「遺産はどのくらいかかるのだろう?」
「相続税はかかるのだろうか?」
ご両親が高齢になった際、遺産がどのくらいあるか気になる方も多いのではないでしょうか。
大体の遺産額を知っておくことで、さまざまな対策や準備ができます。
とはいえ、親に直接聞くことははばかられますよね。
では、世の中の人々はどのくらい相続しているのでしょうか。
2020年に三菱UFJ信託銀行株式会社が行った調査では、相続経験者の平均相続金額は3,273万円でした。
この記事では、相続した遺産額の平均について言及してみました。
また、相続に向けた対策についてもお話しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
1章 親から相続した遺産の平均金額は約3,200万円
2020年に三菱UFJ信託銀行株式会社が行った調査(※)によると、一人あたりの相続を受けた遺産額の平均は3,273万円という結果が出ました。
この金額を見ると「想像以上に高額だ」と感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、3,273万円というのは平均額であり、1億円以上の高額な金額も含まれるため、このような数値になっています。
実際に、どの程度の遺産額が多いのかは、相続を受けた金額の分布を見ると分かります。
(参照元)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000036656.html
男女で差はありますが、全体から見ると「500万円〜1,000万円未満」が22.9%と多くなっています。また、1,000万円未満の人は61.5%、2,000万円未満の人は77%。
半数以上が相続額が1,000万円未満であり、さらに2,000万円以上の人はかなり少数であることが分かります。
このことから、一人あたりの相続額は1,000万円程度が一般的であると考えられます。
2章 親の半数以上が相続財産を明らかにしていない!
同じく、2018年に三菱UFJ信託銀行株式会社が行った調査(※)によると、「子どもに対して相続財産を全く明らかにしていない」人は52.5%と、半数を超えています。
(参照元)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000036656.html
また、明らかにしていない理由として最も多いのが「子どもが相続財産をあてにすることは好ましくないので(36%)」というものでした。3割以上の人が、“あえて”子どもに相続財産について話していないということです。
さらに、「相続財産の話をする時期ではないと思っていた」が27%、「子供と相続財産の話をする機会がなかった」が24.1%と、コミュニケーションやタイミングの問題で話していない人も多くいることが分かります。
確かに、自分が亡くなったときの話や、生々しいお金の話を子どもとすることを躊躇する気持ちも分かります。
しかし、相続財産や相続の内容について共有していないと、思わぬ相続に子どもたちが戸惑うケースも少なくありません。
また、共有しないとしても、子どもたちが相続で揉めたり、トラブルになったりしないよう対策をしておくことが大切と言えるでしょう。
次章では、相続トラブルを防ぐための対策についてお話します。
3章 遺産総額が3,600万円を超えると相続税がかかる可能性がある
相続税は、遺産相続が基礎控除【3,000万円+600万円×法定相続人の人数】を超えた場合に課税されます。法定相続人が1人の場合は3,600万円、2人の場合は4,200万円です。
つまり、遺産総額が3,600万円未満の場合には相続税はかからないということです。そのため、相続税が課税されるのは、相続全体の8%程度と言われており、ほとんどの人は申告を必要としていません。
一点注意が必要なのは、【遺産総額】が基礎控除を超える場合に相続税が課税されるということです。相続人1人の相続額ではないので注意しましょう。
具体的に、相続税をどのように計算するかは、以下の記事をご覧ください。相続税シミュレーションもありますので、ぜひご活用ください。
4章 相続トラブルを防ぐために対策をしよう
- 「うちはそんな高額な遺産はないし、トラブルになんてならないだろう」
- 「子どもたちみんな仲がいいから、相続争いなんて起こさないよ」
そんなふうに思う方も多いかもしれません。
しかし、相続トラブルは、資産家のような遺産が高額になるケースに限るものではありません。また、いくら家族の仲が良くても争いに発展することはあります。
相続トラブルが起こると、場合によっては弁護士に依頼して、調停や裁判にまで発展することもあります。
そのため、生前からトラブルを防ぐために以下のような対策をしておくことが大切です。
- 相続について家族で話し合う
- 遺言書を作成する
- 財産目録を作成する
- 親の財産の支出を共有する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
4−1 相続について家族で話し合う
「親が亡くなったときの話」というのは、家族で話し合うのははばかられますよね。親に切り出しにくいでしょう。
しかし、生前に話し合っておかなければ、いざ相続が発生したときにトラブルになってしまいます。
- 自分は親と同居しているから不動産は相続したい
- 介護費用を出しているから、その分相続分を上乗せしてほしい
- 家の購入費用を援助してもらったから遺産の取得分は少なめでいい
など、家族の事情ごとに話し合っておきましょう。親と一緒に話せるのがベストです。
そして、話し合いの内容を元に、親に納得してもらった上で遺言書を作成してもらうようお願いしてみましょう。
4−2 遺言書を作成する
相続トラブルを回避するための最もシンプルな方法が「遺言書を作成すること」です。
遺言書を作成しておけば、概ね遺言書の内容通りに遺産を渡すことが可能になります。
ただし、「長男にすべての遺産を渡す」といったあまりにも偏った内容だと、逆効果になることもあります。
遺留分や不動産の相続についても配慮して作成することが大切です。自身で作成することが不安であれば、司法書士などの専門家に相談するようにしましょう。
4−3 財産目録を作成する
相続トラブルの原因の一つとして「財産がどこにあるか分からない」「財産の全容が分からない」なご、財産の内容が不明瞭であることが挙げられます。
財産目録という、被相続人の財産を明記した一覧表を作成しておけば、相続発生時に相続人が相続財産の内容を一目で把握することができます。
また、使い込みや財産隠しの疑いを生むリスクも防ぐことにも繋がります。
財産目録には、プラスの財産だけでなく借金についても記載しておくようにしましょう。相続人が借金を把握していないと、後々トラブルの原因となってしまいます。
4−4 親の財産の支出を共有する
親の財産を管理している人は、兄弟や他の家族に財産の支出を定期的に共有するようにしましょう。
相続発生後、「使い込んでいたのでは?」と疑われることを防ぐことができます。
難しく考える必要はありません。半年〜1年に1回程度通帳や家計簿を共有するだけでも十分に対策になります。
5章 遺言書や財産目録の作成はグリーン司法書士法人にお任せください!
グリーン司法書士法人には相続専門の司法書士が在籍しております。
財産目録や遺言書の作成など、相続の生前対策ならお任せください!
財産の状況や相続のご希望を伺い、適切な対策をご提案させていただきます。
初回相談は無料です。オンラインでの相談も可能ですので、全国どこからでもお気軽にご相談ください。
よくあるご質問
親の相続はいくらまで無税?
相続税には「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除枠が用意されています。
基礎控除の範囲内であれば、相続税は一切かかりません。
▶相続税の基礎控除について詳しくはコチラ相続税の計算方法は?
まず、相続税には基礎控除額があるので、基礎控除額内であれば、相続税は発生しません。
【相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数】が計算式になるので、まずは基礎控除額内に収まっているかを確認してみましょう。
相続税の計算方法は以下の6ステップで計算できます。
①財産を評価する
②遺産の総額から基礎控除額を引く
③基礎控除額を引いたあとの遺産を法定相続分で分ける
④法定相続分で分けた遺産から相続税を計算する
⑤相続税の総額を実際の相続割合で分けなおす
⑥控除・加算で最終的な納付税額を求める
詳しくは下記リンク先をご参考にしてください。
▶相続税の具体的な計算方法について親の遺産は平均いくら?
2018年に三菱UFJ信託銀行株式会社が行った調査(※)によると、一人あたりの相続を受けた遺産額の平均は2,117万円という結果が出ました。