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相続財産って何が含まれるの? 〜預金だけじゃありません〜
第1回では「相続とは何か」、第2回では「誰が相続人になるのか」を解説しました。
今回は、「何を相続するのか」
つまり、相続財産の中身についてお話しします。
相続財産とは何か?
相続財産とは、亡くなった方(被相続人)が生前に持っていたお金やモノ、そして権利や義務のうち、法律上引き継ぐ対象になるものをいいます。
相続というと、「預金がいくらあるか」という話になりがちですが、
実際にはそれだけではありません。









「預金しかないと思っていたら、不動産や借入があった」
というケースは珍しくありません。
まずは“全体を把握する”ことが重要です。
プラスの財産(もらう側の財産)
まずは、いわゆる「もらう財産」から見ていきましょう。
代表的なプラスの財産
- 預貯金(銀行口座・ゆうちょなど)
- 不動産(家・土地・マンションなど)
- 車
- 株式や投資信託
- 現金
- 貴金属や骨董品など
これらは比較的イメージしやすい財産です。









固定資産税や管理費などの負担もあります。
“価値がある=必ず得”とは限らない点も大切です。
マイナスの財産(引き継ぐ義務)
相続で特に注意が必要なのが、マイナスの財産です。
代表的なマイナスの財産
- 個人的な借金
- 消費者金融からの借入
- 住宅ローン(※団体信用生命保険の有無に注意)
- 未払いの税金
- 未払いの医療費
これらも、原則として相続の対象になります。









相続放棄を検討する場合、期限(原則3か月)があるため、
早めの調査がとても重要になります。
見落とされやすい財産
実際の相続の現場では、次のような財産が見落とされがちです。
- ネット銀行の口座
- 証券口座
- 仮想通貨
- ポイントや電子マネー
- 貸付金(知人に貸しているお金)
最近は、通帳が存在しない口座も多く、家族が把握していないケースも増えています。









郵便物やスマートフォンの履歴などから
手がかりを探すこともあります。
相続財産に“含まれない”ものもあります
一方で、一見すると相続財産のように見えても、
法律上は相続財産に含まれないものもあります。
代表例が、生命保険金です。
生命保険金は、保険契約で指定された「受取人」の固有の財産とされ、
原則として相続財産には含まれません。









遺産分割の対象にはなりません。
ただし、相続税の計算では考慮される場合があります。
ここは少し複雑なポイントです。
財産の調査は、なぜ大切なのか
相続では、「誰が相続人か」を確定させることと同じくらい、
「財産がいくらあるのか」を正確に把握することが重要です。
なぜなら、
- 相続放棄をするかどうかの判断
- 遺産分割の話し合い
- 相続税の有無の判断
すべてが、財産の内容によって変わるからです。









後から「そんな財産があったの?」という事態になります。
これはトラブルの大きな原因になります。
「うちは財産がない」は本当でしょうか?
相続のご相談では、「うちは特に財産もないので……」と前置きされることがよくあります。
しかし実際には、
- 自宅の土地が評価すると高額だった
- 少額の預金が複数口座に分散していた
- 把握していない借入があった
ということも少なくありません。









“思っているより少ない・マイナスがあった”場合もあります。
大切なのは、事実を正確に知ることです。
相続財産の整理は、専門家に相談すべき?
財産調査は、ご自身で行うことも可能です。
ただし、
- 借入の有無が不明
- 不動産の評価が分からない
- 相続放棄を検討している
といった場合には、早めに専門家へ相談することをおすすめします。









「調べてから相談」ではなく、「調べる段階から相談」でも大丈夫ですよ。
まとめ
今回のポイントは、
- 相続財産は預金だけではない
- 借金も相続の対象になる
- 生命保険金など、別扱いの財産もある
- まずは全体を正確に把握することが大切
ということです。
相続は、「何があるのか分からない」状態が一番不安を生みます。
不安なときは、一人で抱え込まず、どうぞお気軽にご相談ください。
次回予告
第4回:相続放棄とは?
〜借金がある場合の選択肢〜





