贈与税の肩代わりに注意!贈与税が二重課税される仕組みを解説

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この記事でわかること

  • 贈与税を贈与者が肩代わりするとどうなるのか
  • 受贈者が贈与税の納税資金を用意できないときの対処法
  • 贈与税の負担を軽減する方法

贈与税は「財産をもらった人が払う税金」ですが、「贈与した側が税金も払えば良いのでは」と誤解されるケースも少なくありません。
しかし、贈与者が贈与税を肩代わりすると、それ自体が新たな贈与とみなされ、さらに贈与税が課せられる恐れがあります。

本記事では、贈与税を贈与者が支払った場合の取り扱いや納税資金に困ったときの対処法について解説します。


1章 贈与税を贈与者が払うとその分にも贈与税がかかる

贈与税は、財産をもらった側(受贈者)が負担する税金です。
そのため、贈与者が贈与税を支払ってしまうと、その支払い額についても贈与税が課税されてしまいます。

例えば、贈与者が贈与税を肩代わりしてしまう典型的なケースとして、受贈者が未成年の子どもで手元に資金がない場合が挙げられます。
「親が代わりに払ってあげよう」と考えがちですが、この場合でも親が支払った贈与税相当額は、子供への新たな贈与とみなされます。

例えば、300万円の贈与に対して贈与税が19万円発生し、その19万円を贈与者が直接納付した場合、「300万円の贈与」だけでなく「19万円の税金を負担してもらった」という事実も贈与と評価されます。
結果として、319万円の贈与があったものとして課税関係が再計算される可能性があります。

このように、贈与税の肩代わりは実質的な贈与と同じ扱いになる点を理解しておかないと、後から税務署から指摘を受け、追徴課税や加算税の対象になる恐れもあるのでご注意ください。

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2章 受贈者が贈与税の納税資金を用意できないときの対処法

贈与を受けたものの、手元に贈与税を支払うための現金がないというケースは少なくありません。
特に、不動産や自社株式など、換金しにくい財産を贈与された場合、納税資金の確保が問題となりやすいでしょう。

本章では、受贈者が贈与税の納税資金を用意できないときの対処法を解説します。

2-1 贈与者から納税資金を借りる

ひとつ目の方法は、贈与者から贈与税の納税資金を「借りる」という形をとる方法です。
この方法を選択する場合、あくまで「貸付」であり、贈与ではないことを明確にする必要があります。

具体的には、口約束ではなく、借用書や金銭消費貸借契約書を作成し、返済期限や返済方法を具体的に定めておくことが重要です。
さらに、実際に返済を行い、通帳などで資金の流れを確認できる状態にしておくことで、税務上も「贈与ではなく貸付である」と認められやすくなります。

形式だけ整えて返済実態がない場合、後から贈与と認定されるリスクがあるため注意しましょう。

2-2 贈与税の延納を利用する

2つ目は、贈与税の延納制度を利用する方法です。
一定の要件を満たせば、贈与税を一括で納付できない場合でも、分割で納付することが認められます。

延納を利用するには、申告期限までに申請を行い、原則として担保を提供する必要があります。
また、延納期間中は利子税がかかる点も押さえておきましょう。

2-3 納税資金もあわせて贈与してもらう

3つ目は、贈与財産と合わせて、贈与税の納税資金となる現金も一緒に贈与してもらう方法です。
例えば、不動産のみを贈与するのではなく、「不動産+現金」をセットで贈与するイメージです。

この方法であれば、贈与税を受贈者自身の資金で支払う形になるため、贈与者による税金の肩代わりには該当しません。
ただし、当然ながら現金部分も含めた全体が贈与税の課税対象となるため、事前に税額シミュレーションを行うことが重要です。


3章 贈与税の負担を軽減する方法

贈与税は、贈与の方法や制度の選択によって、負担を大きく抑えられる場合があります。
ここでは、比較的多く利用されている代表的な方法を3つ紹介します。

3-1 贈与額を年間110万円以内にする

贈与税対策として最も基本的なものが、贈与税の基礎控除を活用する方法です。
1月1日から12月31日までの1年間に受けた贈与額の合計が110万円以内であれば、贈与税はかかりません。

基礎控除を利用し、毎年少しずつ贈与を行うことで、贈与税をかけずに財産を移転していくことが可能です。
特に、現金や預貯金など分割しやすい財産との相性が良い方法といえるでしょう。

ただし、形式上は毎年110万円以下でも、実態として「最初からまとまった金額を贈与する合意があった」と判断されると、定期贈与として否認されるリスクがあります。
これを避けるためには、毎年贈与契約書を作成したり、贈与の時期や金額を固定しすぎないなどの工夫が必要です。

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3-2 相続時精算課税制度を利用する

相続時精算課税制度を利用すれば、贈与税の負担を大幅に抑えることができます。
相続時精算課税制度を選択すると、2,500万円まで非課税で贈与できます。
一方、贈与財産は将来の相続時に相続財産としてまとめて精算する仕組みです。

まとまった金額を非課税で贈与できるので、親から子供への生前贈与など、相続を見据えた財産移転に向いている制度といえるでしょう。
特に、将来的に値上がりが見込まれる不動産や自社株式を早めに移転したい場合には、活用を検討しましょう。

一方で、相続時精算課税制度を選択すると、二度と暦年課税に戻すことはできません。
また、相続時に贈与財産が相続税の課税対象となるため、相続税全体の負担が増える可能性もあります。

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3-3 贈与税の控除や特例を利用する

贈与税には、特定の目的や条件を満たすことで利用できる控除や特例制度がいくつか用意されています。
代表的なものは、下記の通りです。

  • 贈与税の配偶者控除
  • 住宅取得等資金の贈与に関する非課税特例
  • 結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度

これらの制度を利用すれば、一定額まで贈与税が非課税となるため、通常の暦年贈与よりも大きな金額を一度に移転できます。
ただし、使途が厳格に限定されており、期限や手続き要件も細かく定められています。

要件を満たさない使い方をした場合、後から贈与税が課せられることもあるため、制度内容を正確に理解したうえで活用することが大切です。

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まとめ

贈与税は原則として受贈者が負担する税金であり、贈与者が税金を肩代わりすると、その分も贈与として課税される点に注意が必要です。

受贈者が納税資金を準備できない場合、贈与者からの借入や延納制度の利用などを検討しましょう。
また、基礎控除の活用や相続時精算課税制度、各種控除・特例を組み合わせることで、贈与税の負担を抑えることも重要です。

このように、贈与税の計算や節税対策は複雑ですので自己判断で行わず、贈与税や相続税に精通した税理士に相談することをおすすめします。

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