- 利用したサービス:遺言書検認申立サポート、遺言執行者就任・手続き代行
- 相続した財産:預金(信託銀行含む4銀行)
- 居住地:中国地方
- 依頼者の立場:受遺者の息子(受遺者であるお父様に代わり依頼)
目次
│ 事例の概要
遠方にお住まいでご自身では動けないお父様に代わり、行方不明者を含む複雑な相続関係を調査・整理し、円滑な遺産承継を実現した事例です。
課題
- 依頼者様と受遺者様が遠方にお住まいで、関西での手続きが困難な状況でした
- 受遺者であるお父様が高齢かつご病気で、ご自身で手続きを進めるのが難しい状態でした
- 依頼者様ご自身も親族の相続関係を正確に把握できておらず、手続きの前提が不確かという不安を抱えていました
- 戸籍上、行方不明の相続人が存在し、どのように対応すべきか判断できないという問題に直面していました
成果
- 遺言執行者として、裁判所への申立てから金融機関での預金解約まで、すべての手続きをサポートしました
- 複雑な戸籍を正確に読み解き、依頼者様も知らなかった相続関係の全容を明らかにしました
- 遠方にお住まいのご依頼者様の物理的・心理的な負担を一切かけることなく、手続きを完了させました
- 多数の相続人への通知・説明を適切に行い、トラブルなく円滑な遺言執行を実現しました
│ 依頼の背景
すべての始まりは、生涯独身でいらっしゃった被相続人の方が残された、一通の自筆証書遺言でした。遺言書には、全財産をご兄弟である依頼者のお父様へ相続させる旨が記されており、その内容を実現するためには、まず家庭裁判所で「検認」という手続きを経る必要がありました。
しかし、手続きを進めようとした矢先、大きな壁が立ちはだかります。検認申立ては、被相続人がお住まいだった関西地方の管轄裁判所で行わなければなりません。一方で、財産を受け取るお父様と、その窓口となっていたご子息は中国地方にお住まいでした。加えて、お父様はご高齢でご病気もあり、ご自身で関西まで足を運び、複雑な手続きをこなすことは到底不可能な状況だったのです。
地理的な距離と身体的な制約。この二重の困難を前に、ご依頼者様はご自身でできる限りの準備を試みられました。お父様に代わり、相続関係説明図の作成に取り掛かったものの、そこで親世代の兄弟関係の記憶が曖昧で、人数すら正確に把握できていないという現実に直面します。お父様ご自身も存在を知らなかったご兄弟がいる可能性も浮上し、このままでは手続きが頓挫してしまうという焦りから、被相続人の居住地である関西の専門家を探し、当法人へご相談いただくに至りました。
│ 解決までの道のり / グリーングループだからできたこと
ステップ1:正確な相続関係の確定と課題の明確化
ご相談時、ご依頼者様はご自身で作成された相続関係の資料をお持ちでしたが、その内容が正しいか確信が持てず、手続きの全体像が見えないことに大きな不安を感じていらっしゃいました。
私たちはご依頼後、早速戸籍の収集に着手し、専門的な知識を基に難解な古い戸籍も正確に読み解いていきました。その結果、ご依頼者様が6人兄弟と認識されていたところ、実際には7人兄弟である事実や、お父様さえもご存じなかったご兄弟の存在を特定しました。
これは、単に戸籍を追うだけでなく、ご家族の歴史にまで踏み込んで丁寧に調査を進める当法人の姿勢が可能にした成果です。
ステップ2:行方不明の相続人への法的に適切な対応
戸籍調査を進める中で、ご兄弟のお一人の住所記載がなく、市役所で全国検索をしても該当者が見つからないという、予期せぬ事態が発生しました。
私たちは諦めず、市役所の担当部署に粘り強く詳細を確認しました。その結果、戦前生まれの方に時折見られるケースで、死亡届が出されないまま行方不明となり、戸籍上だけ存在している可能性が高いとの見解を得ることができました。
この行政機関との連携と過去の知見に基づき、「通知を送付することは履行不能」と法的に整理することで、手続きを停滞させることなく前進させました。
ステップ3:遺言執行者としての一括代行と関係者への丁寧な説明
遠方にお住まいで、ご高齢のお父様に代わり、関西の裁判所での手続きや、多数の相続人への連絡・説明をどう進めればよいのか、ご依頼前は途方に暮れているご様子でした。
そこで私たちは、遺言執行者に就任し、ご依頼者様に代わって全ての手続きの矢面に立ちました。家庭裁判所への遺言書検認申立てから、相続人全員(7箇所以上)への就任通知の送付、金融機関4行での預金解約手続きまで、一切を代行。特に、面識のない他の相続人の方から「何かしないといけないのか」といったお問い合わせのお電話をいただいた際にも、遺言執行者として法律上の役割と手続きの趣旨を一つひとつ丁寧にご説明し、皆様にご理解をいただくことができました。
煩雑で精神的にも負担の大きい一切の手続きから解放され、専門家にすべてを任せられるという安心感の中で、手続きの完了をお待ちいただける状態を整えました。
│ 得られた結果
- 遺言書の内容に沿って、4行の金融機関における預金解約手続きを一切の差し戻しなく完了させました。
- 遠方にお住まいのご依頼者様が一度も関西に来ることなく、全ての相続手続きが完了する体制を実現しました。
- 7箇所以上の相続関係者への通知・説明を円滑に行い、大きなトラブルなく遺言執行を終えることができました。
- ご自身たちだけでは対応不可能だった複雑な相続手続きを専門家がサポートしたことで、ご依頼者様の物理的・時間的・心理的な負担の軽減につながりました。
│ 担当司法書士から
相続人の中に住所が全く分からない方がいらっしゃるケースは、法的な手続きを進める上で非常に大きな障害となります。通常、相続人全員の協力が得られなければ遺産分割は進みません。今回のケースでは、遺言書があったものの、その執行にあたり、行方不明の方への対応は極めて慎重な判断が求められました。
私たちは、単に戸籍を追うだけでなく、市役所といった行政機関へも深く踏み込んで確認を行いました。その結果、戦前生まれの方特有の事情である可能性が高いという見解を得て、法的に問題のない形で手続きを進める道筋を立てることができました。これは、数多くの相続案件を手掛ける中で培われた、イレギュラーな事態への対応力と、関係各所との連携ノウハウがあってこそ可能になったものです。
すべての手続きがトラブルなく完了し、無事にお父様へ財産をお渡しできる目処が立ったことをご報告した際の、安堵された声をお聞きしたときは、私たちも心から嬉しく思いました。
もし今回、遺言書がなければ、失踪宣告の手続きなど、さらに時間と費用を要する非常に困難な道のりとなっていたはずです。この一件は、ご自身の想いを確実に実現し、残されたご家族の負担を減らすために、遺言書がいかに大切かを改めて教えてくれました。私たちはこれからも、一つひとつのご家族の状況に寄り添い、未来の安心を形にするお手伝いを続けてまいります。
遠方の複雑な相続手続きでお悩みの方は、ご相談ください。 グリーン司法書士法人は、複雑な相続関係を正確に調査し、将来のリスクまで見据えてご提案する司法書士事務所です。 本事例でお伝えしてきたとおり、遠方からの相続手続きや、複雑なご事情でご自身での対応が難しいと悩んでいる方は、グリーン司法書士法人でお力になれる可能性があります。 気になる方は、お気軽にご相談ください。 |











