- 利用したサービス:遺産分割協議サポート、不動産の相続登記、山林等の役所への届出サポート、宅地の贈与手続き
- 相続した財産:不動産(自宅敷地、公衆用道路、多数の畑、山林、保安林)
- 居住地:関西地方
- 依頼者の立場:被相続人の妻
│ 事例の概要
目次
│ 事例の概要
種類も数も非常に多い「不要な不動産」の処分にお悩みだった状況から、専門的な見地からの助言を通じて円満な遺産分割協議を成立させ、将来の負担を軽減する贈与手続きまで完了させた事例です。
課題
- 自宅の他に畑や山林など、種類も数も非常に多い不動産をどう扱えばよいか、途方に暮れている状態でした
- 利用していない畑や山林が「不要な不動産」となり、将来にわたって管理や処分の負担が重くのしかかるという不安を抱えていました
- お子様の一人が「相続しない」と主張されており、遺産分割協議の進め方について判断に迷っていました
- 農地の贈与には農業委員会の許可が必要という法的な制約があり、ご希望通りの名義変更ができないという問題に直面していました
成果
- ご家族全員が納得する形で、円満な遺産分割協議が成立しました
- 将来の管理負担や法的な制約を考慮した上で、農地以外の宅地をお子様へ贈与する手続きを完了しました
- 保安林や山林の名義変更後に必要な役所への届出まで、漏れなく完了させました
│ 依頼の背景
お父様が亡くなり、相続が始まりました。ご依頼者様は、相続財産を調べていくうちに、ご自宅の敷地だけでなく、公衆用道路や多数の畑、山林、さらには保安林まで、所有されていた不動産が広範囲にわたり、種類も数も非常に多いという現実に直面されたとのことです。
利用していない畑や山林は、ご家族にとって管理の負担だけが重くのしかかる、いわゆる「不要な不動産」でした。加えて、共同相続人となるお子様の一人が「相続はしない」という意向を示されており、誰が、何を、どのように引き継ぐべきか、ご家族だけでは判断がつかない状況にありました。
専門家の客観的な視点と知識が必要不可欠だと感じ、私たちにご相談いただくことになりました。ご面談の際のご依頼者様の様子から、先の見えない状況に対する深いご心労が伝わってきました。
│ 解決までの道のり / グリーングループだからできたこと
ステップ1:現状の整理と、ご家族が判断するための「道しるべ」の提示
ご相談当初、ご依頼者様ご一家は、あまりに多くの課題を前に混乱されているご様子でした。このような状況で最も大切なのは、まず現状を正確に把握し、漠然とした不安を具体的な課題に整理することです。私たちは、固定資産税の負担額、不要な土地を国に引き取ってもらう国庫帰属制度の利用が現実的には非常に難しいこと、畑を専門に扱う不動産会社が少ないことなど、専門的な知見から現実的な情報をご提供しました。
このプロセスを通じて、ご依頼者様はご自身たちが置かれている状況を客観的に理解し、何を基準に判断すればよいのかという「道しるべ」を得ることができました。これにより、漠然とした不安が解消され、ご家族で前向きに話し合いを進めるための土台が整ったのです。
ステップ2:ご家族の意向を尊重した、円満な遺産分割協議の実現
次に課題となったのが、お子様のお一人の「相続しない」というご意向を、いかに円滑に遺産分割協議に反映させるかという点でした。相続しない方法として「相続放棄」を思い浮かべる方も多いですが、手続きが家庭裁判所での申述になるなど、ご負担が大きくなる可能性があります。そこで私たちは、相続放棄ではなく、遺産分割協議書の中でその方の取得分をゼロとする形で合意する方法をご提案しました。
この方法は、ご本人のご意向を尊重しつつ、他のご家族への手続き的な負担を増やすことなく、円満に協議をまとめることができる現実的な解決策です。私たちの提案にご家族全員がご納得くださり、お母様ともう一人のお子様の間で不動産をどのように振り分けるかという具体的な話し合いに、スムーズに移行することができました。
ステップ3:複雑な不動産手続きの代行と、将来を見据えた解決法のご提案
遺産分割協議がまとまった後も、手続きは終わりません。特に、今回のケースでは保安林や山林といった特殊な不動産が含まれており、名義変更後には管轄の役所への届出が別途必要でした。こうした煩雑で漏れが発生しがちな手続きも、私たちが責任を持って代行し、ご依頼者様のご負担を最小限に抑えました。
また、ご依頼者様と一人のお子様で土地を分け合う形で相続手続きは一旦完了したものの、その後、ご依頼者様が受け継いだ土地についても、将来のことを考え、やはりお子様に譲りたいというお話が持ち上がりました。しかし、一度相続を終えてしまった以上、それは新たな贈与となり、農地法の制約から実現が難しくなります。私たちは、そのことをご説明し、贈与税や不動産取得税といった税金面での影響も十分にご理解いただいた上で、法的な制約のない「宅地」部分のみをお子様へ贈与するという代替案をご提案しました。これにより、ご依頼者様はご自身の希望が完全に叶わない中でも、専門家のアドバイスに基づいた最善の選択ができたとご納得され、追加でのご依頼をいただくに至りました。
│ 得られた結果
- ご家族全員が納得する形で、トラブルなく遺産分割協議を成立させました。
- 将来の管理負担を軽減するため、ご希望に沿った形で宅地の贈与手続きを完了しました。
- 保安林や山林の名義変更後に必要な役所への届出まで、漏れなく全ての相続手続きを完了させました。
│ 担当司法書士から
相続財産の中に、利用価値が低く管理が難しい、いわゆる「不要な不動産」が含まれていることでお困りになる方は、決して少なくありません。今回のご依頼者様のケースのように、不動産の種類が多岐にわたり、保安林や農地といった法的な制約が絡む場合、単に名義を変更するだけでは問題の根本的な解決にはならず、むしろ負担を次の世代へ先送りしてしまうことにもなりかねません。
私たちは、法的な観点だけでなく、国庫帰属制度の現実的な利用可能性や固定資産税の負担といった実務的な情報を提供することで、お客様ご自身が「納得して」最善の道を選べるようサポートすることを常に心がけています。単に手続きを代行するだけでなく、お客様が判断するための客観的な情報を提供し、意思決定のプロセスに寄り添うことが私たちの重要な役割だと考えているからです。
当初、どうすればよいか分からず途方に暮れていらっしゃったご依頼者様が、最終的にご自身の言葉で「この分け方でお願いします」と決断された時の晴れやかな表情は、今でも忘れられません。ご家族の将来に向けた大切な一歩を、無事にお手伝いできたことに、専門家として大きな喜びを感じました。
不要な不動産の相続でお悩みの方は、グリーングループにご相談ください。 グリーン司法書士法人は、豊富な実績に基づき、「不要な不動産」にまつわる問題までワンストップで対応する司法書士事務所です。 本事例でお伝えしてきたとおり、利用していない土地や山林の相続手続きや、その後の管理・処分方法で悩んでいる方は、グリーン司法書士法人でお力になれる可能性があります。 気になる方は、お気軽にご相談ください。 |











