- 利用したサービス:相続調査(戸籍収集)、連絡代行(お手紙の作成・送付)、相続放棄サポート
- 相続した財産:借金・負債
- 居住地:関東地方
- 依頼者の立場:相続人(お亡くなりになった被相続人のお母様)
目次
│ 事例の概要
独身だった息子様の死後、面識のない親族の存在によって相続放棄が頓挫する危機から、丁寧な調査と連絡代行で関係者全員の負債相続を回避した事例です。
課題
- 亡くなった息子様が残した負債を家族が背負わないために、全員の相続放棄が必須の状況でした
- ご依頼後、ご依頼者様の実母(被相続人の祖母)の存在が新たに判明しましたが、ご存命かどうかも分からず連絡が取れない状態でした
- 次順位の相続放棄が進められないことで、将来的にご兄弟が負債を相続してしまうリスクを抱える形となりました
成果
- 戸籍調査と個別作成した手紙によるアプローチを経て、面識のない親族側の相続放棄の完了を確認しました
- 止まっていた手続きの道筋が確保され、ご兄弟全員の相続放棄も速やかに実現しました
- ご家族全員が負債を相続するリスクから解放され、依頼者様の長年の心理的負担を完全に解消しました
│ 依頼の背景
一人暮らしをされていた息子様の突然の訃報。深い悲しみに暮れる間もなく、ご依頼者であるお母様は、息子様に借金などの負債があったという厳しい現実に直面されました。ご自身とご主人、そして他のご兄弟が負債を背負うことがないよう、ご家族は全員で相続放棄をすることを選択しました。
ご依頼者様とご主人(被相続人のご両親)の相続放棄手続きは滞りなく完了しました。しかし、ここで想定外の壁が立ちはだかります。
実はご依頼者様には、育ての親である継母のほかに実母(被相続人から見るとおばあ様)がいらっしゃり、もしその方がご存命であれば、相続放棄されたご依頼者様にかわって第二順位の相続人となるという事実が浮上してきたのです。第三順位である被相続人のご兄弟方が相続放棄をするためには、この方が先に相続を承認するか放棄するかの判断をする必要があります。
問題は、ご依頼者様が幼い頃にご両親が離婚し、以降、実母の方とは全く面識がなかったことでした。連絡先はおろか、ご存命であるかすら分からない。このままでは、ご兄弟の相続放棄を進めることができず、負債を相続してしまうかもしれないという、新たな不安がご家族に重くのしかかりました。
自分たちの手続きは終わっても、他の子供たちが負債を相続するリスクから逃れられない。この状況を何とか打開しなければならない。しかし、面識のないご高齢の親族を自分たちで探し出し、複雑な事情を説明して協力を取り付けるのは、精神的にも物理的にもあまりに困難です。専門家の助けを借りる以外に道はないと考え、当法人にご相談に来られました。そのご様子からは、ご家族を負債の連鎖から守りたいという、切実な思いが伝わってまいりました。
│ 解決までの道のり / グリーングループだからできたこと
ステップ1: 複雑な相続関係の正確な把握と、次なる相続人の特定
最初のご相談の段階では、誰が法的な相続人にあたるのか、特に面識のない実母や、共に暮らしてこられた継母がどう関わるのか、ご依頼者様も正確な状況が分からず不安なご様子でした。まずは現状を整理するため、私たちは戸籍を徹底的に遡って調査することから始めました。
長年の経験で培った戸籍の解読スキルを活かし、調査を進めた結果、まずご依頼者様の継母は養子縁組をされていないため、今回の相続権がないことが確認できました。そして、最も重要だったのが、全く交流のなかった実母の方がご存命であることが判明したことです。これにより、次にアプローチすべき対象が明確になり、手続きを進めるための具体的な道筋が見えてきました。
法的な関係性が整理され、誰に何を働きかけるべきかがはっきりしたことで、ご依頼者様は少し落ち着きを取り戻されたようでした。暗闇の中にあった問題に、ようやく一筋の光が差し込んだ瞬間だったのかもしれません。
ステップ2: 事情に配慮した手紙による、慎重なコンタクト
次に相続権を持つ実母の方を特定できましたが、次なる課題は「どのように連絡を取るか」でした。相手は全く面識のないご高齢の親族です。突然、専門家から連絡が届けば、驚かせたり、不信感を抱かせたりする恐れも十分に考えられます。ご依頼者様も、その点を非常に心配されていました。
そこで私たちは、非常にデリケートなこの状況に最大限配慮したアプローチを選択しました。ご家族の複雑な事情、これまでの経緯、そして事態の緊急性を丁寧にご説明する手紙を、担当者が一から作成してお送りする方法です。単なる事務連絡ではなく、相手方の心情を汲み取り、状況を正しくご理解いただくことに努めました。
専門家による配慮の行き届いたアプローチによって、ご依頼者様は大きな安心感を得られたご様子でした。相手方に不快な思いをさせることなく、事態を伝えるための最善の方法を講じられたと考えております。
ステップ3: 膠着状態における、粘り強いフォローと丁寧な状況説明
手紙をお送りしたものの、すぐには相手方からの反応はなく、手続きが停滞してしまう事態となりました。「このまま時間が過ぎ、兄弟たちが負債を相続することになったらどうしよう」。ご依頼者様の焦りと不安は日に日に募っていきました。
私たちは、このような先が見えない状況だからこそ、ご依頼者様に寄り添い続けることが重要だと考えました。手続きがストップしている間も、ご依頼者様やお手続きを待たれているご兄弟に対し、それぞれ個別にお電話でこまめに現状をご報告しました。
状況の推移を正確に理解することで、冷静に事態を見守っていただけたと感じています。
ステップ4: 全員分の相続放棄手続きの完遂と、心理的負担の解消
粘り強く待ち続けたある日、事態は大きく動きました。当法人が送付した手紙を実母の方のご家族がご覧になり、事態を把握されたのです。そして、ご家族がご自身で別の司法書士に依頼し、速やかにその方の相続放棄を完了させてくださったとのご連絡をいただきました。
このご連絡を受け、確かに相続放棄が受理されていることを書類で確認した上で、私たちはすぐに行動を開始しました。このような事態に備え、事前に関係書類の準備を万全に整えていたため、止まっていたご兄弟2名の相続放棄手続きを即座に実行することができました。その結果、ご家族の誰も負債を背負うことなく、関係するご親族全員の相続放棄を無事に完了させることができたのです。
ご自身の手続きは終わっていても、他のご兄弟が負債から逃れられていない状況に、ご依頼者様はずっと心を痛めておられました。全員の手続き完了をご報告した際、「胸のつかえが取れました」と心からの安堵の表情を浮かべられたお姿は、今も忘れられません。
│ 得られた結果
- 全く面識のなかったご親族との連携を実現し、次順位相続人の相続放棄の完了を確認しました。
- ご兄弟全員の相続放棄手続きを迅速に終え、ご家族が負債を相続するリスクを解消しました。
- 長期間にわたる手続きの停滞という不安な状況を乗り越え、依頼者様の「胸のつかえ」を取り除くという心理的な安寧を実現しました。
│ 担当司法書士から
今回の事例は、当初想定していた相続放棄手続きの範囲を大きく超え、ご家族の複雑な過去とも向き合う非常に難しい案件でした。戸籍を深く読み解き、面識のない相続人を特定する必要があっただけでなく、ご高齢で事情を全く知らない相手方に対し、いかにして協力を得るかという、法的知識だけでは解決できない極めてデリケートなコミュニケーションが求められました。
このような困難な状況を打開できたのは、私たちの戸籍を正確に読み解く専門性と、個別の事情に寄り添った対応力があったからこそだと自負しております。定型的な手続き案内ではなく、ご家族の複雑な背景を汲み取った手紙を一から作成し、相手方の心情に配慮したアプローチを粘り強く続けたことが、今回の結果に繋がりました。
相手方からの反応がなく、ご家族が不安を募らせていた時期は、私たちも本当に歯がゆい思いでした。だからこそ、先方のご家族からご連絡があり、無事に相続放棄が完了したと聞いた時は、自分のことのように安堵したことを覚えています。そして最終的に、ご依頼者様から「胸のつかえが取れました」というお言葉をいただいた時、この仕事の重い責任と、それを乗り越えた先にある喜びを改めて実感いたしました。
複雑な相続関係や相続放棄でお困りの方はご相談ください。 グリーン司法書士法人は、複雑な戸籍調査と丁寧なヒアリングを得意とする司法書士事務所です。 本事例でお伝えしてきたとおり、面識のない相続人の存在や複雑な家庭の事情で相続手続きにお悩みの方は、グリーン司法書士法人でお力になれる可能性があります。 気になる方は、お気軽にご相談ください。 |











