世帯主変更届(せたいぬしへんこうとどけ)とは、世帯主が亡くなったときに新しい世帯主を決定するための書類です。
世帯主が亡くなったときには、一部のケースを除いて14日以内に世帯主変更届を提出しなければなりません。
世帯主変更届の提出期限を過ぎると過料が発生する恐れもあるのでご注意ください。
また、世帯主変更届を提出できるのは①新しく世帯主になる人もしくは②世帯主と同一世帯に住んでいる人のみです。
そのため、故人の親族であっても提出時に委任状が必要になるケースもあります。
本記事では、世帯主変更届とは何か、提出方法や提出時の注意点を解説します。
なお、家族や親族が亡くなったときには世帯主変更届以外にも様々な書類の提出や手続きが必要です。
加えて世帯主が亡くなった場合、遺された家族の生活費などの問題が生じる可能性もあるでしょう。
家族が亡くなった後の手続きの流れは、下記の記事でも詳しく解説しています。
目次
1章 世帯主変更届とは
世帯主変更届(せたいぬしへんこうとどけ)とは、世帯主が死亡したときに新しい世帯主を決めて提出する書類です。
世帯主変更届は世帯主が亡くなってから14日以内に提出する必要がありますが、一般的には死亡届とともに提出することが多いです。
なお、世帯主変更届と似た書類に世帯変更届がありますが、世帯変更届は同一住所で世帯を2つに分離する際に提出する書類です。
1-1 世帯主が死亡すると様々な手続きが必要になる
世帯主が死亡すると世帯主変更届の提出が必要なだけでなく、様々な行政手続きや相続手続きが必要になります。
相続手続きの中には期限が決まっているものもあり、期限を過ぎると過料や延滞税などがかかってしまう恐れもあるのでご注意ください。
加えて、世帯主が死亡した場合、遺された家族の心理的な負担も大きくなりますし、遺された家族の生活費についての不安もあるでしょう。
このような不安や負担を解消するには、相続手続きを効率よく行うのがおすすめです。
相続手続きを自分で行うのが難しい場合、家族の死による心理的な負担が大きく手続きについて考えられない場合は、相続に詳しい司法書士や行政書士に手続きを依頼するのも良いでしょう。
2章 世帯主死亡時に世帯主変更届の提出が必要なケース
世帯主変更届は世帯主が亡くなり、世帯に15歳以上の人が2人以上いる場合です。
このようなケースでは次に世帯主になる人物がわからないため、世帯主を決定し世帯主変更届を提出しなければなりません。
2-1 世帯主を自分で変更しなくて良いケース
世帯主だった家族が亡くなったときはすべてのケースで世帯主変更届の提出が必要と考えられがちですが、実際には下記のケースでは提出不要です。
- 世帯に誰も残っている人がいない
- 世帯に残ったのが1人だけ
- 世帯に残ったのが親と15歳未満の子供のみ
上記のように、次の世帯主が誰か明確な場合や世帯自体がなくなる場合は世帯主変更届を提出する必要がありません。
3章 世帯主変更届の提出方法・必要書類
世帯主変更届は新しく世帯主になる人や同一世帯の人が亡くなった世帯主が住んでいた地域の市区町村役場に提出する必要があります。
世帯主変更届の提出方法は下記の通りです。
提出する人 |
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提出期限 | 世帯主が亡くなってから14日以内 |
提出先 | 亡くなった世帯主の居住地の市区町村役場 |
必要書類 |
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世帯主変更届は、新しく世帯主になる人もしくは亡くなった人と同一世帯に住んでいた人しか提出できない点にご注意ください。
亡くなった人と別世帯であった親族が提出する場合は、委任状の提出が必要です。
4章 世帯主が死亡したときの注意点
世帯主が亡くなったときには世帯主変更届の提出だけでなく様々な手続きが必要になるのでご注意ください。
世帯主が亡くなったときには、下記の3点に注意して相続手続きや死後事務手続きを進めましょう。
- 世帯主変更届の提出以外にも様々な手続きが必要
- 世帯主変更届は期限を過ぎると過料が発生する恐れがある
- 同居でも別世帯の人が世帯主変更届を提出する際には委任状が必要
それぞれ詳しく解説していきます。
4-1 世帯主変更届の提出以外にも様々な手続きが必要
世帯主や家族が亡くなったときには、死亡届や世帯主変更届の提出だけでなく様々な手続きをしなければなりません。
手続きの中には死亡届や世帯主変更届のように期限が決まっているものもありますし、遺産分割協議のように期限はないものの早めに終わらせた方が良いものもあります。
特に相続手続きに関しては順番を間違えてしまうと、後から相続人や相続財産が見つかり遺産分割協議や相続手続きがやり直しになる恐れもあります。
自分で手続きを進めるのが難しい場合やどんな順番で進めて良いかわからない場合は相続人が詳しい司法書士や行政書士に手続きを依頼するのが良いでしょう。
4-2 世帯主変更届は期限を過ぎると過料が発生する恐れがある
世帯主変更届は世帯主が亡くなってから14日以内に提出すると決められており、期限を過ぎると5万円以下の過料が発生する恐れがあるのでご注意ください。
世帯主変更届の提出期限に遅れた場合は、提出が遅れた理由を「提出期間経過通知書」に記載しあわせて提出しなければなりません。
提出期間経過通知書に記載された理由によっては、過料が課せられ簡易裁判所から通知が届きます。
なお、新型コロナウイルス感染対策による影響は「正当な理由」に該当するため過料は発生しないのでご安心ください。
4-3 同居でも別世帯の人が世帯主変更届を提出する際には委任状が必要
世帯主変更届は①新しく世帯主になる人か②亡くなった人と同一世帯に住んでいる人が提出する必要があります。
そのため、同じ住所に住んでいたとしても世帯を分けている場合は世帯主変更届の提出時に委任状が必要です。
例えば、二世帯住宅に住んでいて生計を共にしていない場合は別世帯として扱われるのでご注意ください。
まとめ
世帯主が死亡したときには、一部のケースを除いて世帯主変更届の提出が必要です。
世帯主変更届を提出できるのは①新しく世帯主になる人もしくは②世帯主と同一世帯に住んでいる人のみです。
それ以外の人物が提出する場合には、故人と血縁関係があっても委任状が必要なのでご注意ください。
また、世帯主変更届は世帯主が死亡して14日以内に提出しなければならず、遅れると理由を提出期間経過通知書に記載し提出しなければなりません。
家族や親族が亡くなったときには、世帯主変更届以外にも様々な書類の提出や手続きを行わなければなりません。
何から始めればよいかわからない場合や平日の日中は仕事をしていて身動きが取れない人は、各種手続きを専門家に依頼するのも良いでしょう。
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