- 公正証書遺言の必要書類と収集方法
- 公正証書遺言を作成する流れ
公正証書遺言は、相続対策で使用される遺言書の中でも信頼性が高く、原本を公証役場で保管してもらえるのが特徴です。
公正証書遺言を作成する際には、必要書類を揃え、証人2名を用意しなければなりません。
また、公正証書遺言を作成する際には事前に公証人との打ち合わせも必要ですし、場合によっては遺言内容を司法書士や弁護士などの専門家に相談しておく必要もあります。
本記事では、公正証書遺言を作成する際の必要書類や収集方法、作成の流れを解説します。
相続対策で用いられる遺言書については、下記の記事で詳しく解説しているので、あわせてお読みください。
目次
1章 公正証書遺言作成の必要書類チェックリスト
公正証書遺言の作成に必要な書類を次のチェックリストで確認してみましょう。
上記のように、遺言の内容に応じて必要な書類は変わるため、遺言の内容に応じた必要書類を準備しましょう。
なお、各書類は1部あればOKです。
相続に詳しい司法書士や弁護士であれば、必要書類の収集から遺言内容の提案までサポートできます。
自分の希望通りの遺言書を作りたい場合や必要書類の収集が負担な人は、相続に精通した専門家への相談をおすすめします。
公正証書遺言の証人について詳しく知りたい方はこちら
2章 公正証書遺言作成の流れ
公正証書遺言の作成方法には、①自分で公証人役場に直接依頼するか②司法書士などの専門家に依頼し、サポートしてもらい作成する方法があります。
どちらの方法が自分に合っているかご判断いただくために、それぞれの流れやメリット・デメリットを見ていきましょう。
2-1 自分で公証人役場に直接依頼する場合
公正証書遺言は自分で公証人役場に直接依頼して、作成してもらうことも可能です。
自分で公証人役場で手続きする流れやメリット、デメリットを詳しく解説していきます。
2-1-1 公正証書遺言を作成する流れ
自分で公証人役場に直接依頼する場合の流れは、下記の通りです。
- 遺言の内容として「何を、誰に、どのくらい」相続させるのかを決める
- 最寄りの公証人役場を探す
- 公証人役場に面談日時の予約をする
- 遺言者本人が公証人役場へ必要書類を持参し、公証人へ遺言の内容を伝える
- 遺言作成の日時を予約する
- 公証人が証人2名の前で遺言者の本人確認を行い、用意していた遺言書の原案を読み上げる
- 内容に間違いがなければ、遺言者本人が遺言書の原案に署名押印する
- 続いて証人2名、公証人が遺言書の原案に署名押印する
- こちらで保管しておく公正証書遺言書(正本・謄本)を受け取る
2-1-2 自分で公正証書遺言を作成するメリット
自分で公証人役場に直接依頼する場合のメリットは、司法書士や弁護士などの専門家に支払う費用を抑えられることです。
2-1-3 自分で公正証書遺言を作成するデメリット
自分で公証人役場に直接依頼する場合のデメリットは、主に下記の2つです。
- 公証人との煩雑な打ち合わせを自分で行わなければならない
- 公正証書遺言の作成に必要な書類を自分で収集しなければならない
- 自分で遺言の内容を考えなければならない
自分の希望に合う遺言内容を提案してもらいたい場合や必要書類の収集や公証役場との打ち合わせが難しい場合は、相続に詳しい司法書士や弁護士に公正証書遺言の作成を依頼しましょう。
「公証人は相続対策や相続トラブル防止の提案・アドバイスは一切してくれません。」
公証人は遺言者の希望するとおりの遺言書を作成してくれますが「相続対策の提案」や「トラブル防止のためのアドバイス」は一切してくれません。
「相続対策」や「相続トラブルの防止」のため、様々な提案やアドバイスを受けたうえで、遺言の内容を決めたい人は司法書士などの専門家に依頼することも検討しましょう。
2-2 司法書士(専門家)に依頼しサポートしてもらい作成する場合
司法書士や弁護士などの専門家に公正証書遺言の作成を依頼すれば、必要書類の収集や公証人との打ち合わせをすべて任せられます。
また、遺言内容の提案や他の相続対策との組み合わせも提案してもらえるため、自分の希望に合う相続を実現しやすくなります。
司法書士や弁護士などの専門家に公正証書遺言の作成を依頼する流れやメリット、デメリットを詳しく見ていきましょう。
2-2-1 公正証書遺言を作成する流れ
司法書士などの専門家に依頼し、サポートしてもらい作成する場合の流れは下記の通りです。
- 相続・遺言に詳しい司法書士事務所を探す
- 無料相談の予約をする
- 司法書士が遺言者本人(または家族から)遺言者の希望と必要な情報を聞き取る
- 司法書士が遺言者のおかれた状況をふまえ最適な遺言内容を提案する
- 司法書士が公証人役場と打ち合わせをする
- 遺言書の草案を遺言者本人が確認する
- 司法書士が遺言作成の日時を予約する
- 公証人が証人2名(うち1名司法書士)の前で遺言者の本人確認を行い、用意していた遺言書の原案を読み上げる
内容に間違いがなければ、遺言者本人が遺言書の原案に署名押印する
続いて証人2名(うち1名司法書士)、公証人が遺言書の原案に署名押印する - こちらで保管しておく公正証書遺言書(正本・謄本)を受け取る(場合によっては司法書士に1部保管してもらう。)
2-2-2 専門家に公正証書遺言を作成してもらうメリット
司法書士や弁護士などの専門家に公正証書遺言を作成してもらうメリットは、下記の通りです。
- 遺言者本人の希望や実現したいことを的確に聞き取り、最適な遺言の内容を提案してくれる
- 遺言書作成以外の「相続対策」や「トラブル防止」の方法も合わせて提案してくれる
- 公証人との煩雑な打ち合わせを司法書士が行ってくれる
- 司法書士が証人になってくれるので、遺言書に「司法書士◯◯◯◯」と名前が入る
- 遺言者が亡くなった後、相続人が引き続き、事情を知っている司法書士へ相談できる
- 遺言書を作成してくれた司法書士や弁護士に遺言執行者に就いてもらえる
司法書士や弁護士などの専門家に公正証書遺言の作成を依頼すれば、作成手続きを任せられるだけでなく、遺言内容の提案や他の相続対策との組み合わせも提案してもらえます。
また、遺言書の作成だけでなく遺言執行者の選任も司法書士や弁護士に依頼しておけば、相続発生後の遺族の負担やトラブルリスクを減らせます。
遺言書を作成する際には、あわせて遺言執行者も選任しておきましょう。
遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために手続きを行う人です。
遺言執行者を選任しておけば、単独で遺産の名義変更手続きを行えますし、相続人に遺言書の内容を伝えてくれます。
遺言執行者は相続人がなることもできますが、遺言書の作成を依頼した司法書士や弁護士を選任すれば、作成時の意図や遺志も伝えてもらえます。
2-2-3 専門家に公正証書遺言を作成してもらうデメリット
司法書士や弁護士などの専門家に公正証書遺言を作成してもらうデメリットは、司法書士や弁護士などに支払う費用がかかる点です。
公正証書遺言の作成を専門家に依頼した場合の費用は、弁護士や司法書士など業種によって費用が増減するというよりは、財産額や遺言の内容、遺言書の保管など付帯するサービスによって増減する傾向にあります。
公正証書遺言の作成を依頼した場合の目安としては、10万円から20万円程度の費用になることが多いでしょう。
3章 公正証書遺言の作成を依頼できる専門家
遺言書作成の相談先として、一般的に弁護士、司法書士、行政書士などの専門家があげられますが、どの専門家へ相談したら良いという答えはありません。
なぜなら、弁護士や司法書士の資格を持っているからといって、「相続・遺言の実務に精通」しているとは限らないからです。
あなたにとってベストな遺言を作成するには、相続に関する知識と実務経験が豊富な専門家に依頼することが一番重要になります。
具体的には、下記の基準をもとに、公正証書遺言の作成を依頼する専門家を見つけるのが良いでしょう。
- 相続や遺言の専門のホームページがある
- ホームページに遺産整理や成年後見など、相続に関する幅広い情報が記載されている
- HPに相続や遺言の取扱件数が表示されている
- 相続に関するセミナーを頻繁に開催している
ちなみに当メディアを運営している「グリーン司法書士法人」は、積極的に遺言書作成のサポートを行っております。
初回相談が無料、かつオンラインでの相談も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。
まとめ
公正証書遺言を作成する際には、遺言者の戸籍謄本や相続財産についての資料などを用意しなければなりません。
公正証書遺言の作成に必要な書類は、自分で集める以外にも、司法書士や弁護士に集めてもらことも可能です。
相続に詳しい司法書士や弁護士に公正証書遺言の作成を依頼すれば、遺言内容の提案や他の相続対策との組み合わせを提案してもらえますし、相続発生後の手続きについてもサポートしてもらえます。
公正証書遺言の作成を依頼する司法書士や弁護士を選ぶ際には、ホームページなどを確認して相続に精通した専門家を選びましょう。
グリーン司法書士法人では、遺言書作成をはじめとした相続対策についての相談をお受けしています。
初回相談は無料、かつオンラインでの相談も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。