【西田美桜先生のやさしい相続講座】第3回:相続財産って何が含まれるの?

facebookでシェアする Twitterでシェアする このエントリーをはてなブックマークに追加する LINEでシェアする
この記事を読む およそ時間: 6

相続財産って何が含まれるの? 〜預金だけじゃありません〜

第1回では「相続とは何か」、第2回では「誰が相続人になるのか」を解説しました。

今回は、「何を相続するのか」
つまり、相続財産の中身についてお話しします。


相続財産とは何か?

相続財産とは、亡くなった方(被相続人)が生前に持っていたお金やモノ、そして権利や義務のうち、法律上引き継ぐ対象になるものをいいます。

相続というと、「預金がいくらあるか」という話になりがちですが、
実際にはそれだけではありません。

西田美桜先生
西田美桜先生
相続の実務では、
「預金しかないと思っていたら、不動産や借入があった」
というケースは珍しくありません。
まずは“全体を把握する”ことが重要です。


プラスの財産(もらう側の財産)

まずは、いわゆる「もらう財産」から見ていきましょう。

代表的なプラスの財産

  • 預貯金(銀行口座・ゆうちょなど)
  • 不動産(家・土地・マンションなど)
  • 株式や投資信託
  • 現金
  • 貴金属や骨董品など

これらは比較的イメージしやすい財産です。

西田美桜先生
西田美桜先生
不動産は「売ればお金になるからプラス」と考えがちですが、
固定資産税や管理費などの負担もあります。
“価値がある=必ず得”とは限らない点も大切です。


マイナスの財産(引き継ぐ義務)

相続で特に注意が必要なのが、マイナスの財産です。

代表的なマイナスの財産

  • 個人的な借金
  • 消費者金融からの借入
  • 住宅ローン(※団体信用生命保険の有無に注意)
  • 未払いの税金
  • 未払いの医療費

これらも、原則として相続の対象になります。

西田美桜先生
西田美桜先生
「借金があるかどうか分からない」という状態は非常に危険です。
相続放棄を検討する場合、期限(原則3か月)があるため、
早めの調査がとても重要になります。


見落とされやすい財産

実際の相続の現場では、次のような財産が見落とされがちです。

  • ネット銀行の口座
  • 証券口座
  • 仮想通貨
  • ポイントや電子マネー
  • 貸付金(知人に貸しているお金)

最近は、通帳が存在しない口座も多く、家族が把握していないケースも増えています。

西田美桜先生
西田美桜先生
「通帳が見つからない=口座がない」とは限りません。
郵便物やスマートフォンの履歴などから
手がかりを探すこともあります。


相続財産に“含まれない”ものもあります

一方で、一見すると相続財産のように見えても、
法律上は相続財産に含まれないものもあります。

代表例が、生命保険金です。

生命保険金は、保険契約で指定された「受取人」の固有の財産とされ、
原則として相続財産には含まれません。

西田美桜先生
西田美桜先生
生命保険金は“相続財産とは別枠”で扱われるため、
遺産分割の対象にはなりません。
ただし、相続税の計算では考慮される場合があります。
ここは少し複雑なポイントです。


財産の調査は、なぜ大切なのか

相続では、「誰が相続人か」を確定させることと同じくらい、
「財産がいくらあるのか」を正確に把握することが重要です。

なぜなら、

  • 相続放棄をするかどうかの判断
  • 遺産分割の話し合い
  • 相続税の有無の判断

すべてが、財産の内容によって変わるからです。

西田美桜先生
西田美桜先生
財産の全体像が見えないまま話し合いを進めると、
後から「そんな財産があったの?」という事態になります。
これはトラブルの大きな原因になります。


「うちは財産がない」は本当でしょうか?

相続のご相談では、「うちは特に財産もないので……」と前置きされることがよくあります。

しかし実際には、

  • 自宅の土地が評価すると高額だった
  • 少額の預金が複数口座に分散していた
  • 把握していない借入があった

ということも少なくありません。

西田美桜先生
西田美桜先生
相続では、“思っているより多い”場合もあれば、
“思っているより少ない・マイナスがあった”場合もあります。
大切なのは、事実を正確に知ることです。


相続財産の整理は、専門家に相談すべき?

財産調査は、ご自身で行うことも可能です。
ただし、

  • 借入の有無が不明
  • 不動産の評価が分からない
  • 相続放棄を検討している

といった場合には、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

西田美桜先生
西田美桜先生
特に、借金が疑われる場合は時間との勝負になります。
「調べてから相談」ではなく、「調べる段階から相談」でも大丈夫ですよ。


まとめ

今回のポイントは、

  • 相続財産は預金だけではない
  • 借金も相続の対象になる
  • 生命保険金など、別扱いの財産もある
  • まずは全体を正確に把握することが大切

ということです。

相続は、「何があるのか分からない」状態が一番不安を生みます。

不安なときは、一人で抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。

次回予告

第4回:相続放棄とは?
〜借金がある場合の選択肢〜

お知らせ

Youtubeチャンネルアート

グリーングループ代表・山田愼一のYouTubeチャンネル
「司法書士やまちゃんのらくらく相続」好評更新中!
高齢のご両親がいらっしゃる方、ご自身の資産を減らさず家族に受け継がせたい方など、相続・生前対策を考えている皆様にとって耳寄りな情報を、「相続のプロ」がわかりやすく解説しています。ぜひチャンネル登録してご覧ください!

司法書士西田美桜

 監修者:西田美桜