入院給付金は相続税の課税対象に含まれる?受取人ごとの扱いを紹介

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司法書士中川 徳将

 監修者:中川 徳将

この記事を読む およそ時間: 3

亡くなった人の生命保険金は相続税の課税対象になる場合がある一方で、入院給付金に関しては契約によって指定された受取人によって相続税の取扱いが変わります。
入院給付金の受取人が亡くなった人であれば相続税の課税対象となる一方で、受取人が亡くなった人以外であれば相続税はかかりません。

そのため、亡くなった人の死後に入院給付金を受け取った場合には、契約内容や受取人が誰かをよく確認しておきましょう。

本記事では、相続税における入院給付金の取扱いや受取時の注意点について解説します。
死亡保険金と相続税の関係については、下記の記事で詳しく解説していますのでご参考にしてください。

死亡保険金に相続税はかかる?死亡保険を活用して節税対策をしよう!

1章 相続税における入院給付金

故人が生前入院していたことに対して、加入していた保険会社から入院給付金が支給された場合、相続税がかかるかどうかは受取人が誰かによって異なります。

受取人が故人入院給付金に相続税がかかる
受取人が故人以外入院給付金に相続税がかからない

それぞれのケースについて詳しく解説していきます。

1-1 受取人が故人なら入院給付金に相続税がかかる

契約内容によって、入院給付金の受取人が故人と指定されていたのであれば、入院給付金の受取時期に関わらず故人の財産として扱われます。
そのため、受取人が故人の入院給付金は相続財産に含まれ、遺産分割の対象になり、相続税の課税対象にもなります。

故人が死亡した後に遺族が保険会社に入院給付金の請求をして受け取ったとしても、請求者の財産とはならないのでご注意ください。

入院給付金には相続税の非課税枠がない

故人の死亡により受け取った生命保険金も「みなし相続財産」として相続税がかかります。
ただし、生命保険金は「500万円×法定相続人の数」が用意されているのに対し、入院給付金には相続税の非課税枠が用意されていません。

このように、生命保険金と入院給付金は相続税の取扱いが異なるので注意が必要です。

みなし相続財産とは?当てはまるもの一覧と注意点・節税方法を解説!

1-2 受取人が故人以外なら入院給付金に相続税がかからない

入院給付金の受取人が故人の配偶者や子供などに指定されていた場合は、入院給付金は相続財産ではなく受取人の財産として扱われます。
そのため、入院給付金は遺産分割の対象にもなりませんし、相続税もかかりません。

このように、入院給付金に相続税がかかるかは、契約内容や受取人が誰かによって変わります。
故人の入院により入院給付金を受け取った場合は、契約内容を確認することが大切です。

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2章 相続発生後に入院給付金を受け取ったときの注意点

故人が亡くなり相続が発生した後に、遺族が入院給付金の請求や受け取りを行うケースは珍しくありません。
相続発生後に入院給付金を受け取ったときは、相続税の取扱いだけでなく下記の3点にも注意が必要です。

  1. 死亡保険金と入院給付金は相続税の取扱いが異なる
  2. 入院給付金には所得税がかからない
  3. 故人の準確定申告で医療費控除するときは入院給付金を差し引く

それぞれ解説していきます。

2-1 死亡保険金と入院給付金は相続税の取扱いが異なる

本記事の1章で解説したように、死亡保険金と入院給付金は相続税上の取扱いが下記のように変わってきます。

保険金の種類取扱い
死亡保険金
  • みなし相続財産に含まれ、相続税の課税対象となる
  • 「500万円×法定相続人の数」の非課税枠がある
入院給付金
  • 受取人が故人の場合は、故人の相続財産として相続税の課税対象となる
  • 非課税枠はない

故人が同じ保険会社の生命保険と医療保険に加入していた場合、死亡保険金と入院給付金がまとめて支払われるケースもあるので注意が必要です。
上記のように、保険金の種類によって取扱いが異なるので、相続税の計算時には死亡保険金と入院給付金の内訳を計算しなければなりません。

2-2 入院給付金には所得税がかからない

入院給付金は所得税の課税対象にはならないので、亡くなった人の準確定申告や受取人の確定申告で入院給付金を申告する必要はありません。
ただし、準確定申告や確定申告で医療費控除を申告する際には、支払った医療費から受け取った入院給付金を差し引く必要があります。

2-3 故人の準確定申告で医療費控除するときは入院給付金を差し引く

故人が亡くなる年に支払った医療費が10万円を超える場合、故人のかわりに相続人が準確定申告を行えば払い過ぎた所得税を還付してもらえる可能性があります。
ただし、準確定申告を行う際には「実際に支払った医療費-故人が受け取った入院給付金」を計算し、医療費控除を計算しなければなりません。

また、準確定申告の期限は「相続発生から4ヶ月以内」であり、相続税の申告期限よりも早い点にもご注意ください。

亡くなった人の医療費控除は誰がする?医療費を払った時期別に解説

まとめ

亡くなった人が生前入院していたことに対して支払われた入院給付金は、受取人が誰かによって相続税の取扱いが変わります。
入院給付金の受取人が故人の場合は相続財産として扱われ、相続税がかかります。
一方で、入院給付金の受取人が故人以外の場合は、受取人固有の財産として扱われるので相続税はかかりません。

故人の死後に入院給付金を受け取った場合は、保険証券を確認し受取人が誰なのかを調べましょう。
相続に関する手続きや相続税の計算は複雑なので、自分で行うのが難しい場合や何から始めて良いかわからない場合は専門家に相談するのもおすすめです。

グリーン司法書士法人では、相続手続きに関する相談をお受けしています。
初回相談は無料ですし、相続税の計算に強い税理士の紹介も可能ですのでまずはお気軽にお問い合わせください。

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よくあるご質問

入院給付金に相続税はかかる?

入院給付金の受取人によって扱いが異なります。
契約内容によって、入院給付金の受取人が故人と指定されていたのであれば、入院給付金の受取時期に関わらず故人の財産として扱われます。
そのため、受取人が故人の入院給付金は相続財産に含まれ、遺産分割の対象になり、相続税の課税対象にもなります。
▶相続における入院給付金の取り扱いについて詳しくはコチラ

入院給付金は確定申告が必要ですか?

入院給付金は所得税の課税対象にはならないので、亡くなった人の準確定申告や受取人の確定申告で入院給付金を申告する必要はありません。
ただし、準確定申告や確定申告で医療費控除を申告する際には、支払った医療費から受け取った入院給付金を差し引く必要があります。
▶所得税における入院給付金の取り扱いについて詳しくはコチラ

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