遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類があり、それぞれ受給要件や受給期間が異なります。
遺族年金は遺された家族の生活を支えるために重要なお金となるので、受給要件や受給期間に関しては丁寧に確認することが大切です。
遺族基礎年金の場合は、原則として子供が18歳に到達する年度末まで受給可能です。
遺族厚生年金の場合は、受給者によっていつまで受け取れるかが変わってきます。
本記事では、遺族年金がいつまで受け取れるのか、支給が打ち切られるケースを見ていきましょう。
なお、家族が亡くなると遺族年金の申請以外にも様々な手続きをしなければなりません。
家族が死亡したときにすべきことは、下記の記事で詳しく解説しているので、ご参考にしてください。
目次
1章 遺族年金には2種類ある
遺族年金とは、働き手や年金を受け取っていた家族が亡くなったときに遺された家族のために支給される年金です。
遺族年金には、下記の2種類があります。
- 遺族基礎年金
- 遺族厚生年金
それぞれの概要について、見ていきましょう。
1-1 遺族基礎年金
遺族基礎年金とは、国民年金の被保険者であった人が亡くなったときに、子のいる配偶者もしくは子供が受け取れる年金です。
受給要件および支給額は、下記の通りです。
亡くなった人の要件 |
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支給対象者の要件 |
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支給額 |
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1-2 遺族厚生年金
遺族厚生年金とは会社員など厚生年金の被保険者や被保険者だった人が亡くなったときに、故人に生計を維持されていた人が受け取れる年金です。
受給要件および支給額は、下記の通りです。
亡くなった人の要件 |
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支給対象者の要件 | 下記のうち、優先順位が高い人物が受け取れる 【第一順位】 妻 夫(妻の死亡当時に55歳以上の人が対象) 子供 【第二順位】 父母(故人の死亡当時に55歳以上の人が対象) 【第三順位】 孫 【第四順位】 祖父母(故人の死亡当時に55歳以上の人が対象) |
支給額 | 老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4 |
2章 遺族基礎年金はいつまで受け取れる?
遺族基礎年金の受給期間は、子供が18歳に到達する年度末までです。
なお、障害等級2級以上の子供がいる場合は、子供の年齢が20歳を超えるまで受給できます。
3章 遺族厚生年金はいつまで受け取れる?
遺族厚生年金は支給対象者によって、受給期間が変わってきます。
- 妻が受取人の場合
- 夫が受取人の場合
- 子が受取人の場合
それぞれ遺族厚生年金をいつまで受給できるのか、見ていきましょう。
3-1 妻が受取人の場合
妻が遺族厚生年金を受け取る場合、子供の有無や夫死亡時の妻の年齢によって下記のように受給期間が変わってきます。
夫が死亡したときに子供がいた 夫が死亡したときに30歳以上だった | 亡くなった翌月から一生涯受給できる |
夫が死亡したときに子供がいない 夫が死亡したときに30歳未満だった | 亡くなった翌月から5年間受給できる |
3-2 夫が受取人の場合
夫が遺族厚生年金を受け取る場合は、60歳から生涯にわたり受給可能です。
なお、夫が遺族厚生年金を受け取るには、妻の死亡時に55歳以上である必要があります。
ただし、遺族基礎年金を受給中の子がいる夫の場合は、60歳未満でも遺族厚生年金を受け取れます。
3-3 子が受取人の場合
子供や孫が親もしくは祖父母の遺族厚生年金を受け取る場合、亡くなった翌月から18歳の年度末まで受給可能です。
ただし、受取人である子供や孫が障害等級1級・2級に該当する場合は20歳まで受給できます。
4章 遺族年金の支給が打ち切られるケース
先ほどの章で解説したように、遺族年金は受取人によって受給期間が決まってきます。
また、受給期間の途中であっても遺族年金以外の年金を受け取る場合、遺族年金が支給停止になる可能性があります。
遺族年金の支給が打ち切られるケースは、主に下記の通りです。
- 遺族年金の受給権者が婚姻したケース
- 遺族年金の受給権者が養子になったケース
まとめ
遺族年金は種類によって受給期間が決められており、再婚や養子縁組などにより支給が打ち切られるケースもあります。
したがって、一家の大黒柱を失ったときには遺族年金のみを頼るのではなく、遺産や生命保険金なども活用して遺された家族が生活していく必要があるでしょう。
相続手続きをスムーズに完了させ、遺された家族の生活基盤を整えたい場合は、相続手続きを司法書士や行政書士などの専門家に依頼するのもおすすめです。
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