申請書チェックの相談から、一人暮らしの母親が抱える将来の不動産売却リスクを回避した家族信託活用事例

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  • 利用したサービス:相続登記の申請書チェック、家族信託契約の組成
  • 相続した財産:被相続人の配偶者が一人で暮らすことになった不動産(自宅)
  • 居住地:関西地方
  • 依頼者の立場:相続人(被相続人の子)

│ 事例の概要

相続登記の申請書チェックというご相談をきっかけに、一人暮らしのお母様が抱える将来の財産管理リスクを家族信託で解消し、グループ内税理士法人との連携により税務メリットも確保した体制を構築した事例です。

課題

  1. 一人暮らしのお母様の判断能力に変化を感じ、将来の財産管理に漠然とした不安がありました
  2. 昨今の詐欺被害や日々の預金管理について、ご自身たちでどう対処すべきか分からない状況でした
  3. 将来、お母様が施設へ入居する際の資金を不動産売却で捻出したいと考えていたが、具体的な方法がない状況でした
  4. お母様名義の相続登記では、将来的に不動産が売却できなくなるという重大なリスクを認識していませんでした

成果

  1. 家族信託契約により、お母様の判断能力が低下しても、将来の不動産売却に対応しやすい体制を整えました
  2. 不動産だけでなく預金の管理もお子様が行えるようになり、詐欺被害のリスクや管理の負担に関する不安が解消されました
  3. 将来の不動産売却時に「マイホーム売却の特例」という税制上の優遇措置を受けられる仕組みを構築しました
  4. 当初想定されていなかった選択肢により、将来への安心感と高い満足を得ることができました

申請書チェックの相談から、一人暮らしの母親が抱える将来の不動産売却リスクを回避した家族信託活用事例


│ 依頼の背景

お父様が亡くなられ、関西某県のご実家でお母様が一人暮らしをされているという状況から、この度のご相談は始まります。お子様であるご相談者様は、同じ県内にお住まいで、時折お母様の様子を見に帰られていました。その中で、お母様の判断能力に年相応の変化を感じ、昨今の巧妙な詐欺被害や日々の預金管理について、漠然とした不安を抱えていらっしゃったそうです。

当初、ご依頼者様は「まずはお父様名義の不動産を、お母様の名義に変える相続登記からだ」とお考えでした。お子様のどちらかが相続すると不公平感が生まれるため、まずはお母様名義にするのが自然な流れだと判断し、ご自身で手続きを進めることにしていました。そして、作成した申請書に間違いがないか、専門家にチェックだけしてもらおうと、いわば「少し聞きたいだけ」という気軽なお気持ちで、私たちの事務所にご連絡をいただきました。

しかし、私たちとの対話を通じて、その「相続登記が終われば一安心」という当初のお考えが、実は大きなリスクをはらんでいることが明らかになりました。もし、お母様の判断能力が低下してしまった場合、たとえご家族であっても、お母様名義の不動産を売却することはできなくなります。将来、施設への入居費用が必要になった際に、ご実家を売却して資金に充てるという計画そのものが頓挫してしまう可能性があったのです。この、ご自身たちだけでは気づくことのできなかった潜在的なリスクを具体的にお伝えしたことで、「今、専門家の助けを借りて、きちんと対策をしなければならない」と、ご依頼者様の認識が大きく変わるきっかけになったと感じています。


│ 解決までの道のり / グリーングループだからできたこと

ステップ1: 「申請書チェック」に潜む、本当の課題を特定

ご相談の当初、ご依頼者様が求めていたのは、ご自身で作成された相続登記申請書のチェックのみでした。しかし、私たちは単に書類の不備を確認するだけで終わらせることはしませんでした。専門家として責任ある回答をするため、ご家族の状況や将来のお考えについて、丁寧にお話を伺うことを心がけました。

お話を伺う中で、「お母様が離れて一人で暮らしていること」「判断能力に変化を感じていること」「将来は施設への入居も考えていること」といった断片的な情報が繋がっていきました。そこから見えてきたのは、単なる相続登記という手続き上の問題ではなく、「お母様の判断能力が低下した場合、将来の不動産売却が困難になる」という、ご家族の将来設計そのものを揺るがしかねない重大なリスクでした。

このようにお客様自身がまだ明確に言葉にできていない課題を汲み取り、その本質を明らかにすることから、私たちのサポートは始まりました。

ステップ2: リスク回避とご家族の希望を両立する「家族信託」のご提案

「お母様の名義にしたら、家が売れなくなるかもしれない」。私たちはまず、なぜそのような事態が起こるのか、専門的な観点から丁寧にご説明しました。そして、そのリスクを回避するための具体的な方法として、ご依頼者様が全くご存知でなかった「家族信託」という制度をご提案しました。

家族信託とは、お母様がお元気なうちに、信頼できるご家族(この場合はお子様であるご依頼者様)に財産の管理・処分を託す契約です。これにより、万が一お母様の判断能力が低下した後でも、お子様の判断でご実家の売却や預金の管理が可能になります。私たちは、10年以上にわたり家族信託に取り組んできた豊富な経験と知識を基に、この制度がご家族のご状況に適した選択肢の一つであることを、分かりやすい言葉でご説明しました。

この提案は、ご家族の不安を軽減する選択肢として受け止めていただけたようでした。将来のリスクを回避できるだけでなく、お母様がご自宅に安心して住み続けられるという現在の希望も叶えることができる。この両立が可能な点に、深くご納得いただけたことが、次のステップへと進む大きな力になりました。

ステップ3: 税務メリットまで考慮した、包括的な信託設計と実行

家族信託の方向性にご納得いただいた後、私たちは具体的な信託契約の設計に着手しました。ここで活かされたのが、グループ内に税理士法人が在籍するという私たちの総合力です。財産管理の観点から有効な契約を作るだけでなく、将来、不動産を売却する際の税金面まで見据えた、最適な仕組みを構築しました。

具体的には、将来ご実家を売却する際に「マイホーム売却の特例」という税制上の優遇措置を受けられるように、グループ内税理士法人と連携し、信託契約の内容を細かく調整しました。この特例が適用できるかどうかで、納税額が数百万円単位で変わることも珍しくありません。財産管理と税務、両方の専門家が連携することで、手続きの安全性と将来の経済的メリットの両方を最大限に確保する仕組みを実現できました。

この包括的なサポート体制は、ご依頼者様から「そこまで考えてくれるんですね」とのお言葉をいただくことに繋がりました。単なる手続き代行ではなく、ご家族の未来をトータルでサポートする。その姿勢が、ご依頼者様のご満足に繋がったのだと確信しています。


│ 得られた結果

  • 家族信託契約の締結により、お母様の判断能力に変化が生じても、お子様が不動産管理や売却手続きを確実に行える法的な体制が整いました。
  • 不動産だけでなく預金の管理もお子様が行えるようになり、日々の管理負担や詐欺被害への不安が解消されました。
  • グループ内の税理士との連携により、将来の不動産売却時に「マイホーム売却の特例」を活用できる道筋を確保しました。

│ 担当司法書士から

今回のご依頼者様からのご相談は、「申請書のチェック」という限定的なご相談から始まりました。しかし、丁寧なヒアリングを通じて、「施設入居費用の捻出」や「一人暮らしのお母様の預金管理」といった、ご家族が本当に抱えていらっしゃる本質的なお悩みを共有いただけたことが、ご家族に適したご提案に繋がったと考えています。

もし当初のご希望通り、単純にお母様への名義変更で手続きを終えていれば、将来、不動産が事実上凍結されてしまうリスクや、売却時に多額の税金が発生する可能性を残したままになっていました。家族信託という方法は、近年広く知られるようになりましたが、その設計には高度な専門知識が求められます。

特に、将来の売却まで見据え、税務上の特例が適用できるような形で信託を設計できたのは、グループ内に税理士が在籍し、相続手続きと相続税の両面から検討できる当法人ならではの強みだと自負しております。長年にわたり蓄積してきた家族信託の実績と知見があったからこそ、ご依頼者様の漠然とした不安に対し、安心していただける体制づくりをお手伝いできたのではないかと思います。

家族信託で同じような課題を抱えている方は、グリーングループにご相談ください

グリーン司法書士法人を含むグリーングループは、相続案件の豊富な実績と、税理士など各専門家との連携による総合力を活かしたサポートを提供しています。

本事例でお伝えしてきたとおり、一人暮らしの親御様の将来の財産管理や不動産のことで悩んでいる方は、グリーングループでお力になれる可能性があります。

気になる方は、お気軽にご相談ください。

 

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