死後離婚しても遺産や遺族年金は受け取れる!メリデメや手続方法を紹介

夫が亡くなった後も、夫の親族との関係は続きます。
親族との関係を断ち切りたいのであれば、死後離婚の手続きが必要です。

死後離婚を行っても、夫の遺産や遺族年金の受取はできるので、金銭的なデメリットはほとんどないのでご安心ください。
近年、死後離婚をする方が増えており、2010年の死後離婚の届出数は1,911件だったのに対し、2020年は3,022件まで増加しています。

本記事では死後離婚のメリット、デメリット、手続き方法や必要書類を解説していきます。                                                                        


1章 死後離婚とは

死後離婚とは、配偶者が亡くなった後に、配偶者の親族との姻族関係を終了させるために行う手続きです。
配偶者が死亡した後に「配偶者の両親や兄弟との縁を切りたいと考える方」が死後離婚をするケースがほとんどです。
配偶者の死亡後は配偶者との婚姻関係は終了しますが、死後離婚の手続きを取らなければ配偶者との姻族関係(義父母・義兄弟姉妹)は続きます。

死後離婚は正式名称を「姻族関係終了届」と言い、役所に必要書類を提出することで手続きが完了します。
次の章では、死後離婚のメリットやデメリットを詳しく確認していきましょう。

姻族関係とは?

配偶者の血族との関係を姻族と言い、3親等内の姻族は親族に含まれます。
3親等内の姻族に該当するのは、配偶者の両親や兄弟姉妹などです。
姻族関係があると、互いの扶養義務が課せられるなど直系血族の親族のように民法上の繋がりが生じます。


2章 死後離婚のメリット・デメリット

死後離婚にはメリットとデメリットがあるので、手続き前によく確認しておく必要があります。

2-1 死後離婚のメリット

死後離婚のメリットは主に以下の4つです。

  1. 1.義父母や義兄弟の介護や扶養義務がなくなる
  2. 2.義父母との同居を解消できる
  3. 3.亡夫との関係を絶てる
  4. 4.お墓や仏壇の管理をしなくてすむ

それぞれ解説していきます。

義父母や義兄弟の介護や扶養義務がなくなる

死後離婚を行えば、夫の親族との関係を断ちきれます。
姻族関係が終了するので、夫の親族の扶養義務や介護の必要性もなくなります。

例えば夫が亡くなったものの義父母が生きている場合には、義父母の介護や老後の面倒を見るように要求され困ってしまう可能性があるかもしれません。
死後離婚を行えば、このような不安やリスクを解消できます。

義両親との同居を解消できる

夫が亡くなる前から義父母と同居をしていたケースの場合、夫が亡くなった後も義父母との同居を解消しにくいと感じる方もいます。

死後離婚を行い、義父母との関係を断ち切れば同居の解消もしやすくなります。

亡き夫と関係を断てる

死後離婚を行えば、夫の親族との関係を断ち切るだけでなく、亡くなった夫との関係も断ち切れます。
生前、夫と仲が悪かった場合や夫と同じお墓に入りたくないと思っている方は、死後離婚によって関係を断ち切ってしまえば、その後のストレスを減らせるかもしれません。

お墓や仏壇の管理をしなくてすむ

夫が亡くなった場合、妻が祭祀承継者となり、お墓や仏壇などの祭祀財産を管理するケースが一般的です。
死後離婚をすれば、祭祀承継者にならなくてすむので、お墓や仏壇の管理も不要です。

お墓や仏壇の引き取りや夫の法要で親族と関わりたくないときには、死後離婚を行うのも選択肢のひとつでしょう。

死後離婚しても、義父母、義兄弟、自身の子供には連絡がいかないのでご安心ください!

死後離婚をしても、義父母や配偶者の兄弟姉妹などに自治体から連絡が行くことはありません。
死後離婚後は戸籍に「姻族関係終了」と記載されるのみです。
そのため義父母や配偶者の兄弟姉妹が戸籍を取得すれば、気付かれてしまう可能性はゼロではありません。

また、介護やお墓の管理などを断るために死後離婚を行うのであれば、ご自身で「姻族関係終了届を提出した」と義父母や配偶者の兄弟姉妹に伝える必要はあるでしょう。

 

2-2 死後離婚のデメリット

死後離婚にはデメリットもあります。
後述しますが、死後離婚の手続きは一度行うと取り消しができないので、デメリットも考慮しておきましょう。

死後離婚のデメリットは主に以下の2つです。

子供との関係が悪くなる可能性がある

死後離婚に対して子供が納得していない場合、子供との関係性が悪化する可能性があります。
「わざわざ父が亡くなってから離婚する必要があるのか?」「そんなに父の親族と関わりたくないのか?」と不信感を抱く子供もいるかもしれません。

死後離婚を行うのであれば、子供の理解を得てから手続きをするのが良いでしょう。

お墓参りや法要への参加が難しくなる

死後離婚をした場合、夫のお墓参りをすることや法事などの法要の参加は難しくなるでしょう。
夫の親族との関係は断ち切りたいけれど、夫との関係は生前も悪くなく、死後もお墓参りや法要をきちんと行いたいと考えている場合には注意が必要です。


3章 死後離婚をしても遺産や遺族年金は受け取れる

「死後離婚をすると遺産や遺族年金が受け取れなくなるのではないか」「経済的なデメリットがありそうだから、死後離婚はできない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
死後離婚は夫の親族との関係を終了させる手続きなので、遺産や遺族年金の受け取りには影響ありません。

遺産や遺族年金を受け取った上で、死後離婚を選択することも可能なので、ご安心ください。


4章 死後離婚の手続き方法・必要書類

死後離婚は正式名称を「姻族関係終了届」と言い、離婚届と同様に市区町村の役場に必要書類を提出する必要があります。
姻族関係終了届の提出方法や必要書類は以下の通りです。

提出先届出人の本籍地もしくは住所地のある市区町村役場
提出書類
  • ・姻族関係終了届
  • ・亡くなった配偶者の死亡事項が記載されている戸籍(除籍)謄本
  • ・届出人の現在の戸籍謄本
提出者遺された配偶者
その他必要なもの
  • ・届出人の印鑑
  • ・本人確認書類

届出人の現在の戸籍謄本は、提出先が本籍地の場合は不要です。


5章 死後離婚を行うときの注意点

死後離婚を行うときに注意すべき点は、以下の4つです。

  1. 1.婚族関係終了届は一度出したら取り消せない
  2. 2.死後離婚だけでは相続放棄にならない
  3. 3.死後離婚後も子供と配偶者親族の血縁関係はなくならない
  4. 4.名字を旧姓に戻すときにはさらに手続きが必要

それぞれ詳しく解説していきます。

姻族関係終了届は一度提出したら取り消せない

姻族関係終了届は一度提出してしまうと、取り消しができません。
死後離婚を行う際には、メリットやデメリットを把握したうえで後悔のない選択をしましょう。

ご自身で死後離婚を行うべきか判断がつかないときには、離婚問題や死後離婚に詳しい弁護士などの専門家への相談もご検討ください。

死後離婚だけでは相続放棄にならない

死後離婚は、夫の親族との関係を断ち切る手続きであり、夫の相続手続きには影響しません。
そのため夫に借金があるなどの理由で、相続放棄をしたいのであれば死後離婚の手続きとは別に、相続放棄の手続きが必要です。

相続放棄は相続が開始してから3ヶ月以内に手続きを行わなければならないのでご注意ください。

死後離婚後も子供と配偶者親族の血縁関係はなくならない

死後離婚で断ち切れるのは、夫の親族との関係のみです。
亡くなった夫との間に子供がいる場合には、子供と夫の親族の血縁関係は続きます。

例えば夫の両親が亡くなった際には、子供は義父母の代襲相続人になりますし、子供は夫の両親や兄弟姉妹に対して扶養義務を負い続けます。
そのため亡くなった夫とご自身の間に子供がいる場合は、事実上、夫の親族と関係を完全に断ち切るのは難しい場合もあります。

名字を旧姓に戻すときにはさらに手続きが必要

夫が亡くなった後に、名字を旧姓に戻すときには姻族関係終了届とは別に「復氏届」を提出する必要があります。
夫と生前仲が悪く、「夫の死後は夫の名字を名乗りたくない」と考える方は復氏届の提出もご検討ください。
復氏届の提出に関する情報は、以下の通りです。

提出者配偶者の死後、名字を旧姓に戻したい本人
提出先
  • ・本籍地のある市区町村役場
  • ・住所地の市区町村役場
必要書類
  • ・戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
  • ・結婚前の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)または分籍届

本籍地のある市区町村役場に復氏届を提出する場合には、戸籍謄本の提出は不要です。
また、復氏届を提出後は元の戸籍に戻るか新たに戸籍を作るか、選択する必要があります。

  • ・元の戸籍に戻る場合:結婚前の戸籍謄本を提出
  • ・新しく戸籍を作る場合:分析届

上記の書類が必要になるので、準備しておきましょう。


まとめ

死後離婚は、亡くなった配偶者の親族との関係を断ち切るために行う手続きです。
亡くなった配偶者との婚姻関係には影響しないので、死後離婚を行ったとしても遺産や遺族年金の受け取りは問題なく行えます。

そのため死後離婚の金銭的なデメリットはほぼないといえるでしょう。
しかし死後離婚の手続きは一度行ってしまうと、取り消すことができません。
手続きを行う際には、メリットやデメリットを把握した上でご自身にとってベストな選択をするのが良いでしょう。

死後離婚をすべきか迷ってしまうときには、専門家に相談するのもおすすめです。

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