- 利用したサービス:相続人調査、相続手続きに関する法的整理、依頼者名義の連絡文案作成・発送支援
- 相続した財産:不動産(土地)、金融資産(3社)
- 居住地:関東地方
- 依頼者の立場:相続人(被相続人のご兄弟)
目次
│ 事例の概要
面識のない多数の相続人との連絡や未成年者が関わる複雑な相続に直面した状況で、柔軟な連絡代行により全員との連絡経路を確立するとともに、未成年者を含む手続きについて相続人の皆様に柔軟な選択肢をご案内し、ご判断を促した事例です。
課題
- 相続人が多数で各地に点在し、面識のない方もいるため、連絡方法に強い不安を抱えていました
- 手続き中に数次相続が発生し、未成年者が相続人になったことで、利益相反の問題により手続きの進め方の判断に窮していました
成果
- 面識のなかった相続人を含め、関係者全員との連絡経路を確立しました
- 未成年者が成人するまで待つという、納得できる明確な方針を決定できました
- 複雑な相続関係について専門家からの分かりやすい説明を受け、現状を正しく理解できました
│ 依頼の背景
すべての始まりは、ご依頼者様のご兄弟がお亡くなりになったことでした。故人には妻子や存命の直系尊属がいらっしゃらなかったため、相続権は故人の兄弟姉妹に移ります。しかし、ご存命のご兄弟はご依頼者様お一人。すでに他界されていた他のご兄弟の相続権は、そのお子様たち、つまりご依頼者様にとっては甥や姪にあたる方々へと引き継がれていました。相続人の数は多く、関東・関西など各地に散らばっており、中には全く面識のない方もいらっしゃったそうです。
ご自身で手続きを進めようとされていた矢先、事態はさらに複雑化します。手続きの途中で、相続人であった別のご兄弟とそのお子様までもが相次いでお亡くなりになるという「数次相続」が発生したのです。相続関係はさらに広がり、最終的には、面識もない被相続人の大姪にあたる未成年者までが相続人の一人となりました。
未成年者が遺産分割協議に参加するためには、家庭裁判所で「特別代理人」や「未成年後見人」を選任しなければなりません。しかし、親族を代理人・後見人に立てようにも、その方も今回の相続人であれば利益相反となってしまいます。利害関係のない第三者を探す必要があり、ご自身たちだけではどうすることもできない、という八方塞がりの状況に陥ってしまいました。このままでは手続きが止まってしまうという危機感から、専門家への相談を決意されたとうかがいました。
│ 解決までの道のり / グリーングループだからできたこと
ステップ1:面識のない相続人との連絡経路の確保
相続手続きを進める上で最初の壁となったのが、面識のない相続人の方々への連絡でした。突然、法律事務所から手紙が届けば、かえって警戒されてしまうのではないか。どのように話を切り出せばよいのか、ご依頼者様は大きな不安を抱えていらっしゃいました。
そこで私たちは、司法書士法人の名前で事務的に通知を送るのではなく、依頼者であるご依頼者様ご自身のお名前で、丁寧な事情を記したお手紙を送付する方法をご提案しました。相続人のお一人であるご依頼者様からのご連絡という形をとることで、相手方の警戒心を和らげ、相続手続きにご協力いただきたいという真摯な思いが伝わるよう配慮いたしました。
この方法によって、大きなトラブルもなく、関係する相続人全員と無事に連絡を取ることに成功しました。
ステップ2:未成年相続人が関わる手続きの壁と方針決定
全員との連絡経路は確保できたものの、数次相続で未成年の相続人が生じたことで、手続きは停滞してしまいました。未成年後見人の選任という聞き慣れない手続きの負担や難しさから、ご依頼者様は途方に暮れているご状況でした。
私たちは、この複雑な状況を打開するため、二つの具体的な選択肢を提示いたしました。一つは、家庭裁判所に申し立てを行い、時間と費用をかけて未成年後見人を選任する方法。もう一つは、その相続人の方が18歳の成人になるまでの少しの間、手続きを待つという方法です(その場合でも相続登記の期限である3年は超過しない計算でした)。それぞれのメリットとデメリット、手続きにかかる時間や費用、そしてご依頼者様や他の相続人の方々の健康面なども考慮に入れ、ご自身で納得して判断できるための情報を丁寧にご説明しました。
専門家からの客観的な情報提供により、相続人の皆様は冷静に状況を整理することができたと存じます。その結果、「未成年者が成人するまで待つ」という方針を皆様で選択されました。暗闇の中で進むべき道がはっきりと見えたことで、ご依頼者様の抱えていた大きな不安は解消され、落ち着きを取り戻されたようでした。
ステップ3:長期化する協議への継続的な伴走
私たちは、ただ方針決定のお手伝いをして終わりにするのではなく、その後も受任期間中、状況確認と今後必要となる手続きの案内を行いました。具体的には、適切なタイミングでお電話を差し上げるなど進捗の確認を行い、現在の状況をご報告いたしました。これにより、ご依頼者様が他のご親族に状況を説明される際に、「今、専門家とはこういう話を進めています」と、客観的な拠り所としてご活用いただくことができました。
専門家がすぐそばでサポートしているという安心感が、長期にわたる相続手続きにおけるご親族間の円滑なコミュニケーションを後押ししたことと信じています。いつ終わるか分からないという漠然とした不安から解放され、皆様が落ち着いてその時を待つことができる体制を整えました。
│ 得られた結果
- 面識のなかった方を含む、すべての相続人との連絡経路を確立しました。
- 未成年相続人が成人するまで待つという、皆様が納得できる明確な方針を決定できました。
- 数次相続が重なった複雑な相続関係について、専門家からの説明により正しく理解することができました。
│ 担当司法書士から
相続人が多数にわたるケースは珍しくありませんが、今回のように手続きの途中で数次相続が立て続けに発生し、未成年の相続人が関係してくるような事案では、法的な手続きも複雑を極めます。特に、利益相反の問題から親族が特別代理人・未成年後見人になれない状況は、ご家族だけでの解決を極めて困難にします。
私たちは、単に法律上の手続きを説明するだけでなく、未成年後見人を選任する現実的な負担と、成人まで待つという選択肢の双方の利点と欠点を具体的に示しました。長期化する中でも、定期的なご連絡を差し上げることで、ご親族間の話し合いの拠り所となるよう努めました。これは、複雑な案件を最後まで伴走し、お客様が納得してご自身の道を選べるようサポートするという、私たちの信念に基づいています。
複雑な状況に頭を抱えていらっしゃったご依頼者様が、私どもの説明をお聞きになり、「それなら、待ちます。道が見えました」と、安堵の表情を浮かべられた瞬間は、今でも鮮明に覚えています。専門家として、お客様の不安が安心に変わる瞬間に立ち会えることほど、嬉しいことはありません。
今回のように、予期せぬ出来事が重なり、相続手続きが複雑化することは誰にでも起こり得ます。もし同じように、どう進めて良いか分からずお困りの方がいらっしゃいましたら、どうか一人で抱え込まずにご相談ください。私たちは、複雑に絡み合った糸を一つひとつ丁寧に解きほぐし、皆様が安心して次のステップに進めるよう、誠心誠意サポートさせていただきます。
相続人が多く手続きが複雑な方は、グリーングループにご相談ください グリーン司法書士法人では、相続関係や不動産の状況を確認し、相続登記など必要となる手続きの選択肢をご案内しています。 本事例でお伝えしてきたとおり、相続人が多数で面識のない方がいる、あるいは予期せぬ事態で手続きが止まってしまったことで悩んでいる方は、グリーン司法書士法人でお力になれる可能性があります。 気になる方は、お気軽にご相談ください。 |











