車も相続財産のひとつであり、持ち主が亡くなったときには名義変更等の相続手続きを行わなければなりません。
車の名義を死亡後もそのままにしておいたとしても罰則等はありませんが、車の売却や廃車手続きができない、自動車税の納付書が相続人のもとに届かない等のデメリットがあるので注意が必要です。
そのため、他の相続手続きとともに車の名義変更手続きもすませておきましょう。
車の相続手続きを行う際には、まずは亡くなった人が乗っていた車の名義を車検証で確認する必要があります。
本記事では、車の名義を死亡後もそのままにしておくとどうなるのか、車の相続手続きの流れや必要書類を紹介していきます。
目次
1章 死亡後も車の名義をそのままにしておくとどうなる?
相続手続きの中でも、故人が所有していた車の名義変更手続きは期限が設定されていません。
ただし「道路運送車両法」では所有者が変わると15日以内に手続きをすると定められています。
そのため、名義変更手続きを行わずに故人が所有していた車に乗り続けることも可能です。
しかし、名義変更を行わないままでいると、以下のような問題が発生する恐れもあります。
- 相続人の共有財産として扱われる
- 車の売却や廃車手続きができない
- 自動車税の納付書が届かない恐れがある
- 任意保険の補償が受けられない恐れがある
それぞれ詳しく解説していきます。
1-1 相続人の共有財産として扱われる
故人が所有していた車の名義変更手続きを行わないと、相続人全員の共有財産として扱われます。
共有財産として扱われたままだと後述するように、車の売却手続きや廃車手続きを行うことができません。
1-2 車の売却や廃車手続きができない
先ほど解説したように、車の名義を故人のままにしておくと、売却手続きや廃車手続きができません。
そのため、車を手放したいと思っていても、売却や廃車手続きを行えずいつまでも自動車税や車検費用等の維持費がかかってしまいます。
故人が乗っていた車を手放したい場合には、まずは車の名義変更手続きを行った上で売却もしくは廃車手続きを行う必要があります。
1-3 自動車税の納付書が届かない恐れがある
故人の車に課税される自動車税の納付義務は、相続人に受け継がれます。
しかし、車の名義変更手続きを行わないでそのままにしておくと、相続人のもとに自動車税の納付書が届かない恐れがあります。
自動車税の納付書は車の所有者の住所地に送られることになっているからです。
納付書が届かなかったことにより、自動車税を滞納してしまうと追徴課税等のペナルティが発生する可能性もあります。
1-4 任意保険の補償が受けられない恐れがある
車の名義を死亡後もそのままにしておくと、任意保険の補償が受けられない恐れがあります。
車や任意保険の名義変更をすませていない場合に補償が受けられるかどうかは、保険会社の判断にゆだねられているからです。
補償を受けられたとしても、事故が起きたときに確認に手間取り、保険金の支払いが遅れてしまう可能性もあるでしょう。
万が一の補償を適切に受けるためにも、車の持ち主が亡くなったときには任意保険と車両方の名義変更を速やかにすませるのがおすすめです。
次の章では、車の相続手続きの流れや必要書類を詳しく解説していきます。
2章 車の相続手続きの流れ・必要書類
車の相続手続きを行う際には、まずは車の所有者を確認しましょう。
故人の持ち主だと思っていた車がリース会社もしくはローン会社が所有している可能性もあるからです。
故人が所有していた車とハッキリした場合には、車の名義変更手続きを行います。
それぞれの手続きを詳しく解説していきます。
2-1 車の所有者を確認する
亡くなった人が生前乗っていた車でも、本人が所有していた車とは限りません。
家族が所有していた車を使用していただけの可能性もありますし、リース会社やローン会社が所有者となっている可能性もあるからです。
車の所有者は、車検証の「所有者の氏名又は名称」に記載されています。
車の所有者が亡くなった人本人であれば、この後で紹介する名義変更手続きが必要です。
一方で、車の所有者がリース会社やローン会社だった場合には、車検証に記載されている会社に連絡して、リースの再契約や契約解除等の手続きを行いましょう。
2-2 車の名義変更手続きを行う
車を亡くなった人が所有していたことがハッキリした場合には、車の名義変更手続きを行いましょう。
車の名義変更手続きの概要および必要書類は、下記の通りです。
手続きする人 |
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手続き先 |
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費用 |
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必要書類 |
など |
まとめ
相続手続きには様々なものがあり、車の名義変更手続きもそのひとつです。
車の相続手続きには期限が決められてなく、名義変更手続きをしないことによる罰則等もありません。
そのため、名義変更をしないまま故人の車を家族が使用してしまうケースもあるでしょう。
しかし、車の名義を死亡後そのままにしておくと、売却や廃車手続きができない、自動車税の納付書が届かない等のデメリットがあります。
そのため、他の相続手続きが落ち着いたら車の相続手続きもすませておくのが良いでしょう。
車の相続手続きを行うには、まずは亡くなった人が乗っていた車の所有者が誰か調べる必要があります。
車の所有者は車検証に記載されているので、確認してみましょう。
他の相続手続きもしなければならず、車の相続手続きを行う時間がない場合には司法書士等の専門家に依頼するのも良いでしょう。
グリーン司法書士法人では、相続手続きに関する相談をお受けしています。
初回相談は無料、かつオンラインでの相談も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。
よくあるご質問
車の名義変更しないとどうなる?
車の名義変更手続きをしないと、下記のデメリットやリスクがあります。
・相続人の共有財産として扱われる
・車の売却や廃車手続きができない
・自動車税の納付書が届かない恐れがある
・任意保険の補償が受けられない恐れがある
▶車の名義変更をしないリスクについて詳しくはコチラ
死亡した人の車の名義変更方法は?
車の名義変更手続きの流れは、下記の通りです。
①車の所有者を確認する
②運輸支局もしくは軽自動車検査協会で名義変更手続きを行う
▶車の名義変更手続きについて詳しくはコチラ