土地の評価額は「固定資産税路線価」や「相続税路線価」など複数の種類があります。
相続税路線価は相続税や贈与税の計算時に用いる評価額であり、固定資産税路線価はその土地の固定資産税評価額を求める際に使用する土地の単価です。
なお、相続税路線価は公示価格の約8割、固定資産税路線価は公示価格の7割程度になることが多いです。
不動産を使用して相続税対策を行う場合は、市場価格だけでなく相続税路線価も見据えて税金対策をしなければなりません。
相続税路線価を調べる際には、国税庁ホームページ「路線価図・評価倍率表」を用いて調べることが可能です。
土地の評価額や税額を計算する際には、計算目的をハッキリとさせ適切な路線価を使用しましょう。
本記事では、固定資産税路線価と相続税路線価の違いやそれぞれの調べ方を紹介していきます。
目次
1章 路線価とは
路線価とは、道路に面した宅地の1㎡あたりの土地価格です。
路線価には、大きく分けて以下の2種類があり、それぞれ異なる税金の計算に使用されます。
- 固定資産税路線価
- 相続税路線価
なお、路線価と表記される場合は、相続税路線価を指すケースが多いです。
それぞれの土地の評価額について、詳しく確認していきましょう。
1-1 固定資産税路線価とは
固定資産税路線価とは、名前の通り、固定資産税を計算するときに使用します。
また固定資産税路線価は、固定資産税だけでなく、不動産取得税の計算にも使用されます。
固定資産税路線価の概要は、以下の通りです。
算出される税金 |
|
評価先 | 市町村(東京23区は東京都) |
評価頻度 | 3年に1度 |
価格時点 | 基準年の1月1日 |
公表時期 | 基準年の4月頃 |
1-2 相続税路線価とは
相続税路線価とは、相続税評価額を計算するために使用する路線価です。
相続税だけでなく、生前贈与を受け贈与税の計算をする際にも相続税路線価を使用します。
相続税路線価の概要は、以下の通りです。
算出される税金 |
|
評価先 | 国税庁 |
評価頻度 | 毎年 |
価格時点 | 1月1日 |
公表時期 | 毎年7月頃 |
【不動産を相続した際には相続登記が必要です】
不動産を相続したときには不動産の名義変更(相続登記)が必要です。
さらに、2024年より相続登記を行うことが義務になります。
もし相続した不動産の変更登記がお済みでないのであれば、まずは相続登記を行いましょう。
相続登記は司法書士に代行してもらうことも可能です。
相続登記の義務化に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
2章 固定資産税路線価と相続税路線価の関係式
固定資産税路線価と相続税路線価の金額は、全く関係性がないわけではありません。
固定資産税路線価は公示価格の約7割、相続税路線価は公示価格の約8割なので、それぞれの路線価の目安は以下の計算式であらわせます。
- 固定資産税路線価=相続税路線価÷0.8×0.7
- 相続税路線価=固定資産税路線価÷0.7×0.8
公示価格とは、国土交通省が毎年発表している全国の土地の基準価格です。
ただし、上記の計算式で計算できるのはあくまでも各路線価の概算です。
土地の所在地によっては、公示価格に対する路線価の割合も異なりますし、固定資産税路線価は3年に1度の評価なので最新の公示価格や相続税路線価とずれる場合もあります。
正確な固定資産税路線価や相続税路線価を知りたいのであれば、次の章で紹介する方法で路線価を調べるのが確実です。
3章 固定資産税路線価と相続税路線価の調べ方
先ほど解説したように、固定資産税路線価や相続税路線価の概算は、公示価格をもとにした関係式で計算可能です。
正確な路線価を知りたい場合には、これから紹介する方法で路線価を調べるのがおすすめです。
固定資産税路線価と相続税路線価の調べ方をそれぞれ紹介していきます。
3-1 固定資産税路線価の調べ方
固定資産税路線価は、一般財団法人資産評価システム研究センターが運営している「全国地価マップ」を使用して調べられます。
具体的な手順は、以下の通りです。
- 「全国地価マップ」にアクセスする
- 固定資産税路線価等を選択する
- 住所を入力もしくは一覧や地図から調べたい土地を選択する
- 表示された地図をもとに路線価を調べる
道路に記載されている数値が固定資産税路線価です。
なお、固定資産税路線価は「円/㎡」で記載されています。
3-2 相続税路線価の調べ方
相続税路線価も固定資産税路線価と同様に「全国地価マップ」を使用すれば、調べられます。
手順もほぼ同じで、全国地価マップにアクセスしたら、相続税路線価等を選択し、調べたい住所地の地図を確認しましょう。
また、相続税路線価に関しては国税庁ホームページ「路線価図・評価倍率表」を用いても調べられます。
「路線価図・評価倍率表」を用いて相続税路線価を調べる手順は、以下の通りです。
- 「路線価図・評価倍率表」にアクセスする
- 地図やリストから路線価を調べたい都道府県を選択する
- 路線価図を選択する
- 表示された市区町村リストから路線価を調べたい市区町村を選択する
- 路線価図を確認し調べたい場所の路線価を確認する
相続税路線価図では、以下のように道路ごとに数字とアルファベットが記載されています。
例えば、上記の相続税路線価図の赤い四角の路線価は1㎡27万円です。
まとめ
路線価とは、道路に面する宅地1㎡あたりの価格です。
路線価には固定資産税路線価と相続税路線価があり、それぞれ異なる税金や評価額の計算に使用されます。また、路線価とのみ記載されている場合には相続税路線価を指しているケースが多いです。
固定資産税路線価と相続税路線価は、それぞれ用途が異なります。
路線価を活用し土地の評価額を調べるときには、計算目的をハッキリさせてから適切な路線価を調べましょう。
例えば、相続税の計算をするために相続した土地の路線価を調べる際には、相続税路線価を使用します。
路線価を用いた土地評価額の計算は自分で行うこともできますが、土地の形状や立地によっては計算方法が複雑になるので、専門家に相談することもご検討ください。
グリーン司法書士法人では、相続登記を始めとした相続手続きに関する相談をお受けしています。
初回相談は無料、かつオンラインでの相談も可能なので、まずはお気軽にお問い合わせください。
よくあるご質問
固定資産税路線価はどうやって調べる?
固定資産税評価額の調べ方は、下記の通りです。
①「全国地価マップ」にアクセスする
②固定資産税路線価等を選択する
③住所を入力もしくは一覧や地図から調べたい土地を選択する
④表示された地図をもとに路線価を調べる
▶固定資産税評価額の調べ方について詳しくはコチラ固定資産税路線価と相続税路線価はどちらが高い?
固定資産税路線価は公示価格の約7割、相続税路線価は公示価格の約8割なので、一般的には相続税路線価の方が高くなりやすいです。
▶固定資産税評価額と相続税路線価の関係について詳しくはコチラ