゴミの処分までまとめて対応してもらえます。
また、遺品整理を専門としている業者に依頼すれば、家族や親族の死に対して心の整理がついていない人にとっても気持ち的に楽でしょう。
遺品整理業者に依頼するメリットや業者の選び方は、下記の記事で詳しく解説しています。
3章 遺品整理で出た一般廃棄物を処理する際の注意点
遺品整理によって発生したゴミを処分する際には、貴重品や形見を誤って捨ててしまわないように仕分けしておく、レンタル品は捨てずに返却するなどの点に注意しましょう。
遺品整理によって発生した一般廃棄物を処分する際の注意点は、下記の通りです。
- 貴重品や形見を仕分けておく
- レンタル品は返却する
- 賃貸の場合は備え付けの家具や備品を区別しておく
それぞれ詳しく解説していきます。
3-1 貴重品や形見を仕分けておく
大切な形見や貴重品を間違って処分してしまわないように、ゴミと分けておきましょう。
遺品整理を行うと、下記のような貴重品を発見するはずです。
- 現金
- クレジットカード
- 通帳や印鑑
- 身分証
- 宝石
- 貴金属
- 骨とう品
- 故人との思い出の品
- 写真
上記をゴミとして処分してしまうと、最悪の場合、取り返しがつかないのでご注意ください。
遺品整理の際に現金や写真が出てきたときの対処法は、下記の記事で詳しく紹介しています。
3-2 レンタル品は返却する
遺品整理をする際に、故人がレンタルショップにて借りていたCDやDVDを見つけた場合は、処分せず返却するようにしましょう。
レンタル品を放置してしまうと、延滞料金がかかり続けてしまうからです。
また、レンタル品だけでなく故人が利用していたサブスクに関しても、相続発生後に解約しておくことをおすすめします。
故人が加入していたサブスクがわからない場合は、利用料金の引き落とし先として指定されている銀行口座やクレジットカードを解約すると契約を解除できます。
3-3 賃貸の場合は備え付けの家具や備品を区別しておく
故人が賃貸物件に住んでいた場合は、備え付けの家具や備品を誤って処分してしまわないようにご注意ください。
万が一、備え付けの家具や備品を壊してしまう、処分してしまうと、管理会社や大家から原状回復費用を請求される恐れもあります。
4章 遺品整理業者に依頼するメリット
遺品整理業者に依頼すれば、家族や親族が遺品の仕分けや処分を行わなくて良いなどのメリットがあります。
遺品整理業者に依頼するメリットは、主に下記の通りです。
- 大量のゴミを一気に処分できる
- ゴミ回収以外も依頼できる
- ゴミを分別しなくてよい
- 好きなタイミングで回収してもらえる
それぞれ詳しく解説していきます。
4-1 大量のゴミを一気に処分できる
遺品整理を専門業者に依頼すれば、大量のゴミを一気にまとめて処分できます。
遺族が遺品整理を行い、不要な遺品を家庭ゴミとして処分した場合、一度にまとめてゴミに出すことは難しく、遺品整理が完了するまでにかなりの時間がかかってしまうことも多いです。
故人が賃貸住宅に住んでいた場合、遺品整理が完了せず賃貸契約を解除できないでいると、その間も家賃がかかり続けてしまいます。
その場合、遺品整理業者に依頼してでも短期間で遺品整理を終えた方が安くすむ可能性もあるでしょう。
4-2 ゴミ回収以外も依頼できる
ゴミ回収以外の作業も行っている遺品整理業者も多いです。
例えば、遺品整理業者の中には下記の業務に対応しているところもあります。
- 遺品の仕分け
- 相続手続きで使用する重要書類(権利書や通帳)の捜索
- 遺品の供養
- 遺品の買取
- 車やバイクの処分
例えば、遺品をゴミとして処分してしまってよいか迷っている場合には、お焚き上げを行ってくれる遺品整理業者に依頼するのも良いでしょう。
他には、故人が着物や貴金属、骨とう品などを所有していた場合、遺品の買取を行ってくれる遺品整理業者に依頼すれば遺品の仕分けから処分、買取まで行ってもらえます。
4-3 ゴミを分別しなくてよい
遺品整理を専門業者に依頼した場合、遺族がゴミの分別をする必要はありません。
遺族が自分たちで遺品整理を行う場合、発生したゴミは自治体の家庭ゴミのルールに従って分別しなければなりません。
遺品の量が多い場合、非常に手間がかかりますし、遺族が高齢な場合は遺品整理そのものが難しいこともあるでしょう。
遺品整理を専門業者に依頼すれば、不要な遺品をまとめて回収してくれるため分別作業が不要となります。
4-4 好きなタイミングで回収してもらえる
遺品整理を業者に依頼すれば、希望のタイミングで遺品の回収をしてもらえます。
遺品整理を行う部屋の間取りや広さ、遺品の量にもよりますが、業者に依頼すれば作業員を確保し数日程度で終わることが多いです。
そのため「賃貸契約を解除する今月末までにゴミを回収してもらいたい」などの希望にも対応してもらえます。
5章 遺品整理業者を選ぶコツ
遺品整理業者に依頼する際には、発生したゴミの回収や処分を行える「一般廃棄物収集運搬業者」の許可を取得している業者を選びましょう。
他にも、契約前には複数の業者に見積もり依頼を出し比較検討することも大切です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
5-1 一般廃棄物収集運搬業者の許可を得ている業者を選ぶ
依頼する遺品整理業者を選ぶ際には、一般廃棄物収集運搬業者の許可を得ている業者を選びましょう。
一般廃棄物収集運搬業者とは、名前の通り、一般廃棄物の収集や運搬を行う許可を得た業者です。
一般廃棄物収集運搬業者の許可は自治体ごとに発行しているので「一般廃棄物収集運搬業者 〇〇市」などでインターネット検索すると探せます。
また、依頼先の遺品整理業者を見つけた場合には、その業者が一般廃棄物収集運搬業者の許可を取得しているかも確認しておくと安心です。
5-2 複数の業者に相見積もりを取る
遺品整理業者を選ぶ際には、複数の業者に見積もり請求をするのがおすすめです。
相見積もりを取得すれば、作業内容や費用の比較もしやすいですし、信頼できる業者を見つけやすくなります。
まとめ
遺品整理によって出たゴミは一般廃棄物として処分できます。
量が少なく遺族が処分できるのであれば、自治体の家庭ゴミのルールに従ってゴミに出すのが費用を抑えられるのでおすすめです。
一方、遺品の種類が多い場合や遺族が高齢でゴミの処分が難しい場合は、遺品整理業者に依頼することも検討しましょう。
ただし、遺品整理業者に依頼する際には、トラブルなどを避けるために「一般廃棄物収集運搬業者」の許可を取得している業者を選ぶなどの対策が必要です。
なお、家族や親族が亡くなると遺品整理以外にも様々な手続きが必要です。
相続手続きを何から始めたら良いかわからない場合は、相続に詳しい司法書士や行政書士に相談することもご検討ください。
グリーン司法法人では、相続手続きについての相談をお受けしています。
初回相談は無料、かつオンラインでの相談も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。