- 利用したサービス:普通の相続手続き、相続登記、預金解約
- 相続した財産:土地(ご自宅の宅地、および林野など合計40筆以上。うち数筆は改製不適合物件)、預金
- 居住地:関東地方
- 依頼者の立場:相続人の一人
目次
│ 事例の概要
ご自身が認識されていた5筆の土地が、調査の結果、40筆以上もの不動産であることが判明。複雑な共有名義や手作業での調査が必要な物件を含むすべての相続登記を完了させた事例です。
課題
- 所有不動産は5筆程度という認識で、正確な筆数や境界を把握できていませんでした
- 多くの土地が近隣住民との共有名義で、誰がどれだけ所有しているかは登記を詳しく調べなければ分からない状態でした
- 相続登記の義務化が迫る中、複雑な権利関係を自力で整理するのは困難な状況に直面していました
成果
- 40数筆にわたるすべての不動産の洗い出しと、権利関係の全容把握を完了させました
- 手作業での調査が必要な改製不適合物件を含む、すべての土地の相続登記を実現しました
- 相続登記の義務化に対応し、将来の不安を解消する体制が整いました
│ 依頼の背景
ごく一般的な相続手続きのご相談として、お話を伺うことから始まりました。当初、ご依頼者様ご自身が把握されている不動産は、現在お住まいのご自宅の土地を含めて「5筆くらいだろう」という認識でした。ご自宅周辺の山林についても、ご自身の土地が含まれているという大まかな感覚はお持ちでしたが、具体的な境界線については全く分からないご様子でした。
しかし、お話を詳しく伺ううちに、事態の複雑さが明らかになってきました。ご自宅の宅地を除くほとんどの林野が、近隣にお住まいの方々との共有名義になっているというのです。そのため、ご依頼者様だけでなく、土地の持ち分を共有しているご近所の方々にとっても、「一体誰が、どの土地を、どれくらいの割合で所有しているのか」という全体像が全く見えない状態に陥っていました。
これは、長年にわたり多くの相続が登記されないまま放置され、誰かが他界するたびにさらに相続人が増えるといったことが各土地で繰り返されていった結果と考えられました。近年、こうした問題は各地で増え続けています。
このままでは、目前に迫る相続登記の義務化に対応できないばかりか、この複雑な問題を次世代にまで先送りしてしまうことになりかねません。ご自身だけでは、この絡み合った糸を解きほぐすことは到底不可能であると感じられたことでしょう。ご相談の際の真剣な表情から、専門家の力を借りて、この機会にすべての相続関係を明確にし、きちんと整理しなくてはならないという切実な思いが伝わってきました。
│ 解決までの道のり / グリーングループだからできたこと
ステップ1:名寄帳の取得による、所有不動産の正確な把握
ご依頼者様が当初抱えていた「所有不動産がどれだけあるか分からない」という漠然とした不安に対し、私たちはまず、客観的な事実を正確に把握することから始めました。ご本人の記憶だけに頼るのではなく、公的な記録である、通称「名寄帳」を取得し、所有されている不動産の全容を洗い出すというアプローチを取りました。
その結果、判明した不動産の数は、ご本人の想定をはるかに超える40筆以上にも上りました。この事実により、手続きを行うべき対象が正確に確定し、問題の全体像が初めて明らかになりました。この徹底した調査があったからこそ、後の手続きを漏れなく進めることができたのです。
ステップ2:手作業での登記簿解読と、複雑な権利関係(持分)の特定
次に私たちが直面したのは、判明した不動産のうち数筆を占める「改製不適合物件」という大きな壁でした。これらは登記簿が電子化される前の古い形式のもので、オンラインでの手続きが一切できません。さらに、全員の持ち分を合計しても「1分の1」(100%)にならないという、権利関係が極めて複雑な状態でした。法務局の担当者ですら全体像を把握しきれず、「書類を送るので、そちらで確認してほしい」と委ねられるほどの難易度だったのです。
このような状況でも、私たちは手作業で丁寧に確認を進めました。法務局から分厚い手書きの登記簿謄本を複数取り寄せ、専門スタッフが、そこに記された情報を一つひとつ手作業で読み解き、すべての持ち分を割り出すという地道な作業を粘り強く続けました。これは、数多くの複雑な相続案件を手掛けてきた当法人の豊富な経験とノウハウがあったからこそ、最後までやり遂げることができたプロセスです。
この骨の折れる作業を経て、誰も把握していなかった複雑な権利関係がようやく明らかになりました。この結果は、ご依頼者様にとって、自分たちだけでは決して辿り着けなかった大きな前進であり、私たちの専門性と粘り強い姿勢に深い信頼を寄せていただくきっかけになったと感じています。
ステップ3:膨大な筆数に対応する緻密な確認作業と、遺産分割協議書の作成
最後に取り組んだのは、すべての不動産情報を、一字一句間違えることなく遺産分割協議書に落とし込み、登記申請を完了させるという最終段階の作業です。このステップでは、登記の申請手続きそのものの法的な難易度よりも、膨大な情報を正確に処理し続ける集中力と緻密さが求められました。
私たちは、40筆を超えるすべての不動産について、名寄帳の記録と登記簿の内容に整合性が取れているか、面積の記載に間違いがないかを、一つひとつ丁寧に突き合わせていきました。たった一つの記載ミスが、すべての手続きを頓挫させてしまう可能性があるというプレッシャーの中、細心の注意を払いながらチェック作業を遂行しました。この徹底した確認作業によって、将来にわたってトラブルの種を残さないための、正確な遺産分割協議書を作成することができました。
すべての情報が正確に記載された書類が完成したことで、相続手続きを正式に進めるための準備が万全に整いました。これにより、ご依頼者様は長年の懸案事項が解決へと向かう確かな手応えを感じ、大きな安心感を得られたことと思います。
│ 得られた結果
- すべての不動産について、複雑な改製不適合物件を含め、相続登記を完全に完了させました。
- 相続登記の義務化に期限内で対応し、法的な要件を満たすことができました。
- 登記簿謄本をお渡しすることで、ご自身の資産状況が明確になり、将来への安心が確保されました。
│ 担当司法書士から
今回の案件は、登記の申請業務そのものに特殊な法的論点があったわけではありません。しかし、40筆以上という膨大な数の不動産すべてについて、名寄帳と登記簿を照合し、面積や権利関係に間違いがないかを確認した上で、遺産分割協議書に正確に反映させるという作業は、多大な労力と集中力を要するものでした。
これほど工数のかかる案件を最後までやり遂げられたのは、これまで数多くの相続案件を手掛け、困難な状況を解決に導いてきた当法人の実績と経験があったからに他なりません。一つひとつの記録を地道に読み解き、粘り強く事実確認を続ける。そうした基本でありながら最も重要な作業を、組織として徹底できる体制が、今回の成果に繋がったのだと自負しています。
「ここまでやってもらえて本当に助かった」というお言葉をいただけた時、この仕事の意義を改めて感じ、私たちも心から安堵いたしました。
相続登記でお悩みの方は、グリーングループにご相談ください グリーン司法書士法人は豊富な実績と専門家ネットワークで、複雑な相続問題にも対応する司法書士事務所です。 本事例でお伝えしてきたとおり、所有不動産の全体像が不明で、相続手続きが進められないといったことで悩んでいる方は、グリーン司法書士法人がお力になれる可能性があります。 気になる方は、お気軽にご相談ください。 |











