相続放棄をするとき債権者へ連絡はすべき?|債権者対応の手順を解説

「まさか借金していたなんて!」…身内が亡くなった後、債権者からの取り立ての連絡が来て驚いたという方は少なくありません。

とても返せない額の場合、自分の人生を守るためにも何としてでも相続放棄を行いたいところですよね。その場合、債権者への対応はどうするのがベストなのでしょうか。

この記事では、相続放棄するときの債権者対応と督促されたときの手順を解説いたします。


1章 相続放棄するときの債権者対応の手順

この記事を読んでいる方は、言葉通り借金していたことを墓場まで持っていってしまった被相続人への憤りと焦りで混乱している状況ではないかと思います。

自分が置かれている状況が整理できるまで『遺産や借金の返済には1円も手をつけないこと』が大切です。なぜなら、遺産に手をつけると、相続する意思があると判断され「相続放棄」できなくなるからです。

ここからは、相続放棄する際の債権者への対応を詳しく解説いたします。

  • 【債権者対応の手順】
  • 1.遺産調査をして相続放棄するか判断する
  • 2.債権者に相続放棄する旨を連絡
  • 3.相続放棄の手続き
  • 4.債権者へ相続放棄が完了したことを連絡

もし、既に相続の手続きを終えてしまっている場合は、2章の相続後の債権者への対処法をご確認ください。

1-1 遺産調査をして相続放棄するか判断しよう

まずは、被相続人の遺産の調査を行いましょう。

借金を抱えていたことが判明しても、他の遺産があれば相殺できる場合もあります。ですので、まずは本当に借金しかないのかを調査する必要があります。

もし、自分の相続の順番が上の方だった場合、相続放棄をすることで次の相続の方に権利が移行するため、別の方が借金の返済義務を負ってしまうことになります。ほとんどの場合は次の相続も身内なため、迷惑をかけたくないという方も少なくないのではないでしょうか。相殺が可能であれば、相続して借金を返済するのも手です。

相続放棄を考えている方は、借金を黙っていたまま次の相続人となる方に引き継がれるとトラブルになりかねないので、次の相続候補者にあらかじめ相続放棄の理由を伝えてあげましょう。

1-2 債権者に相続放棄すると連絡しよう

相続放棄を行う決心が付いたら、債権者に「相続放棄を検討している」という連絡をしましょう。払えない理由などは伝える必要はなく、ただ「単に相続放棄をする」ということだけ伝えれば十分です。

また、相続放棄が完了したら「相続放棄申述受理通知書」がもらえるので、正式に相続放棄が完了したらコピーを郵送することも伝えておくと良いでしょう。

しかし、ここで注意しておくべきポイントがあります。

  1. 1.1円でも借金を払ってはいけない
  2. 2.怪しい闇金などは連絡しない

の2点です。

ポイント①1円でも借金を払ってはいけない

債権者は少しでも回収しようと「手持ちの分だけでも良いので払ってください」とお願いするかもしれません。ひとまず今日のところは帰ってもらおうと思い、少しでも払うと今後相続放棄できない可能性があります。

この場合、「相続の法定単純承認」と呼ばれる行為に該当し、借金の相続をする意思を見せたことになってしまいます。例え1,000万円の借金のうちのたった1万円だったとしても、返済する意思があると見なされる可能性があります。

また、借金の額については相手に聞かなくてもこちら側から調べることができます。本当はもっとあるのに、少額と嘘をつかれて払ってしまうことのないように気を付けましょう。

ポイント②怪しい闇金などは連絡しない

怪しい闇金などにはそもそも連絡しないようにしましょう。グレーな場所から借りている場合、丁寧に連絡しようが土下座をして泣きつこうが結果が変わらないことがほとんどです。

もし返済する以外に聞く耳を持ってくれなさそうな相手だった場合、早急に弁護士に相談するのがおすすめです。

1-3 相続放棄の手続きをしよう

相手に相続放棄の意思を告げたら、いよいよ相続放棄の手続きを行いましょう。

相続放棄の期限は相続発生を知ってから3ヶ月です。「元々相続するつもりだったのに、借金が見つかったことで慌てて調査をしている」という方は相続放棄の期限の延長も可能です。

そうこう悩んでいるうちにそのまま期限が過ぎてしまい、結局相続する羽目に…ということにならないためにもまずは期限を確認しましょう。

延長したい場合は「期限ギリギリに大きい借金が見つかったので、相続するか熟考したい」との旨を家庭裁判所に告げる必要があります。

また、確実に相続放棄したいという方は、書類の準備や手続きを専門家に依頼するのも手です。専門家に依頼した場合、以下の手続きを代行してもらうことが可能です。

自分でした場合司法書士に依頼した場合弁護士に依頼した場合
相続放棄の相談自分で考える必要がある相談できる相談できる
必要書類の収集自分で収集する必要がある代行してもらえる代行してもらえる
相続放棄申述書の作成自分で作成する必要がある代行してもらえる(署名は本人)代行してもらえる
上申書の作成自分で作成する必要がある代行してもらえる(署名は本人)代行してもらえる
裁判所への書類の提出自分で提出する必要がある代行してもらえる代行してもらえる
裁判所からの照会に対する回答自分で回答する必要がある回答方法を助言してもらえる代わりに回答してもらえる
相続放棄申述受理証明書の取得自分で取得する必要がある代行してもらえる代行してもらえる
債権者に相続放棄したことを報告自分で報告する必要がある代行してもらえる代行してもらえる
債権者からの取立てに対する交渉・訴訟自分で対応する必要がある1社あたりの元金が140万円以下に限る代行してもらえる

弁護士は依頼者の代理として動いてくれますが、司法書士は書類作成サポートなので、弁護士に比べ費用が安い傾向にあります。よほど怪しい金融業者でない限りは司法書士で問題ないでしょう。

今後多額の借金を抱えるかもしれないことを考えると、専門家に依頼すれば安心できるのではないでしょうか。

相続放棄の延長と期限が過ぎた場合の対処法については以下の記事で解説しています。

1-4 債権者へ相続放棄が完了したことを連絡しよう

無事、家庭裁判所から「相続放棄申述受理通知書」が手元に届いたら相続放棄は完了です。これで、晴れて借金を相続しなくても済みます。債権者に相続放棄が完了したことを連絡しましょう。

債権者に相続放棄申述受理通知書のコピーを送っておくと、正式に相続放棄したことが伝わるので心配な場合は送るとより安心でしょう。

ちなみに、裁判所で手続きすれば、相続放棄申述受理証明書と呼ばれる「正式な証明書」を1通150円で何通でも発行してもらえます。

債権者によっては、相続放棄申述受理「通知書のコピー」でなく「証明書」を送って欲しいと言ってくるケースもあります。証明書を取得するときは、何部か発行してもらい保管しておくと良いでしょう。


2章 相続放棄の期限後に債権者から督促があった場合の対処法

では、相続放棄ができる期限後に債権者から督促があった場合はどうしたら良いでしょうか?
「期限切れと言われても、そんなに借金があったら今頃相続なんてしていない!」と困ってしまいますよね。

ここからは相続放棄の期限が過ぎてしまった後に、債権者から督促があった場合の対処法をパターン別に解説します。

パターン①すでに相続手続きが終わっている

パターン②まだ何も相続手続きしていないとき

2-1 すでに相続手続きが終わっている場合の対処法

預金解約や名義変更などの相続手続きをした後、債権者から督促があった場合は原則相続放棄することはできません。

しかし、財産を相続した後に借金が見つかった場合でも、相続放棄できる可能性はあります。

なぜなら、本当にくまなく財産を調べたけれど借金が判明しなかったのか、本当に見つけようがなかったのかなど事情聴取した上で、最後は家庭裁判所が判断するからです。

ただでさえ不慣れな手続きを行い、かつ相続放棄も勝ち取るのは難しいことが予想されるので、少しでも確率を上げるためにも専門家に相談して対策を立ててもらうことをおすすめします。

2-2 何も相続手続きしていないときの対処法

相続順位が下の方だと、期限が過ぎた後に巡り巡って督促が来るケースもあります。

まだ何も相続手続きしていない場合は、とにかく1円でも払わないことを徹底しましょう。

「単純承認(相続を認めたこと)」に該当しないためにも、何も対応せずに「相続放棄の手続きを行う」ことだけを伝えて手続きに入りましょう。

例え、相続放棄の期限が過ぎていても、「自分が相続人となること」&「借金があったことを知った」ときからカウントされるので、そのときから3ヶ月以内に手続きをすれば相続放棄が認められる可能性は十二分にあります。


3章 債権者へ相続放棄の連絡をしたのに取り立てが続く場合の対処法

債権者へ相続放棄の連絡をしたにも関わらず、それでもしつこく取り立ての連絡が来る場合は専門家に相談することをおすすめします。

相続放棄が完了したら、一切の相続の権利がなくなるのでもちろん借金の返済の義務もなくなります。家庭裁判所で正式に認められているので放置しても問題はないです。

そうは言っても、多額のお金を貸した債権者側からすると、何としてでも取り立てたいのはやまやまです。どうしても諦めない場合は、弁護士を通して再度話し合うようにしましょう。弁護士が間に入ることでトラブルを防ぐことができます。

また、債権者がなんとか返済してもらおうと、恫喝や脅迫のような行動に出たら警察にも相談するのも方法の1つです。


4章 相続放棄されたら債権者は泣き寝入り!?

相続放棄が完了したら、一切の返済義務がないことが分かったと思います。しかし、債権者の立場からすると貸した相手が亡くなった場合、泣き寝入りするしかないのでしょうか。

答えは、原則泣き寝入りとなってしまいます。

仮に、相続放棄ができる期限を超えてしまっている場合や相手が少しでも支払った場合など、相続放棄に該当しない証拠があるのであれば、相続放棄無効の訴えも可能です。債権者が家庭裁判所で手続きを行う必要がありますが、家庭裁判所で相続放棄が無効であることが承認されれば再度取り立てを行うことができます。

難しそうであれば、少しでも回収するために被相続人が亡くなった時の住所を管轄する家庭裁判所に行き、相続財産管理人を申立てしましょう。相続財産管理人とは、相続する人がいない場合に被相続人が残した相続財産を管理する人のことです。

申立てから手続きが終わるまで1年以上かかりますが、どうしても納得がいかない場合は検討してみましょう。

相続財産管理人の選任の流れと費用については、以下の記事で解説しています。


5章 トラブルになる前に専門家へのご相談を

相続放棄をしたい相続人と、借りたお金を返済してもらいたい債権者。第三者との金銭トラブルが泥沼化しないためにも、発覚した時点で専門家に相談するのも1つの方法です。

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