戸籍謄本の読み方は?相続手続きに必要な戸籍の収集方法について

戸籍謄本の読み方は?相続手続きに必要な戸籍の収集方法について
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司法書士山田 愼一

 監修者:山田 愼一

この記事を読む およそ時間: 6

相続手続きを行う際には、亡くなった方の生まれてから死亡するまで連続した戸籍謄本の収集が必要です。遺された家族が戸籍謄本を収集しようとしても、必要な戸籍謄本の種類がわからなく困ってしまうケースもあるかもしれません。
他には、戸籍謄本を収集したものの読み方や見方がわからず、これで足りているのか悩んでしまうケースも多いです。

戸籍は、「戸籍謄本」「戸籍抄本」「除籍謄本」「原戸籍謄本」の4種類に分けられ、それぞれ記載されている内容や作成された時期が異なります。

本記事では、相続手続きで必要になる戸籍謄本の収集方法や読み方、見方を解説していきます。


1章 戸籍とは

戸籍とは、日本人が生まれてから死亡するまでの家族関係を記録したものです。
日本では、家族関係を証明する書類として戸籍が活用されています。
戸籍は大きく分けて以下の4種類に分けられます。

  1. 戸籍謄本(こせきとうほん)
  2. 戸籍抄本(こせきしょうほん)
  3. 除籍謄本(じょせきとうほん)
  4. 改正原戸籍(かいせいはらこせき・かいせいげんこせき)

それぞれ詳しく解説していきます。

1-1 戸籍謄本(こせきとうほん)とは

戸籍謄本(こせきとうほん)とは、戸籍に登録されている全員分を記載したものです。
戸籍法の改正により、戸籍全部事項証明と呼ばれるようになりました。

なお、戸籍は夫婦と未婚の子供で構成されています。
例えば、夫婦と未婚の子供が1人いる世帯が戸籍謄本を取得した場合には、3人分の戸籍情報が記載されています。

1-2 戸籍抄本(こせきしょうほん)とは

戸籍抄本とは、戸籍に記載されているうちの1人もしくは複数人に関する情報を記載したものです。
戸籍法の改正により、戸籍個人事項証明と呼ばれるようになりました。

主に個人的な本籍地の証明が必要な場合に利用されます。

1-3 除籍謄本(じょせきとうほん)とは

除籍謄本とは、その戸籍に記載されている人が全て抜けてしまい誰もいなくなった戸籍です。
戸籍から抜けてしまうケースは、主に以下の通りです。

・本籍地を変更した場合

・死亡した場合

・結婚して新しい戸籍を作成した場合

主に過去の本籍地を証明する必要がある場合に利用されます。

1-4 改正原戸籍(かいせいはらこせき・かいせいげんこせき)とは

原戸籍とは、平成6年の戸籍法改正より前に作られた古い戸籍です。
正式名称は「改正原戸籍」といいますが、原戸籍謄本(はらこせきとうほん)と呼ばれる場合もあります。

相続手続きで戸籍謄本を収集する際には、亡くなった方の生まれてから死亡するまで連続した戸籍情報が必要です。

そのため、高齢の方が亡くなった場合には改正原戸籍の収集も必要になるケースがほとんどです。

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2章 相続手続きで必要になる戸籍謄本の範囲

相続手続きを行う際には、亡くなった方や相続人の戸籍謄本の提出が必要になります。
提出書類として必要な戸籍謄本は、複数通(4~6通程度)になるケースが多く、計画的に戸籍謄本を収集していかなければなりません。

相続手続きで必要になる戸籍謄本の範囲を詳しく解説していきます。

2-1 亡くなった方の生まれてから死亡するまでの戸籍謄本

相続手続きを行う際には、亡くなった方の生まれてから死亡するまでの連続した戸籍謄本の収集が必要です。
連続した戸籍謄本の収集が必要になるのは、相続人が知らなかった婚姻歴や養子縁組等がないか調査を行い、相続人を確定させるためです。
なぜなら、亡くなった方が離婚歴や子供の存在を隠していた場合、戸籍謄本を収集しない限り、わからないケースも少なくないからです。
また、遺産分割協議後に、元配偶者の子供の存在が明らかになった場合には、遺産分割協議をやり直さなければなりません。
このように、遺産分割協議のやり直しを防ぎ、確実に相続手続きを行うために連続した戸籍謄本の収集が必要です。

戸籍謄本は、本籍を置いていた自治体ごとで発行してもらう必要があるため、
本籍地を移す回数が多かった方や婚姻歴が多い方は、必要な戸籍の枚数が増えてしまいます。

相続人調査(戸籍収集)とは?詳しい手順から方法まで専門家が簡単解説

2-2 相続人全員の戸籍謄本

相続手続きを行う際には、亡くなった方の戸籍謄本だけではなく、相続人全員の戸籍謄本も必要です。
相続人全員の戸籍謄本が必要な理由は、相続人の身分の確認や相続人が亡くなっていて代襲相続が発生していないかの確認に使用するからです。

代襲相続とは、本来の相続人となる人が先に亡くなっているときに代わりに相続することを言います。
(例えば、子供が先に亡くなっている場合の孫など)

なお、亡くなった方や相続人全員の戸籍謄本以外にも、亡くなった方の両親や祖父母の戸籍謄本の収集が必要になるケースもあります。
必要な戸籍謄本の種類がわからないときには、提出先の窓口や司法書士などの専門家に相談するのも良いでしょう。

遺された家族は、収集した戸籍謄本を確認して、相続人の確定や相続手続きを進めていきます。
次の章では、収集した戸籍謄本の見方や読み方を確認していきましょう。


3章 戸籍謄本の見方・読み方

相続手続きで提出する戸籍謄本を収集したら、以下の内容を確認しておきましょう。
戸籍謄本のイメージは、以下の通りです。

戸籍謄本の見方・読み方について

戸籍謄本には、以下の情報が記載されています。

  • 本籍地
  • 戸籍に入った理由
  • 氏名
  • 出生年月日 
  • 戸籍に入った原因、年月日 
  • 実父母の氏名や実父母との続柄 
  • 養親の氏名や養親との続柄(養子縁組している場合)
  • 夫または妻であること 
  • 他の戸籍から入った場合、元の戸籍の表示
  • 別の戸籍に転出した場合、転出理由や転出先の戸籍 
  • 子の認知について(認知している場合)

亡くなった方の生まれてから死亡するまでの連続した戸籍謄本を収集する際には、死亡したときの戸籍謄本を収集し内容を確認しながら、戸籍謄本をさかのぼって取得するのが一般的です。
必要な戸籍謄本の種類が多い、収集する時間がない方は、司法書士や行政書士などの専門家に依頼することもご検討ください。

次の章では、戸籍謄本の請求方法を詳しく紹介していきます。

3-1 改正原戸籍の読み方

平成6年より前に作成された改正原戸籍のイメージ図は、下記の通りです。

改正原戸籍の読み方について

現在の戸籍謄本の形式と異なり、縦書きで記載されていることが主な特徴です。
また、明治、大正、昭和初期に作成された戸籍謄本は「手書き・筆書き」なので、とても読みづらいものです。


4章 相続手続きで使う戸籍謄本を収集する方法

戸籍謄本は、本籍地のあった役所で、それぞれ収集する必要があります。
そのため、亡くなった方が複数の場所に本籍をおいていた場合には、それぞれの自治体で戸籍謄本の請求をしなければなりません。

戸籍謄本の請求は、窓口で行う方法と郵送で行う方法の2種類があります。
日中仕事をしていて窓口に行けない方や亡くなった方の本籍とお住いが離れている場合には、郵送での請求が便利です。

それぞれの請求方法を紹介していきます。

4-1 窓口で請求する方法

亡くなった方の本籍がある役所の窓口で、申請書や必要書類を提出すれば戸籍謄本を請求できます。
亡くなった方の戸籍謄本を請求する際には、相続人であることの証明が必要なので、本人確認書類やご自身の戸籍謄本などを用意しておきましょう。

請求方法と必要書類は、以下の通りです。

請求する人
  • 相続人
  • 代理人
請求先亡くなった方の本籍がある自治体窓口
請求費用
  • 450円(戸籍謄本1通)
  • 約750円(原戸籍謄本1通)
必要書類
  • 申請書
  • 請求者の本人確認書類
  • 請求者と亡くなった方の関係を証明する書類(必要ない場合もある)
  • 委任状(代理人が請求する場合)

4-2 郵送で請求する方法

郵送で戸籍謄本を請求する場合には、必要書類の他に定額小為替と返信用の切手を貼った封筒が必要です。
郵送する手間はかかりますが、自分で窓口に行かなくて良いので遠方の自治体に戸籍謄本を請求する際には、郵送での請求の方が便利です。

請求方法と必要書類は、以下の通りです。

請求する人
  • 相続人
  • 代理人
請求先亡くなった方の本籍がある自治体
請求費用
  • 450円(戸籍謄本1通)
  • 約750円(原戸籍謄本1通)
必要書類
  • 申請書
  • 請求者の本人確認書類のコピー
  • 請求者と亡くなった方の関係を証明する書類(必要ない場合もある)
  • 定額小為替
  • 返信用の切手を貼った封筒

なお、定額小為替を発行する際には金額に関わりなく手数料100円がかかります。
返信用の切手を貼った封筒は、切手代が足りなくなることを防ぐため、A4封筒に140円切手を貼ったものを同封しておくのが良いでしょう。

郵送で戸籍謄本を請求するにしても、上記のように手間と時間がかかります。
相続手続きや戸籍謄本の収集の手間を減らしたいのであれば、司法書士や行政書士などの専門家への相談もご検討ください。

相続人調査(戸籍収集)とは?詳しい手順から方法まで専門家が簡単解説

まとめ

相続手続きを行う際には、亡くなった方の生まれてから死亡するまでの連続した戸籍謄本と相続人全員の戸籍謄本が必要です。
相続人と亡くなった方の関係によっては、別の戸籍謄本が必要になるケースもあります。

戸籍謄本には様々な情報が記載されており、相続手続きに不慣れな方が戸籍謄本の収集や内容の確認を行うのは非常に手間と時間がかかります。
相続手続きには期限が決められているものも多いので、時間と手間をかけたくないとお考えの方は、司法書士や行政書士などの専門家に戸籍謄本の収集や相続手続きの代行を依頼することもご検討ください。

グリーン司法書士法人では、戸籍謄本の収集を始めとした相続手続きに関する相談をお受けしています。
初回相談は無料、かつオンラインでの相談も可能なので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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よくあるご質問

戸籍謄本は何て読むの?

戸籍謄本とは、戸籍に登録されている全員分を記載したものです。
なお、戸籍は夫婦と未婚の子供で構成されています。
▶戸籍謄本について詳しくはコチラ

戸籍謄本と抄本の違いとは?

戸籍謄本とは、戸籍に登録されている全員分を記載したものです。
それに対し、戸籍抄本とは、戸籍に記載されているうちの1人もしくは複数人に関する情報を記載したものです。
▶戸籍抄本について詳しくはコチラ

戸籍謄本と原戸籍の違いは何?

戸籍謄本と原戸籍は作られた時期が異なります。
原戸籍とは平成6年の戸籍法改正より前に作られた古い戸籍です。
▶戸籍謄本の種類について詳しくはコチラ

戸籍謄本の取得方法は?

相続手続きで戸籍謄本を取得する際には、本籍地のあった役所でひとつずつ戸籍謄本を集める必要があります。
戸籍謄本の収集は窓口もしくは郵送にて請求可能です。
▶戸籍謄本の取得方法について詳しくはコチラ

本籍地がわからないときの対処法とは?

本籍地がわからないときの対処法は、下記の通りです。
・死亡届の本籍地を空欄にして提出すると調べてもらえる
・本籍が記載された住民票を取得する
・親や親戚に聞いてみる
・古い運転免許証や書類を確認する
・運転免許証のICチップをスマホで読み取る
・警察署や免許センターの端末で確認する
▶本籍地がわからないときの対処法について詳しくはコチラ

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