遺品整理と不用品回収の5つの違いとは?どちらの業者に依頼すべき?

遺品整理と不用品回収の5つの違いとは?どちらの業者に依頼すべき?
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司法書士日野 修亮

 監修者:日野 修亮

この記事を読む およそ時間: 7

家族や親族が亡くなったときには遺品整理を行い、亡くなった人の持ち物の仕分けや整理、処分を行う必要があります。
遺族や亡くなった人の友人、知人などが引き取らない持ち物に関しては、不用品回収をしてもらう必要もあるでしょう。

遺品整理と不用品回収は、どちらも亡くなった人の不用品や遺品を処分する点では共通しています。
しかし遺品整理業者と不用品回収業者は遺品の取り扱い方や業務内容に違いがあるので、事前に依頼したい内容を整理して業者を選ぶことが大切です。

本記事では、遺品整理と不用品回収の違いやどちらの業者に依頼すべきかを解説していきます。

なお、家族や親族が亡くなったときには、遺品整理以外にも行うべきことがたくさんあります。
家族や親族が亡くなったときの相続手続きについては、下記の記事で解説しているのでご参考にしてください。

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1章 遺品整理と不用品回収の5つの違い

遺品整理と不用品回収は、どちらも不用品や遺品を処分する点は共通しています。
一方で処分する遺品の扱い方や処分方法に違いがあるので、適した方法を選ぶことが大切です。

遺品整理と不用品回収の違いは、主に下記の通りです。

  1. 物品の扱い方
  2. 物品の処分方法
  3. 故人や家族・親族の意思
  4. 物品の分配要否
  5. 相続人の有無

それぞれ詳しく解説していきます。

1-1 物品の扱い方

遺品整理と不用品回収では、物品の扱い方に違いがあります。
遺品整理は整理、処分するものを遺品として心を込めて大切に扱うのに対し、不用品回収では回収するものを不用品やゴミとして扱います。

遺族が故人の持ち物を大切に処分してほしいと考えるのであれば、遺品整理の専門業者に依頼することも検討しましょう。

1-2 物品の処分方法

遺品整理では亡くなった人の遺品をそのまますぐに処分するのではなく、下記の作業を行い処分する遺品の選定や供養を行います。

  • 仕分けや分別
  • 運搬
  • 供養
  • 清掃

一方、不用品回収では仕分けや清掃を行わないことが多く不用品の回収、処分のみを行います。
遺族が遺品の仕分けを行うことができ、回収や処分のみを業者に依頼したい場合は不用品回収業者に依頼するのでも良いでしょう。

1-3 故人や家族・親族の意思

遺品整理では、亡くなった人が作成した遺言書やエンディングノートなどを確認し、遺志を尊重した上で作業を行います。
故人が遺言書やエンディングノートを用意していなかった場合は、家族や親族の意思を確認しながら作業を行います。

一方で、不用品回収を業者に依頼した場合、業者が不要と判断したものに関してはすべて処分してしまう可能性があるので依頼時には注意が必要です。

1-4 物品の分配要否

遺品整理では、仕分けした亡くなった人の持ち物を遺族や亡くなった人の友人、知人に分配する作業が必要になります。
遺品整理は単純に遺品を処分すれば良いわけではなく、形見分けも含まれているからです。

それに対して、不用品回収ではあくまでも不用品を回収、処分することが目的です。
そのため、業者が不要と判断したものは遺族に分配などせずすべて処分してしまいます。

1-5 相続人の有無

遺品整理は相続発生後に行うため、相続人が存在し、遺産や遺品に関する所有権を持っています。
そのため、遺品整理を行う際には相続人の合意を得ておく必要がありますし、必要に応じて相続人同士で遺品を分配する必要があります。

一方で、不用品回収は遺品の回収や処分に限定されているわけではありません。
自分で不用品回収を依頼することもできますし、身寄りがいない人が亡くなった後に大家が不用品回収を依頼することもあるため、相続人の意思は必要ないケースもあります。

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2章 遺品整理業者に依頼するメリット・デメリット

遺品整理を業者に依頼する場合、遺品整理の専門業者に依頼するケースと不用品回収業者に依頼するケースが考えられます。
本章では、遺品整理の専門業者に依頼する場合のメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。

2-1 遺品整理業者に依頼するメリット

遺品整理業者に依頼した場合、サービス内容が充実しており、遺品の仕分けや供養、買取、処分を一括で依頼できる点がメリットです。
遺品整理業者の業務内容は、下記のように多岐にわたります。

  • 遺品の仕分け
  • 相続手続きに使う書類や貴重品の探索
  • 不要とされる遺品の拠出、運搬
  • 遺品の供養
  • 遺品整理、処分後の部屋の清掃

上記の他にも、孤独死があった部屋の特殊清掃まで対応してくれる遺品整理業者もいます。
そのため、遺族が高齢で遺品整理を業者にすべて任せたいケースなどでは、専門業者に任せてしまった方が良いことが多いです。

2-2 遺品整理業者に依頼するデメリット

遺品整理業者に依頼した場合、不用品回収業者に依頼する場合より費用が高額になりやすい点に注意しなければなりません。
先ほど解説したように遺品整理業者の業務内容は多岐にわたるため、どうしても費用が高額になりやすいからです。

加えて、依頼費用は遺品の量や部屋の間取り、作業時間によっても変わってきます。
そのため、遺品整理の専門業者に依頼する場合は、事前に複数業者に見積もりを取って比較してみることをおすすめします。

また、遺品整理業者に依頼すると業務内容が増えるため、作業時間が長くなりやすい点にも注意しなければなりません。
遺品の仕分けは自分たちで行える場合などは、不用品回収のみを業者に依頼することも検討しましょう。


3章 不用品回収業者に依頼するメリット・デメリット

不用品回収業者に依頼した場合、遺品整理の専門業者に依頼した場合より費用を抑えやすいのがメリットです。
不用品回収業者に依頼した場合のメリットとデメリットを詳しく解説していきます。

3-1 不用品回収業者に依頼するメリット

不用品回収業者は遺品の仕分けや分配などは行わないため、遺品整理の専門業者よりも費用を抑えられるのがメリットです。
遺族で遺品の仕分けや形見分け、供養を行えるのであれば、不用品の回収や処分だけを業者に依頼するのも良いでしょう。

また、不用品回収業者は遺品の回収と処分に特化していて作業内容が少ないため、作業時間が短くてすむのもメリットです。

3-2 不用品回収業者に依頼するデメリット

不用品回収業者は遺品整理の専門業者と比較して、依頼できる内容が少ない点がデメリットといえるでしょう。
基本的には、遺品の回収や処分をメインに行うため、遺品の仕分けや供養、室内の清掃などは対応できないとしているところが多いです。

ただし、不用品回収業者の中にはオプションといった形で遺品の仕分けを行ってくれる業者もあります。
そのため、依頼できる内容については、事前に確認しておくと良いでしょう。


4章 遺品整理業者・不用品回収業者のどちらに依頼すべき?

遺品整理業者と不用品回収業者のどちらに依頼すべきか迷ったときには、依頼したいサービス内容を整理してみることをおすすめします。
本章では、遺品整理業者に依頼するのがおすすめな人と不用品回収業者に依頼するのがおすすめな人の特徴をそれぞれ紹介していきます。

4-1 遺品整理業者に依頼するのがおすすめな人

遺品整理業者への依頼がおすすめな人は、遺品整理をする時間がない人や遺品の処分だけでなく仕分けから任せたい人です。
具体的には、下記に該当する人は遺品整理業者に依頼するのが良いでしょう。

  • 遺品整理をする時間がない人
  • 遺品整理の作業全般を依頼したい人
  • 丁寧に遺品を扱ってほしい人
  • 遺品の供養も行ってほしい人
  • 貴重品や相続手続きに使用する書類の捜索をしてほしい人

4-2 不用品回収業者に依頼するのがおすすめな人

不用品回収業者に依頼するのがおすすめな人は、不用品の回収のみを行ってほしいと考える人です。
亡くなった人の家族や親族が遺品の仕分けを行い、不用品の処分や買取のみ依頼したい場合は不用品回収業者に依頼した方がコストを抑えられる可能性があります。

具体的には、下記に該当する人は不用品回収業者に依頼するのが良いでしょう。

  • 不用品の回収や処分のみを依頼したい
  • 遺品の仕分けは自分たちで行える
  • 業者に支払う費用をできるだけ抑えたい
  • 短時間で作業を完了させたい
  • 遺品の買取を行ってほしい

5章 遺品整理の代行業者の選び方

遺品整理を依頼する業者を選ぶ際には、料金プランや見積もりが明確で信頼できる業者を選ぶことが大切です。
遺品整理業者を探す際には、下記を意識するのが良いでしょう。

  1. 料金プランが見積もりが明確な業者を選ぶ
  2. 遺品整理士が在籍している業者を選ぶ
  3. 不要となった遺品の回収・処分先が適切な業者を選ぶ

それぞれ詳しく解説していきます。

5-1 料金プランや見積もりが明確な業者を選ぶ

遺品整理を業者に依頼する場合、料金プランや見積もりが明確な業者を選びましょう。
遺品整理業者の中には悪徳業者も存在しており、下記のようなトラブルが起きることもあるからです。

  • 見積もりだけで料金を請求された
  • 見積もりになかった費用を後から請求された

上記のようなトラブルを避けるために、見積もりや料金プランが明確な業者を選びましょう。
加えて、複数の業者に相見積もりし、料金の内訳や業務内容を比較検討することをおすすめします。

5-2 遺品整理士が在籍している業者を選ぶ

遺品整理を依頼する業者を選ぶ場合、遺品税理士が在籍している会社を選びましょう。
遺品整理士とは、族に代わって遺品整理を行うための資格であり、資格取得には試験に合格する必要があります。

なお、遺品整理士認定協会が優良事業所として指定している業者は遺品整理士が在籍しているので、地域の優良事業所の中から選ぶのもおすすめです。

5-3 不要となった遺品の回収・処分先が適切な業者を選ぶ

遺品整理業者を選ぶ際には、遺品の回収、処分を適切に行ってくれる業者を選びましょう。
遺品の買取や処分をするには、下記の許可を取得する必要があります。

許可・免許の種類概要
一般廃棄物収集運搬業許可家庭から出る不用品を回収するのに必要な許可
古物商許可
  • リサイクルショップなどのように販売目的で不用品を購入できる許可
  • 古物商許可だけでは不用品の買取は行えるが、廃棄の依頼はできない
産業廃棄物収集運搬許可
  • 工場や事業所などから出る廃棄物を処理するときに必要な許可
  • 産業廃棄物収集運搬許可だけでは、家庭から出る廃棄物を回収できない

上記の許可を取得していない業者が不用品回収や買取を行うのは違法なので、ご注意ください。


6章 遺品整理を依頼するときの注意点

遺品整理を依頼するときには、追加料金の発生についてや回収できない品物の有無、種類について確認しておきましょう。
依頼内容や遺品の種類によっては、見積もり内容とは別に追加費用が発生してしまう可能性もあるからです。

遺品整理を依頼するときの注意点は、主に下記の通りです。

  1. 追加料金の発生有無について確認する
  2. 回収できない品物について確認する
  3. 遺品整理以外にも行うべき手続きはたくさんある

それぞれ詳しく解説していきます。

6-1 追加料金の発生有無について確認する

遺品整理業者に見積もりをしてもらう際には、追加料金の発生有無や金額についても確認しておく必要があります。
見積もり時の費用を安くしておいて、作業後に追加費用を請求する悪徳業者も中にはいるからです。

他社では見積もり書に含まれている費用について追加で発生する可能性があるならば、追加料金も見据えて費用を比較する必要があります。

6-2 回収できない品物について確認する

遺品整理業者に依頼するときには、回収、処分してもらえない品物についても確認しておきましょう。
業者にもよりますが、下記の品物は回収、処分ができないと断られてしまう場合があります。

  • 医療機器
  • 危険物
  • 動物
  • 生物
  • グランドピアノなど重い物

「これも引き取ってもらえるかな?」と不安なものがある場合は、見積もり時に忘れずに確認しましょう。

6-3 遺品整理以外にも行うべき手続きはたくさんある

家族や親族が亡くなると、遺品整理以外にも様々な手続きを行わなければなりません。
特に、相続手続きに関しては手続きや作業の順番を意識して行わないと、手続きのやり直しが必要な場合もあるのでご注意ください。

家族や親族が亡くなったときに行う相続手続きの流れは、下記の通りです。

相続手続きの流れ

  • 【3ヶ月以内】遺言書の有無の調査・検認手続き
  • 【3ヶ月以内】相続人の調査
  • 【3ヶ月以内】相続財産の調査
  • 【3ヶ月以内】限定承認・相続放棄を検討
  • 【4ヶ月以内】所得税の準確定申告
  • 【10ヶ月以内】遺産分割協議の開始
  • 【10ヶ月以内】遺産分割協議書の作成
  • 【10ヶ月以内】預貯金・有価証券等の名義変更
  • 【10ヶ月以内】不動産の名義変更
  • 【10ヶ月以内】各種財産の名義変更
  • 【10ヶ月以内】相続税の申告

例えば、相続開始から3ヶ月以内に相続人は相続放棄や限定承認をするか判断しなければなりません。
そのため、亡くなった人の自宅などを整理し借金に関する書類などがないかを探す必要があります。
相続開始から3ヶ月以上経過してしまうと、相続放棄や限定承認が認められず、亡くなった人の借金を返済しなければならない恐れもあるのでご注意ください。

遺品整理だけでなく相続財産調査やその後の手続きも不安に感じる場合や、ミスなく確実に行いたい場合は相続手続きについて司法書士や行政書士に依頼するのがおすすめです。
相続に精通した司法書士や行政書士であれば、相続財産調査からその後の手続きまで一括で対応できます。

相続登記が2024年4月から義務化されます

亡くなった人が不動産を所有していた場合、故人から相続人へ不動産の名義変更手続きをしなければなりません。
不動産の名義変更は、法務局にて相続登記の申請を行います。
これまで相続登記は義務化されておらず、相続人の意思によって行うとされていました。

しかし、2024年4月からは相続登記が義務化され、相続発生から3年以内に相続登記をしない場合には10万円以下の過料が科される恐れがあります。
遺品整理が遅れてしまい、故人が所有していた不動産に関する情報を見つけられずにいると、相続放棄の期限に間に合わなく可能性があるのでご注意ください。

なお、相続登記の義務化は過去に発生した相続においても適用されます。
そのため、まだ相続登記がおすみでない土地をお持ちの人は早めに手続きをすませましょう。

相続登記は自分でも行えますが、司法書士に依頼すれば数万円程度で代行可能です。
グリーン司法書士法人でも相続登記に関する相談をお受けしていますので、お気軽にお問い合わせください。

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まとめ

遺品整理と不用品回収は共通している点もありますが、亡くなった人が大切にしていた品を丁寧に処分したいのであれば、遺品整理の専門業者に依頼するのがおすすめです。
遺品整理の専門業者であれば、相続手続きに必要な書類や貴重品の捜索も行ってくれます。

なお、家族が亡くなったときには、遺品整理の他にも様々な手続きをしなければなりません。
自分で手続きをするのが難しい場合や気持ちの整理がつけずに動けそうにない場合は、相続に詳しい司法書士や行政書士に相続手続きを依頼するのも良いでしょう。

グリーン司法書士法人では、相続手続きに関する相談をお受けしています。
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