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遺言書を検認しないとどうなる?過料の罰則と相続手続きへの影響

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遺言書の検認をしないとどうなるのか、疑問に思っていませんか。
自筆で書かれた遺言書を発見した場合、家庭裁判所での検認手続きが必要です。
この手続きを怠ると、過料という罰則が科される可能性があるだけでなく、預貯金の解約や不動産の名義変更といった相続手続きを進められなくなります。

この記事では、遺言書の検認をしない場合のリスクや、手続きが進まない具体的なデメリットについて解説します。


目次

【結論】自筆証書遺言書の検認は法律上の義務!怠ると様々な不利益が発生します

自筆証書遺言書や秘密証書遺言書を発見した場合、家庭裁判所で検認を受けることは民法で定められた義務です。
この手続きを怠ると、法律上の罰則が科されるリスクがあるほか、不動産の相続登記や預貯金の解約といった相続に関する手続きが一切進められません。

検認が必要な理由は、遺言書の偽造や変造を防ぎ、その内容を相続人全員に明確に伝えるためです。
速やかに手続きを行いましょう。

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遺言書の検認をしない場合に科される可能性のある2つの罰則

遺言書の検認は法律で定められた義務であり、この手続きを怠った場合には罰則が科される可能性があります。
罰則には、金銭的なペナルティである「過料」と、相続人としての権利そのものを失う「相続欠格」の2種類が存在します。
それぞれが科される条件や状況は異なるため、正しく理解しておくことが重要です。

罰則①:正当な理由なく検認を怠ると5万円以下の過料を科される恐れがある

遺言書の保管者や発見した相続人は、遅滞なく家庭裁判所に遺言書を提出して検認を請求する義務があります。
正当な理由なくこの手続きを怠った場合、民法第1005条の規定により5万円以下の過料に処される可能性があります。
ただし、実務上は、遺言書の存在を知らなかった、あるいは手続きを知らずに遅れてしまったといったケースで、ただちに過料が科されることは稀です。

しかし、法律上の罰則であることに変わりはないため、遺言書を見つけたら速やかに申し立てを行うべきです。

罰則②:遺言書を隠したり改ざんしたりすると相続権を失う「相続欠格」に該当する

検認を怠るだけでなく、遺言書を隠したり、破棄したり、偽造・変造したりする行為は、さらに重いペナルティの対象となります。
このような行為は、民法第891条に定められた「相続欠格事由」に該当し、発覚した場合は相続人としての権利をすべて失います。

相続欠格になると、遺産を一切相続できなくなるだけでなく、遺贈を受けることもできなくなります。
検認をしないことで遺言内容が無効になるわけではありませんが、不正行為は厳しく罰せられます。


検認しないことによる相続手続き上の3つの大きなデメリット

遺言書の検認をしない場合、罰則以上に実務的な影響が大きくなります。
検認手続きを経て家庭裁判所が発行する「検認済証明書」がなければ、ほとんどの相続手続きを進めることができません。
ここでは、具体的なデメリットを3つ解説します。

これらの手続きができないと、相続財産を事実上動かせない状態に陥ります。

デメリット①:不動産の名義変更(相続登記)の申請ができない

遺言書に基づいて不動産の名義を故人から相続人へ変更する手続きを「相続登記」といいます。
この相続登記を法務局に申請する際、自筆証書遺言書の場合は「検認済証明書」の添付が必須です。
検認を受けていない遺言書では、法務局が申請を受理しないため、不動産の名義を故人から引き継ぐことができません。

相続登記は2024年4月から義務化されており、手続きを進めるためには検認が不可欠です。

デメリット②:銀行などの金融機関で預貯金の解約・払い戻しができない

故人名義の預貯金を解約したり、払い戻しを受けたりする際にも、検認済みの遺言書が必要です。
金融機関は、相続手続きの正当性を確認するために、自筆証書遺言書と合わせて「検認済証明書」の提出を求めます。
検認を経ていない遺言書を提示しても、金融機関は手続きに応じません。

そのため、預貯金を引き出して遺産分割や葬儀費用に充てることができなくなります。

デメリット③:株式や自動車などその他の財産の名義変更も進められない

不動産や預貯金以外にも、株式や投資信託といった有価証券、自動車、ゴルフ会員権など、名義変更が必要な財産は多く存在します。
これらの名義変更手続きにおいても、証券会社や陸運局などの管轄機関から「検認済証明書」の提出を求められるのが一般的です。
したがって、検認手続きを完了させなければ、これらの財産を相続人の名義に書き換えることができず、売却や処分も行えません。


注意!検認は遺言書の有効・無効を判断する手続きではない

遺言書の検認は、あくまで遺言書の形式や状態を確認し、偽造や変造を防ぐための保全手続きです。
相続人に対し、遺言書の存在とその内容を知らせる目的もあります。
重要なのは、検認手続きが遺言の内容の有効性を判断するものではないという点です。

例えば、遺言書が法律で定められた要件(日付や署名、押印など)を満たしていなかったり、遺言者に遺言能力がなかったりした場合、その遺言は無効となる可能性がありますが、その判断は検認手続きとは別に行われます。


【例外】遺言書の検認手続きが不要になる2つのケース

原則として検認が必要な遺言書ですが、例外的に検認が不要になるケースが2つあります。
これらのケースでは、遺言書が公的な機関によって内容の証明や保管がなされており、偽造や変造のリスクが極めて低いと判断されるためです。

手元にある遺言書がどちらかのケースに該当する場合は、家庭裁判所での手続きを経ずに相続手続きを開始できます。

ケース①:公証役場で作成された「公正証書遺言」の場合

公正証書遺言は、公証人が遺言者の意思を確認しながら作成し、その原本が公証役場に保管される遺言書です。
作成過程に法律の専門家である公証人が関与し、原本も厳重に保管されるため、偽造や変造の恐れがありません。

また、家庭裁判所による内容の確認も不要とされています。
そのため、公正証書遺言は最も確実性が高く、発見後に検認手続きを経ることなく、そのまま相続手続きに使用することが可能です。

ケース②:法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用している場合

2020年7月に開始された「自筆証書遺言書保管制度」を利用して、法務局に預けられている自筆証書遺言書も検認が不要です。
この制度では、遺言者が作成した自筆証書遺言書を法務局が原本を保管します。

遺言書の保管者である法務局が形式的な不備をチェックし、画像データとしても保存するため、偽造や紛失のリスクがありません。
相続開始後、相続人は法務局で「遺言書情報証明書」の交付を受けることで、検認を経ずに相続手続きを進められます。


もし遺言書の検認を忘れていたら?すぐに家庭裁判所へ申し立てを

遺言書の存在に気づきながら検認手続きを忘れていた場合や、手続きを知らずに時間が経過してしまった場合でも、気づいた時点ですぐに家庭裁判所へ検認の申立を行ってください。
悪意なく手続きが遅れた場合、過料などの罰則を科される可能性は低いです。
むしろ、検認をしないまま放置し続けることのほうが、相続手続きを進められないという大きな不利益につながります。

遺言書を発見したら、まずは家庭裁判所に連絡し、必要な手続きを確認しましょう。


そもそも遺言書の検認とは?手続きの目的と流れを解説

遺言書の検認とは、家庭裁判所が相続人などの立会いのもとで遺言書を開封し、遺言書の状態や内容を確認する手続きのことです。
この手続きの主な目的は、遺言書の偽造・変造を防ぐことと、すべての相続人に遺言書の存在とその内容を知らせることにあります。
検認によって遺言書の有効性が確定するわけではありませんが、相続手続きを進めるための重要な第一歩となります。

検認の目的:遺言書の偽造や変造を防ぎ、相続人に内容を知らせること

検認の第一の目的は、遺言書の形状、日付、署名、押印、加除訂正の状態などを確認・記録し、その後の偽造や変造を防ぐことです。
これを「遺言書の保全」といいます。
第二の目的は、相続人全員に遺言書の存在と内容を公式に知らせる機会を設けることです。

家庭裁判所は、申立てを受けると相続人全員に検認期日の通知を送り、出欠の連絡を確認します。
これにより、一部の相続人だけが遺言書の存在を知っているという不公平な状況を防ぎます。

申立てから完了までの基本的な手続きの流れ

遺言書検認の申立手続きは、まず遺言者の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して行います。
申立ができるのは、遺言書の保管者または遺言書を発見した相続人です。
申立の際には、申立書、当事者目録、遺言者の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本などが必要です。

書類が受理されると、裁判所が検認期日を決定し、相続人全員に通知します。
指定された期日に申立人が遺言書を持参し、裁判官と相続人の面前で開封・確認が行われ、手続きは完了です。
この方法で検認は進められます。


遺言書の検認に関するよくある質問

遺言書の検認手続きに関して、多くの方が抱く疑問について解説します。

Q. 遺言書の検認に期限はありますか?忘れていた場合どうなりますか?

検認の申立てに法律上の明確な期限や期間はありません。
しかし、検認を経ないと相続登記や預貯金の解約などの手続きができないため、相続開始後、遺言書を発見したら「遅滞なく」申し立てる必要があります。

忘れていた場合でも気づいた時点ですぐに申立てを行えば、罰則が科される可能性は低いです。

Q. 遺言書を誤って開封してしまいましたが、検認はできますか?

誤って遺言書を開封してしまっても、遺言書が無効になるわけではなく、検認の申立ては可能です。
ただし、法律上、家庭裁判所以外の場所で遺言書を開封した場合は5万円以下の過料に処される可能性があります。

開封してしまった場合でも、正直にその旨を家庭裁判所に伝えて手続きを進めてください。

Q. 検認手続きにかかる費用と期間はどのくらいですか?

費用は、遺言書1通につき収入印紙800円分と、裁判所からの連絡用郵便切手代(数千円程度)です。
期間は、申立てから検認期日まで1~2ヶ月程度かかるのが一般的です。
手続きは検認期日当日に完了し、その後「検認済証明書」を申請(1通150円の収入印紙が必要)します。

持ち物は遺言書原本、申立人の印鑑、身分証明書などです。
詳しくは申立をする裁判所にご確認ください。

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まとめ

自筆証書遺言書を発見した場合、家庭裁判所での検認は法律で定められた義務です。
検認をしないと5万円以下の過料が科される可能性があるほか、不動産の名義変更や預貯金の解約といった相続手続きが一切進められません。
ただし、公正証書遺言や法務局の保管制度を利用した遺言書は検認が不要です。

手元の遺言書が検認を必要とする場合は、遺言書の偽造・変造を防ぎ、円滑に相続を進めるためにも、速やかに家庭裁判所へ申立てを行ってください。

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