家族や親族が亡くなったときの手続きには様々なものがありますが、その中のひとつが故人の携帯電話の解約です。
亡くなった人の携帯電話は解約手続きをしなければ、そのまま利用料金がかかり続けてしまいます。
なお、亡くなった人が利用していた携帯電話のキャリアによっては名義変更手続きをすませ、家族が使い続けることも可能です。
ただし、亡くなった人の携帯電話にはネット銀行や証券会社のログイン情報や友人、知人の連絡先も保存されているので相続手続きがある程度完了してから解約をすると良いでしょう。
本記事では、死亡した人の携帯電話の解約手続きの流れや注意点を解説します。
家族が亡くなったときの相続手続きについては、下記の記事でも解説しているのでご参考にしてください。
目次
1章 死亡した人の携帯電話をそのまま利用できる?
携帯電話の持ち主が亡くなったとしても、契約先のキャリアが死亡を把握しない限り、引き続き携帯を使用し続けられます。
持ち主死亡とともに自動で解約されるわけではないので、家族や親族が契約先のキャリアにて携帯電話の解約手続きをしなければなりません。
また、キャリアによっては持ち主が死亡した後も、家族などが名義変更手続きをして携帯電話をそのまま使い続けることも可能です。
2章 死亡した人の携帯電話を解約できる人
亡くなった人が利用していた携帯電話を解約できる人は、故人の家族や代理人に限定されています。
なお、携帯電話を解約するとその電話番号は二度と使えなくなるのでご注意ください。
亡くなった人の携帯電話を解約できる人物は、下記の通りです。
携帯電話会社 | 解約できる人 |
docomo | 規定なし (死亡した人および手続きをする人の本人確認や関係性の証明が必要) |
au |
|
ソフトバンク |
|
上記のように、携帯電話会社ごとに手続きできる人は異なります。
docomoの場合は手続きできる人に決まりはありませんが、携帯電話の利用者や契約者が死亡した事実確認や手続きをする人の本人確認などは行われます。
3章 死亡した人の携帯電話を解約する流れ
亡くなった人の携帯電話解約時には、ショップもしくは郵送で手続きをする必要があります。
具体的には、下記の流れで手続きを進めましょう。
- 最寄りのショップに来店予約をする
- 必要書類を準備する
- ショップで解約手続きをする
それぞれ詳しく解説していきます。
STEP① 最寄りのショップに来店予約をする
亡くなった人の携帯電話の解約手続きは最寄りのショップにて行えます。
いきなり来店しても手続きを行えない可能性が高いので、まずは電話やWebで来店予約をするのが良いでしょう。
- 亡くなった人が使用していた電話番号
- 携帯電話の利用者もしくは契約者が死亡したから解約したいこと
- 当日必要な持ち物や書類
来店予約時には上記を確認しておくとスムーズです。
なお、大手キャリア以外はそもそも店舗を用意していない携帯電話会社も多く、その場合には郵送で手続きをしなければなりません。
携帯電話各社で手続き方法が異なるので、まずは公式HPなどを確認するのが良いでしょう。
故人が利用していた携帯電話の端末が見つからず、契約キャリアがわからない可能性もゼロではありません。
そのようなケースでは、故人の自宅などで携帯電話に関する契約書類を探し契約先のキャリアを特定しなければなりません。
携帯電話の利用料金の支払いを口座引き落としやクレジットカード払いにしていた場合は、引き落とし状況やクレジットカードの利用状況を確認すれば契約キャリアがわかります。
STEP② 必要書類を準備する
来店予約時に教えてもらった必要書類の準備を進めましょう。
携帯電話の使用者が死亡したときの解約手続きに必要な書類は、それぞれ下記の通りです。
携帯電話会社 | 必要書類 |
docomo |
|
au |
|
ソフトバンク |
|
上記のように、来店者と携帯電話の契約者もしくは利用者が家族以外の場合は、関係性を証明できる書類が必要な可能性があります。
来店予約をする際に、必ず確認しておきましょう。
STEP③ ショップで解約手続きをする
来店予約をした日時にショップに行き、解約手続きを進めましょう。
当たり前ですが、解約手続きが完了してしまうと端末は利用できなくなってしまいます。
亡くなった人の携帯電話の連絡先や各種データはバックアップを取っておくと安心ですし、可能であれば相続手続きがある程度落ち着いてから解約手続きを行うのがおすすめです。
4章 死亡した人の携帯電話解約にかかる費用
亡くなった人の携帯電話を解約しても、違約金や解約金は発生しません。
途中解約をすると違約金や手数料が発生する契約であっても、持ち主死亡による解約では費用がかからないのでご安心ください。
間違って違約金や解約金を発生させないためにも、手続き時には解約理由を必ず伝えましょう。
また、携帯の端末料金の残額や未払い料金に関しては解約理由にかかわらず請求されてしまいます。
5章 死亡した人の携帯電話を解約するときの注意点
家族や親族が名義変更手続きを行い携帯電話を使い続ける際や携帯電話の解約をする際には、下記の5点に注意が必要です。
- 携帯電話会社のポイントは引き継げない
- データのバックアップを取っておく
- 故人の携帯電話はすぐに解約しない方が良い
- 家族が使用する携帯電話の名義人も確認しておく
- インターネット回線の名義変更・解約手続きも必要
それぞれ解説していきます。
5-1 携帯電話会社のポイントは引き継げない
亡くなった人の携帯電話を名義変更して使い続ける場合も、携帯電話各社が提供しているポイントは引き継げないケースが多いのでご注意ください。
亡くなった人が所有していたポイントの取り扱いや引継ぎに関しては、会社ごとに異なるので定款を確認するもしくは窓口などに問い合わせをしてみましょう。
5-2 データのバックアップを取っておく
亡くなった人の携帯電話に保存されている写真や各種データは、バックアップを取っておくと安心です。
スマホや携帯電話は数十年にわたりデータを保存するために設計されていないため、携帯電話を形見として保存していても中のデータが破損し見られなくなる恐れもあるからです。
また、亡くなった人が使用していた携帯電話を家族が承継して使用するのであれば、携帯電話は初期化されデータがすべて消えてしまいます。
そのため、故人の携帯電話の中にある写真や思い出のデータなどは、バックアップしてクラウドなどで保管するのも良いでしょう。
5-3 故人の携帯電話はすぐに解約しない方が良い
亡くなった人の携帯電話はすぐに解約せずに、相続手続きが完了するまでそのままにしておくのが良いでしょう。
解約してしまうと、亡くなった人が利用していたネット銀行や証券会社のログイン情報がわからなくなってしまうからです。
故人の知人や友人の連絡先もわからなくなってしまうので、相続手続きや各種連絡が落ち着くまでは解約をしない方が良いでしょう。
5-4 家族が使用する携帯電話の名義人も確認しておく
世帯主が亡くなったケースなどでは、亡くなった人が使用していた携帯電話だけでなく家族が使用している携帯電話の名義人も確認しておきましょう。
家族が使用している携帯電話の名義人が故人だった場合、家族が使っている携帯電話を使い続けるには承継手続きや利用料金の支払い方法を変更しなければなりません。
故人の口座から料金を引き落としている場合や故人名義のクレジットカードで料金を支払っていた場合、料金滞納により、家族が使用している携帯電話も突然使えなくなる恐れがあります。
5-5 インターネット回線の名義変更・解約手続きも必要
故人が携帯電話とインターネット回線をセットで契約し割引を受けていたとしても、死亡後の名義変更もしくは解約は携帯電話とインターネット回線のそれぞれ両方で手続きしなければなりません。
携帯電話を解約しただけでは、同会社のインターネット回線の手続きは完了していないのでご注意ください。
なおインターネット回線の名義変更や解約手続きは、携帯電話のようにショップに来店する必要はなく電話や郵送で行えることがほとんどです。
まとめ
死亡した人の携帯電話をそのままにしていると料金がかかり続けるので、名義変更手続きもしくは解約手続きをしましょう。
ただし、解約手続きを行うと故人の携帯電話に保存されている情報を確認しにくくなりますし、ネット銀行や証券会社のログイン情報がわからなくなる恐れもあります。
そのため、携帯電話の解約時期は相続手続きが終わって落ち着いてから行うのが良いでしょう。
家族や親族が亡くなると携帯電話の解約手続きだけでなく、様々な手続きが必要です。
相続手続きの中には期限があるものもありますし、手続き内容によって相続税額やその後のリスクが変わってくるものもあります。
相続手続きの手間を減らしたい、何から始めれば良いかわからないとお悩みの人は、相続に詳しい司法書士や弁護士に相談するのがおすすめです。
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よくあるご質問
故人の携帯を解約する際の必要書類は?
故人の携帯を解約するには、主に下記の書類が必要です。
・死亡の事実が確認できる書類(死亡診断書や葬儀の案内状など)
・来店者の本人確認書類
▶故人の携帯電話解約について詳しくはコチラ故人の携帯電話はいつ解約すればいい?
亡くなった人の携帯電話はすぐに解約せずに、相続手続きが完了するまでそのままにしておくのが良いでしょう。
解約してしまうと、亡くなった人が利用していたネット銀行や証券会社のログイン情報がわからなくなってしまうからです。
▶故人の携帯電話の解約タイミングについて詳しくはコチラ