
目次
第7回:不動産の相続手続きとは? 〜名義変更を放置するとどうなる?〜
これまでの回で、
- 相続とは何か
- 誰が相続人になるのか
- 相続財産の内容
- 相続放棄
- 遺言書
- 遺産分割協議
と、相続の基本的な流れを見てきました。
今回からは、その中でも特にご相談の多いテーマ、
「不動産の相続」について解説します。
不動産の相続で最初に必要なこと
相続財産の中に、
- 自宅
- 土地
- マンション
- 投資用不動産
などの不動産が含まれている場合、必ず必要になるのが「名義変更」です。
この名義変更の手続きを、相続登記(そうぞくとうき)といいます。
相続登記とは、亡くなった方の名義になっている不動産を、相続人の名義へ変更する手続きのことです。

不動産は「自動的に名義が変わる」わけではありません。
たとえ家族が住み続けていても、
相続登記をしなければ、登記上はまだ被相続人の名義のままです。
名義変更をしないとどうなる?
「特に困っていないから、名義変更は後回しでいいのでは?」
と思われる方も少なくありません。
しかし、名義変更をしないままでいると、次のような問題が生じます。
① 売却ができない
不動産を売却するには、現在の名義人が契約の当事者である必要があります。
名義が亡くなった方のままでは、原則として売却できません。
② 担保に入れられない
金融機関から融資を受ける場合も、名義が自分になっていなければ担保にできません。
③ 世代が進むと手続きが複雑化する
名義変更をしないまま相続人の一人が亡くなると、さらに次の世代の相続人が加わります。
これを繰り返すと、相続人が何十人にもなることもあります。

実務では、
「相続人が10人以上いる土地」のご相談もあります。
放置すると、話し合いそのものが困難になることがあります。
2024年から「相続登記は義務化」されました
これまでは、相続登記に期限はなく、事実上「放置されがち」な手続きでした。
しかし、2024年4月から、相続登記が義務化されました。
不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記を申請する必要があります。
正当な理由なく放置すると、過料(行政上のペナルティ)が科される可能性があります。

「いつかやろう」と思っているうちに
期限を過ぎてしまうケースも考えられます。
早めの確認が大切です。
不動産の評価は“思っている金額”と違うことも
相続で不動産を扱う場合、その不動産がいくらの価値なのかも重要です。
- 市場価格
- 固定資産税評価額
- 相続税評価額
これらは必ずしも同じではありません。

「この土地はたいした価値がない」と思っていても、
評価してみると高額だった、ということもあります。
逆に、売却しにくい土地の場合もあります。
共有名義になるとどうなる?
遺産分割の結果、不動産を相続人複数人の共有名義にするケースもあります。
一見、公平に見えますが、共有名義には注意が必要です。
- 売却には共有者全員の同意が必要
- 賃貸に出す場合も原則同意が必要
- 一人でも反対すると動かせない

「とりあえず共有にしておく」という判断は、
将来的なトラブルの原因になることがあります。
共有にする場合は慎重に検討しましょう。
相続登記の基本的な流れ
相続登記は、次のような流れで行います。
- 相続人の確定(戸籍収集)
- 遺言書の有無確認
- 遺産分割協議
- 必要書類の準備
- 法務局へ申請
一つでも誤りがあると、補正(修正)を求められることがあります。

特に不動産の表示(所在・地番など)は正確に記載する必要があります。
登記事項証明書を確認しながら進めることが重要です。
まとめ
今回のポイントは、
- 不動産は自動的に名義変更されない
- 名義変更をしないと売却や活用ができない
- 相続登記は2024年から義務化された
- 共有名義には注意が必要
という点です。
不動産は金額が大きく、手続きも専門的になりやすい分野です。

「まだ住んでいるから大丈夫」と思わずに、
一度名義の確認をしてみてください。
不安があれば、お気軽にご相談くださいね。
次回予告
第8回:相続登記の義務化とは?
〜3年以内に何をすればいい?〜






