血族について学ぼう!範囲や親族・姻族との違いを詳しく解説

血族について徹底解説|範囲や親族・姻族との違いについても紹介
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司法書士中川 徳将

 監修者:中川 徳将

この記事を読む およそ時間: 5

相続に関して調べていると「血族」という言葉をよく見かけませんか?

「血族」というと、なんとなく「血のつながった人かな?」と思いますよね。

しかし、実際の定義については理解ができていない人がほとんどでしょう。

また、血族の他にも「親族」や「姻族」など似たような言葉が多く、戸惑うこともあるのではないでしょうか。

この記事では、血族についてや、「親族」「姻族」についても解説します。


1章 血族とは?

血族とは、血族関係にある人物を指します。
ただし、血族は血の繋がりがある人物だけでなく、養子縁組によって親子関係が生じた人も血族に含まれます。

血族の種類について詳しく見ていきましょう。

1-1 自然血族

血族の種類、自然血族

自然血族とは、生物学的な血縁関係にある人を指し、関係性が遠くても血が繋がっていれば「血族」にあたります。

親子や、祖父母と孫などはもちろん、いとこやはとこであっても血族に含まれます。

一方で、配偶者や、配偶者の血族、再婚相手の連れ子などは血の繋がりがないため、自然血族に含まれません

ただし、血縁関係にあっても、血族に含まれないケースがあります。それは、「非摘出子と父親」です。

婚姻関係のない男女の間に生まれた非嫡出子の場合、母親とは必ず血族になりますが、父親とその子供は血族にあたりません。父親と非嫡出子が血族になるためには、子を認知する手続きが必要です。

血族の種類、自然血族

1-2 法定血族

血族の種類、法定血族

法定血族とは、生物学的な血縁関係になくても、法律上血縁関係があるとみなされる血族を指します。

主な例は、「養親と養子」です。

養親と養子には血縁関係はありませんが、養子縁組すれば実子と変わらず「親子関係」が法律上認められるため、血族に含まれます。

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2章 「血族」と似た種別

「血族」と似た言葉で「親族」や「姻族」というものがあります。

名前は似ていますが、それぞれの性質は異なり、含まれる範囲も異なります。

相続の場面では「血族」「親族」「姻族」という言葉がしばしば登場しますので、それぞれの違いについて把握しておきましょう。

2-1 姻族

血族の種類、姻族

姻族とは、配偶者の血族のことを指します。

配偶者の血族とは当然、血縁関係がありませんが、結婚したことによって「姻族」としての関係性を持つこととなります。

2-2 親族

血族の種類、親族

親族とは、簡単に言えば「親戚」です。しかし、法律では、その範囲はしっかりと決められています。

親族の範囲は、本人から見て6親等までの血族と3等身以内の姻族です。

具体的には以下のようになります。

【血族】

1親等:父母・子

2親等:祖父母・孫・兄弟姉妹

3親等:曾祖父母・曾孫・おじおば・甥姪

4親等:高祖父母・玄孫・祖父母の兄弟姉妹・いとこ・甥姪の子

5親等:五世の祖父母・来孫・高祖父母の兄弟姉妹・祖父母の甥姪・いとこの子・甥姪の孫

6親等:六世の祖父母・昆孫・高祖父母の兄弟姉妹の子・祖父母の甥姪の子 など

【姻族】

1親等:義父母

2親等:義祖母・義兄弟姉妹

3親等:義甥姪・義叔父叔母/伯父伯母


3章 血族の分類

血族などを表現する際「直系血族」「傍系血族」「直系卑属」「直系尊属」という言葉をよく目にします。

それは、どういった意味なのでしょうか。それぞれ解説します。

3-1 直系と傍系

血族の種類、直系血族と傍系血族

直系とは、直接的に親子関係で繋がっている系統を指します。

例えば、父親・母親・祖父母・曾祖母・子供・孫・曾孫などです。

一方で、直系から枝分かれした横につながる系統を「傍系」と言います。

兄弟姉妹や、いとこ、叔父叔母(伯父伯母)などがこれにあたります。

「直系以外は傍系」とおぼえておくと分かりやすいでしょう。

3-2 尊属と卑属

血族の種類、尊属と卑属

「尊属・卑属」は、上下の関係を指します。

自分から見て上の代は「尊属」下の代は「卑属」となります。

父親・母親、祖父母、叔父叔母(伯父伯母)などは自分より上の世代ですので、「尊属」。子どもや孫、甥姪などは自分より下の世代ですので、「卑属」となります。

相続の場面では「直系尊属」「直系卑属」「傍系尊属」「傍系卑属」というような言葉が出てきますが、以下のように覚えておきましょう。

  • 直系で、自分より上の世代=直系尊属・・・父親・母親・祖父母・曾祖父母 など
  • 直系で、自分より下の世代=直系卑属・・・子ども・孫・曾孫 など
  • 傍系で、自分より上の世代=傍系尊属・・・叔父叔母(伯父伯母)、両親の叔父叔母(伯父伯母) など
  • 傍系で、自分より下の世代=傍系卑属・・・甥姪・甥姪の子 など

まとめ

みなさんが「親戚」とひとくくりにして呼ぶ関係性も、法律の中では「血族」「姻族」「親族」と細かく範囲が決められており、さらに「直系」「傍系」「卑属」「尊属」と細分化されています。

ややこしくて分かりにくいですが、一般的な相続の場面では、以下のように覚えておけば問題ないでしょう。

血族血の繋がっている人
姻族配偶者の血族
親族血族と配偶者の血族
直系血族直接上下につながっている血族
(親、子、祖父母、孫など)
傍系血族直系から枝分かれした血族
(兄弟姉妹、叔父叔母、いとこ、甥姪など)
直系尊属直系血族のうち、自分より上の世代
(親、祖父母など)
直系卑属直系血族のうち、自分より下の世代
(子、孫など)
傍系尊属傍系血族のうち、自分より上の世代
(叔父叔母など)
傍系卑属傍系血族のうち、自分より上の世代
(甥姪など)
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よくあるご質問

血族、姻族の意味は?

血族とは、血縁関係にある人のことで、生物学上の血縁だけではなく、養子縁組による法律上の血族も含まれます。
そして、似た言葉に婚族がありますが、婚族とは、配偶者(夫または妻)の血族のことを指します。
配偶者の血族とは、血縁関係がありませんが、結婚したことにより婚族としての関係性を持つこととなります。

姻族の範囲は?

姻族とは、自分の配偶者(夫または妻)の血族または自分の血族の配偶者のことを指します。
配偶者の父母、祖父母、叔父叔母、兄弟姉妹、甥姪などが該当します。
▶姻族の範囲の図解はコチラ

叔母は血縁者ですか?

自分と血縁関係があれば叔母も血縁者に該当します。
ただし、配偶者の血族などは血縁関係がないため、姻族に該当します。

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