借地権は相続できる!相続時に起きやすいトラブルや対処法まとめ

借地権は相続できる!相続時に起きやすいトラブルや対処法まとめ
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司法書士中川 徳将

 監修者:中川 徳将

この記事を読む およそ時間: 6

借地権とは、土地を借り建物を建てて使用する権利です。
借地権は相続財産に含まれるため、亡くなった人が活用していた借地権は相続人が受け継ぎます。

相続人が借地権を受け継ぐ際には地主の許可等は不要であり、契約更新なども行う必要はありません。
ただし、相続人が借地権を使用する予定がなく第三者に売却するときには、地主に許可を得る必要があります。

このように、借地権を相続したときには取り扱いが複雑なので土地や建物、相続人の状況によって対応が異なります。

また借地権は登記申請が不要なケースがほとんどですが、建物は亡くなった人から相続人に名義変更する必要があるのでご注意ください。

本記事では、相続時の借地権の取り扱いや相続時の流れ、注意点を解説します。
借地権を相続し地主に返還するか悩んでいる人は、下記の記事もご参考ください。

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1章 借地権は相続財産に含まれる

土地を借り建物を建てて使用する権利である借地権は資産のひとつであり、相続財産に含まれます。
そのため、預貯金や不動産などと同様に借地権も相続人が受け継ぎますし、遺言書などで借地権を受け継ぐ人物を指定することも可能です。

相続時の借地権の取り扱いは、主に下記の通りです。

  1. 原則として地主の許可は不要
  2. 相続した借地権の売却には地主の許可が必要
  3. 相続後の建物の建て替えは契約条項に準ずる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1-1 原則として地主の許可は不要

借地権は相続財産に含まれるため、相続人が受け継ぎます。
借地権を相続人が受け継ぐ際には地主の許可は不要ですし、契約更新や譲渡承諾料の支払いなども必要ありません。
ただし、後々のトラブルを防ぐために、相続が発生したことは地主に連絡しておくと良いでしょう。

また、亡くなった人が遺言書などで相続人以外に借地権を相続させると指定していた場合は、地主の許可を得ておく必要があります。
また、場合によっては地主に対して譲渡承諾料の支払いも必要になるでしょう。

1-2 相続した借地権の売却には地主の許可が必要

相続人が借地権を受け継いだものの活用予定がない場合、借地権を売却したいと考えるケースもあるでしょう。
借地権は地主に買い取ってもらうだけでなく、第三者に売却することも可能です。

しかし、第三者に借地権を売却する際には地主の許可が必要であり、譲渡承諾料を払う必要があります。

1-3 相続後の建物の建て替えは契約条項に準ずる

借地の上に建築されている建物が古い場合は、相続を機に建て替えを検討する場合もあるでしょう。
借地契約の中には、建物の建て替えを制限しているものもあるので契約内容をよく確認しておきましょう。

契約の中で建物の建て替えや改装が制限されている場合は、建て替え前に必ず地主の許可を取る必要があります。
地主の許可を得る際に、借地権価格の5%程度を承諾料として支払うケースも多いです。

なお地主が建て替えを許可しない場合は、裁判所に申立て許可を得ることも可能です。

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2章 借地権を相続する流れ・必要書類

借地権を相続したときには、借地の上に建築されている建物の名義変更および地主に相続が発生したことを連絡しておきましょう。

なお借地権が登記されていた場合は、亡くなった人から相続人へ借地権の名義変更手続きをする必要があります。
とはいえ、多くのケースでは借地権は登記していないことが多いです。

借地の上に建築されている建物の名義変更手続きは法務局にて登記申請を行う必要があり、申請方法や必要書類は下記の通りです。

申請する人
  • 建物を相続した人
  • 代理人
申請先建物の住所地を管轄する法務局
申請費用
  • 登録免許税:不動産固定資産評価額の0.4%
  • (目安:1000万円の場合4万円、2000万円の場合8万円)
必要書類
  • 登記申請書(法務局HPからダウンロードできます)
  • 故人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 故人の住民票除票または戸籍附票
  • 相続人の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書
  • 印鑑証明書
  • 遺言書
    など

建物の名義変更手続きは自分で行うこともできますが、書類の収集や作成には手間がかかるため、司法書士に依頼することをおすすめします。

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2024年から相続登記が義務化されます

これまで相続登記は義務化されておらず、相続人の意思によって行うとされていました。
しかし、2024年4月からは相続登記が義務化され、相続発生から3年以内に相続登記をしない場合には10万円以下の過料が科される恐れがあります。

なお、相続登記の義務化は過去に発生した相続においても適用されます。
そのため、まだ相続登記がおすみでない土地をお持ちの人は早めに手続きをすませましょう。

相続登記は自分でも行えますが、司法書士に依頼すれば数万円程度で代行可能です。
グリーン司法書士法人でも相続登記に関する相談をお受けしていますので、お気軽にお問い合わせください。

相続登記の義務化は2024年4月!法改正で変更される4つのポイント

3章 借地権を相続したときに起きやすいトラブル・対処法

借地権は相続財産に含まれ、相続人が受け継ぐ場合は地主の許可や契約更新料などは不要です。
しかし、中には地主が名義変更手続きや承諾料を要求するケースや契約更新を拒否するケースなどがあります。

相続時に借地権に関して起きやすいトラブルは、主に下記の6つです。

  1. 名義変更料・承諾料を要求される
  2. 立ち退きを要求される
  3. 地代の値上げを要求される
  4. 建物の建て替えを許可してもらえない
  5. 建物の売却を拒否される
  6. 更新を拒否される

それぞれ詳しく解説していきます。

3-1 名義変更料・承諾料を要求される

借地権を相続人が受け継いだときには、名義変更手続きや地主の許可は不要です。
しかし、地主の中には「〇〇さん(亡くなった人)に貸しただけで、相続人に貸したわけではない」と主張し、名義変更料を求めてくる場合があります。

法律的には、名義変更料や承諾料の支払いに応じる義務はありません。
しかし、今後も地主との関係を円滑に保ちたい、かつ名義変更料が少額であれば支払った方がトラブルが起きるリスクを減らせる可能性があります。

そのため、名義変更料や承諾料の支払いに関しては状況に応じて判断することもご検討ください。

3-2 立ち退きを要求される

相続人が借地権を受け継ぐ際に地主の許可は不要なので、相続を理由に地主に立ち退き要求されても応じる必要はありません。
応じる義務がないことを地主に説明しても、立ち退き要求が収まらないのであれば弁護士や警察への相談も視野に入れましょう。

3-3 地代の値上げを要求される

地主の中には、相続を機に地代を値上げを要求してくる場合もあります。
原則として、相続人が借地権を受け継いだ際に地代の値上げに応じる義務はありません。
ただし、地代が地価や周辺の賃料相場と比較して著しく安い場合は、地代が強制的に上がる可能性があります。

そのため、相続人が借地権を受け継いだタイミングで地代の値上げを要求された場合は、要求が妥当なのか周辺の地価や賃料相場などの情報を集めるのが良いでしょう。

3-4 建物の建て替えを許可してもらえない

相続人が借地権を受け継いだタイミングで建物の建て替えを検討する場合は、借地契約の内容を確認しましょう。
建て替えや改築の際に地主の許可が必要と契約内で定められている場合は、地主の許可が必要です。
地主の許可を得ずに建て替えを行うと、契約解除となる恐れもあるのでご注意ください。

また、地主の許可を得る際には地代の数%の承諾料を支払うケースも多いため、状況に応じて承諾料の金額についても地主と交渉してみましょう。

3-5 建物の売却を拒否される

借地権および建物を第三者に売却するときには、地主の許可が必要です。
ただし、借地権が「地上権」にあたる場合は売却時に地主の許可は必要ありません。

借地権や建物の売却を考えているときには、まずは借地契約の内容を確認するのが良いでしょう。
借地権が「貸借権」の場合は売却時に地主の許可が必要なので、地主と承諾料などを交渉する必要があります。

3-6 更新を拒否される

相続人が借地権を受け継いだ後、地主に借地契約の更新を拒否されたときには正当事由の有無を確認しましょう。
法律により、地主側が借地契約を契約更新を拒否する場合は、正当事由が必要と決められているからです。

正当事由に該当するケースの例は、下記の通りです。

  • 地主が住むためにその土地を必要としている
  • 借地の上に建築されている建物が長期にわたり使用されていない
  • 借地の上に建築されている建物の損傷が激しい
  • 借地人が多くの不動産を所有している
  • 地主が他に多くの不動産を所有していない

正当事由に該当しないのに契約更新を拒否されたときは、応じる必要がないことを地主に説明した上で弁護士に相談するのが良いでしょう。
ただし、弁護士によって得意分野が分かれているため、相続や立ち退き交渉に強みを持つ弁護士に相談するのがおすすめです。


4章 借地権を相続したときの注意点

借地権は土地を借り建物を建てて使用する権利であり、火事や災害などで建物自体がなくなると借地権も失ってしまう恐れがあります。
また、借地権には更新料がかかるため、相続後に借地権を活用しない場合は手放すことも検討しましょう。

借地権を相続する際に注意点は、主に下記の4つです。

  1. 建物がなくなると借地権も消滅する
  2. 借地権には更新料が発生する
  3. 借地上に建っている建物は相続登記をする
  4. 借地権は相続税の課税対象に含まれる

それぞれ詳しく解説していきます。

4-1 建物がなくなると借地権も消滅する

火事や地震、津波などの災害で借地の上に建築されている建物が消失した場合、放置していると借地権の対抗要件がなくなり借地権そのものも消滅してしまいます。
何らかの事情で建物がなくなり借地権を主張するためには、借地権者は下記を借地の上の見やすい場所に掲示すれば対抗力を保てます。

  • 滅失した建物を特定するために必要な事項
  • 建物の滅失があった日から2年以内に建物を新たに築造する、もしくは売却する

あまり多くないケースですが、亡くなった人の借地権や建物を放置していて建物が焼失、倒壊した場合は放置せず適切な対処をしておかなければなりません。
借地権はその土地の3~7割程度の価値を持つため、放置していて消滅してしまうのは非常にもったいないからです。

4-2 借地権には更新料が発生する

借地契約の更新時には地主に更新料を払うケースが多いです。
法律的に更新料の支払いが決められているわけではありませんが、これまでも更新料を払っていた場合は地主との良好な関係を保つために払っておくのが良いでしょう。

借地契約の更新料は「土地の価格×借地権割合×更新料率(5~10%程度)」で計算できます。
例えば、下記のケースの更新料を計算してみましょう。

  • 土地の価格:6,000万円
  • 借地権割合:60%
  • 更新料:8%

更新料は「6,000万円×60%×8%=288万円」となります。
借地の価値が高い場合、更新料も必然的に高くなりますので、あらかじめシミュレーションした上で受け継いだ借地権を使用、活用しましょう。

4-3 借地上に建っている建物は相続登記をする

借地権は登記申請されているケースは少ないため、相続時にも名義変更手続きは必要ないケースが多いです。
一方で、借地の上に建築されている建物は登記情報が登録されており、相続時には亡くなった人から相続人に名義変更手続きをしなければなりません。

建物の名義変更を行う際には、法務局で登記申請手続きをする必要があります。
登記申請は必要書類を収集し登記申請書を作成する必要があり、自分で行うこともできますが、手間がかかるため司法書士に依頼するのがおすすめです。

相続登記で必要な書類を把握!【相続パターン別のわかりやすい一覧表】

4-4 借地権は相続税の課税対象に含まれる

借地権は相続財産のひとつであり、預貯金や不動産のように相続税の課税対象となります。
借地権の相続税評価額の計算方法は借地契約の種類によって異なり、例えば普通借地権の場合は「自用地評価額×借地権割合」で計算します。

下記のケースの相続税評価額を計算してみましょう。

  • 自用地評価額:6,000万円
  • 借地権割合:60%

上記のケースで借地権の相続税評価額は「6,000万円×60%=4,800万円」であり、決して安い金額ではありません。
都心部にある借地権は価値が高いケースも多いため、受け継ぐ場合には相続税の負担まで考慮しておく必要があるでしょう。

借地権の相続税評価額を計算する方法まとめ!相続時の注意点とは?
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まとめ

借地権は相続財産に含まれ、亡くなった人が使用していた借地権は相続人が受け継ぎます。
なお、相続人が受け継ぐ際には地主の許可や名義変更料は必要ありません。
一方で、遺言書などで相続人以外の人物が借地権を受け継ぐよう指定されていた場合は、地主の許可や承諾料の支払いが必要です。

借地権の相続は誰が受け継ぐかによって対応が異なり、相続人が借地権を使用しない場合は地主への返還や第三者の売却も検討しなければなりません。
また借地権や建物を売却するにしても、建物の名義変更手続きは必要です。

借地権を相続したときには、どんな手続きが必要か、借地権や建物をどのように活用していくかを含めて判断しなければなりません。
何から始めれば良いかわからない、借地権を売却したいが方法がわからないなどとお悩みの場合は、相続に詳しい司法書士への相談がおすすめです。

グリーン司法書士法人では、相続登記に関する相談をお受けしています。
初回相談は無料ですし、グループ会社には不動産会社もありますので借地権の活用や売却まで相談可能です

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