空き家の相続登記を依頼する会社・事務所の選び方|数百万円の損失を避けるチェック項目

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司法書士山田 愼一

 監修者:山田 愼一

この記事を読む およそ時間: 6

親が亡くなり、実家が空き家になった。

「とりあえず相続登記だけ済ませようかな」と考える方は多いと思います。

しかし、グリーン司法書士法人には、そうして“登記だけ”を先に進めた結果、あとから困ってしまったというご相談が数多く寄せられています。

累計55,193件※の相続ご相談実績、過去3年間で2,857件※の相続登記実績を通じて、私たちはその現実を何度も見てきました。
※実績はいずれも2025年10月末時点の数値です。

空き家の相続登記で本当に重要なのは、登記そのものではありません。
登記は“スタート”に過ぎず、その後に必ず出てくるのが、「この空き家を最終的にどうするか」という問題です。

実は、同じ相談先でも、大きな差があることをご存知ですか。

言われた通りに作業的に相続登記を進めるだけの事務所もあれば、売却・活用・管理まで見据え、最終的な着地(出口)まで設計してくれる事務所もあるのです。

もし前者に依頼してしまうと、登記のあとに次のような問題が起こりがちです。

  • 共有名義にしてしまい、売却時に全員の同意が必要になって身動きが取れなくなる
  • 放置したことで近隣トラブルにつながり、思わぬ賠償責任が発生する
  • (税理士と連携していれば逃さなかったはずの)空き家特例などの期限を逃し、本来なら減らせた税金で数百万円単位の損をする

こうした失敗は、登記が終わったあとに起きます。

だからこそ、最初の相談先選びが結果を左右するのです。

そこで本記事では、空き家を「負担」にしないために、登記のその先まで伴走できる司法書士事務所の見分け方を、具体例を交えて分かりやすく解説します。

最後までお読みいただければ、相続放棄や共有名義の判断で失敗しない考え方、節税の可能性、そして売却・処分まで見据えた“出口戦略”の立て方が整理できるはずです。

また、私たちグリーンは、累計55193件※の相続ご相談実績、過去3年間での相続登記実績2,857件※という業界トップクラスの実績を重ねてまいりました。

※実績はいずれも2025年10月末時点の数値です。

多くの空き家の相続登記を経験してきたからこそお伝えしたいのが、空き家の登記の際には思いもよらぬ失敗が起こるということです。

  • 空き家特例が使えなくなるなど、税金面で数百万円〜数千万円単位の損をした
  • 共有名義で登記してしまったことで、将来のトラブルに繋がってしまった

よくあるトラブルとグリーンなら安心して空き家の相続をお任せいただける理由について、詳細をまとめたページをご覧ください。
空き家の相続登記・売却におけるグリーンの具体的な強みはこちら


1.空き家の相続登記は登記で終わらず「空き家を最終的にどうするか」まで助言できる事務所を選ぼう

空き家の相続登記で大事なのは、たった一つに尽きます。

冒頭でもお伝えしたとおり、言われたことを作業的にこなすだけの事務所ではなく、「その空き家を最終的にどうするか」まで踏み込んで助言できる事務所を選ぶことです。

なぜなら、登記はゴールではなく、スタートにしか過ぎないからです。

司法書士にとって相続登記の手続き自体は難易度の高いものではなく、どの事務所でも対応可能です。しかし、登記だけを済ませても「放置された空き家をどうするか」という根本的な問題は解決しません。

だからこそ、登記の先まで見据えて、具体的な出口(売るのか、貸すのか、活用するのか、管理の体制をどうするのか)を一緒に設計できる事務所かどうかが重要になります。

1-1.登記だけを済ませても「放置された空き家をどうするか」という根本的な問題は解決しない

相続登記を終えても、「放置された空き家をどうするか」という根本の課題は残ります。

むしろ名義が整理されたことで、管理責任や意思決定の負担が現実のものとして始まります。結果として、次のようなトラブルが起こりがちです。

事例(1)「安易な共有登記」で身動きが取れなくなる

たとえば、安易に「兄弟3人で3分の1ずつ」といった共有名義にしてしまうと、売却の際に全員の同意が必要になります。関係がこじれれば、売りたくても売れないという状況に陥りかねません。

【解決力のある事務所なら…】

代表者1人に名義を集約して売却し、売却代金を分ける「換価分割」という手法を、贈与税などの税務リスクを回避する文言設計とセットで提案してくれます。

事例(2) 山林や田んぼへの対処の押し付け合いが起こる

境界が不明な山林や、農業委員会の許可が必要な田んぼなど、扱いにくい不動産も存在します。こうした物件は、国が簡単に引き取ってくれるわけでもなく、放置すれば倒木や崩落などで賠償リスクにつながることもあります。

【解決力のある事務所なら…】

単に「相続放棄すればいい」と片付けるのではなく、放置による賠償リスクを説明した上で、専門の引き取りスキームなどを検討できるかが事務所の腕の見せ所です。

ただし、空き家問題の解決は、司法書士の本来の職務である「登記」の範囲を超える領域です。

だからこそ、登記の先にある売却・活用・管理まで踏み込んで助言してくれる事務所は、正直多くありません。言い換えると、同じ「相続登記ができます」でも、提案の深さには大きな差が出ます。

だからこそ、最初から“見分ける基準”を持って、あなたの空き家に責任をもって伴走してくれる事務所かどうかを見極める必要があります。

注意!先に不動産業者に相談するのはできる限り避けて

司法書士選びそのものとは少し話がずれますが、最初に不動産会社へ相談するのはできるだけ避けてください。

というのも、先に売却相手が決まってしまうと、売主としての責任が発生し、後から「本来どう進めるのが最適か」をゼロベースで検討しづらくなるからです。

また、不動産会社から紹介された専門家は、悪意があるという話ではありませんが、どうしても紹介元との関係性を意識せざるを得ない場面が出てきます。結果として、依頼者側が期待するほど“中立な助言”が得られない可能性があります。

同様に、ネット上の不動産無料査定に安易に飛びつくのもおすすめしません。査定を入口に話が進むと、売却ありきの流れになりやすいからです。

きちんとした事務所であれば、必要に応じて信頼できる不動産会社と連携して査定を取ることもできます。

1-2.空き家に強い司法書士なら節税やリスクも加味して「最適なパターン」を何通りも考えて示唆をくれる

先ほどお伝えしたトラブルは、まだ氷山の一角です。実際には「提案力があるかどうか」で、司法書士が最初に考えること自体が大きく変わってきます。

ここで、一例として、空き家に強い司法書士と弱い司法書士の思考回路の差を見てみましょう。

【空き家に強い司法書士の思考回路の例】

空き家に強い司法書士の思考回路の例 

【空き家に弱い司法書士の思考回路の例】

An example of the thought process of a judicial scrivener who has a weakness for vacant houses.

このように、空き家に強い司法書士は「登記をするだけ」ではなく、起こりうる選択肢を一つずつ洗い出し、最適な着地を提案できます。

だからこそ、司法書士の実力次第で、提案の中身は別物になります。

相続登記を作業で終わらせず、空き家問題を本当に解決したいなら、「空き家を最終的にどうするか」まで助言できる司法書士に依頼しましょう。


2.空き家に強い司法書士事務所を選ぶ4つの判断基準

空き家の相続登記を相談するなら、私たちが大切にしている“事務所選びの基準”をぜひ満たした事務所をお選びください。

  1. 安易に「相続放棄」を勧めてこない
  2. 税務上の落とし穴を回避しながら相続登記を行える
  3. 「空き家特例」「マイホーム特例」などの節税メリットを自ら示唆してくれる
  4. 不動産会社や税理士との強固な連携がある

この4つは、すべて重要です。

なぜならこれらは、「ただ登記手続きをこなすだけの事務所」と、「税金や将来の親族トラブルまで見越して、依頼者が最も得をする(損をしない)出口戦略を提案できる事務所」を見分けるための基準だからです。

私たちが目指しているのは、“登記が終われば完了”ではなく、依頼者の方が最終的に安心して前に進める状態をつくることです。

「それは司法書士の仕事ではない」と線を引くのではなく、必要な専門家と連携しながら、最後まで責任をもって伴走する。
空き家の相続登記こそ、そういう事務所を選んでください。


3.空き家に強い司法書士事務所の特徴(1)安易に「相続放棄」を勧めてこない

空き家の相続登記を検討する際、物件の価値が低いからといって安易に「相続放棄」を勧めてくる事務所は避けてください。

というのも、相続放棄は事務所側から見ると、手続きが比較的シンプルで、職務上のリスクを負わずに案件を処理できるという側面があるからです。

しかし、依頼者の視点では、相続放棄は最終手段だと考えてください。放棄したからといってすぐに責任がなくなるわけではないからです。

相続放棄をしたとしても、次の管理者が決まるまで管理責任が残るケースがあります。完全に逃げ切るには、相続財産清算人の選任など、100万円単位の費用にくわえて2〜3年といった時間がかかる手続きが必要になることもあるのです。

とはいえ、管理が面倒だからと放置してはなりません。空き家は、境界が不明だったり、建物が老朽化しているために、放置すると事故や近隣トラブルに直結するからです。

例えば、管理不全により空き家の庭木が倒れて隣家の屋根を壊してしまった場合、その損害賠償責任は管理者※が負うことになります。 

※相続放棄をした人が鍵を預かっており、次順位の相続人に引き渡していない、相続財産清算人の選任申し立てなどもしていない、など実質的な管理責任者である場合は、占有者としての責任(民法717条)を負う可能性があります。

しかし、実際に「相続放棄しか手段がない」というケースはごく稀です。私たちグリーンでも、相続放棄に至るのは年間で5件を下回る程度にとどまっています。

買い手がつきにくい空き家であっても、専門的な知見があり、不動産会社と連携できる体制があれば、特殊な引き取りスキームなどを含めて、売却や処分の道筋を検討できる可能性があるからです。

したがって、単に「手続きが簡単だから」という事務所側の都合で安易に相続放棄を提案せず、売却の可能性や放置による賠償リスクを粘り強く検討し、誠実に解決策を提示してくれるかが重要になります。

空き家に強い司法書士の見分け方

ひとつは、6.空き家に強い司法書士事務所の特徴(4)不動産会社や税理士との強固なアライアンス(連携)があるかどうかをチェックしましょう。

そして、もう一つの見分け方が「ホームページの情報の質」です。

境界トラブル、自治体との交渉、特殊な引き取りスキームなど、実務経験に裏打ちされた具体的な知見を発信しているかを確認してください。

中身のある情報を出している事務所ほど、机上の手続きではなく、現場で起きる問題を前提に提案ができます。


4.空き家に強い司法書士事務所の特徴(2)税務上の落とし穴を回避しながら相続登記を行える

次に、税理士と連携しているなど、税務上の落とし穴を回避しながら相続登記を進められる事務所を選びましょう。

なぜなら、相続登記は「とりあえず名義を移す」だけで進めると、あとから身動きが取れなくなったり、税理士と連携した提案ができていないために、余計な税負担が発生したりするからです。

典型例が「共有名義」の罠です。

知識の浅い事務所だと、「兄弟で仲良く3分の1ずつ登記しましょう」と提案しがちですが、共有にすると将来売却する際に全員の合意と手続きが必要になります。そうなると、関係が悪化した瞬間に売れなくなり、空き家だけが残ってしまうのです。

では、共有を避ければよいかというと、それも単純ではありません。たとえば、代表者1人の名義にして売却し、あとで売却代金を兄弟に分ける方法(換価分割)は合理的に見えます。

しかし、税理士と連携した提案を受けずに、やり方を誤ると。税務署から「実質的な贈与」と判断され、贈与税が課されるリスクがあります。

空き家に強く、税理士と連携した事務所であれば、遺産分割協議書に「換価分割のために代表者が登記する」旨の専門的文言を盛り込むことで、この贈与税リスクを回避し、依頼者の手元に残る現金を最大化させられます。

このように、税務上の落とし穴を回避しながら、依頼者が最も利益(あるいは最小の損失)を得られる道筋を提示できるかが、事務所選びの決定的なポイントとなるでしょう。

空き家に強い司法書士の見分け方

まずは、税理士と連携した事務所であるかどうかを確認しましょう。そのうえで、以下のような質問を、相談先にしてみてください。

  • 代表者1人の名義にして売却した場合、起こり得るトラブルは何ですか?
  • 代表者1人の名義にして売却した場合、贈与税がかかる可能性はありませんか?

この点について質問したときに、回答が曖昧だったり「とりあえず共有名義でも大きな問題は聞いたことがないです」といったように結論を急ぐようなら、その事務所への依頼は見送ったほうが安全です。

 


5.空き家に強い司法書士事務所の特徴(3)「空き家特例」「マイホーム特例」などの節税メリットを自ら示唆してくれる

信頼でき、税理士と連携した提案を行う事務所は、司法書士の本来の職務である「登記」だけで終わらず、「空き家特例」や「マイホーム特例」といった節税の選択肢まで、自ら示唆してくれます。

これらの特例を知っているかどうかで、手元に残る金額が数百万円、生前の節税対策や配偶者控除などをトータルすれば、時に数千万円単位で変わります。

特に先祖代々の土地などで当時の購入価格が不明な場合、売却額の約95%が「儲け(譲渡所得)」とみなされ、税負担が重くなりやすいです。3,000万円までの特別控除が受けられる特例を適用できるかどうかは、依頼者にとって極めて重要な死活問題となるでしょう。

例えば、本当に親身な事務所であれば、以下のような高度な判断を伴う示唆を行ってくれます。

※このような示唆は、税理士と連携した提案である場合がほとんどです。

  • 「生前売却」か「相続後売却」かの比較: 親が存命のうちに「マイホーム特例」を使って売るか、相続後に「空き家特例」を使うか、どちらが有利かをシミュレーションします。
  •  「家族信託」との兼ね合い: 家族信託を組むと、財産が「信託財産」に変わるため、相続後の「空き家特例」が使えなくなるという落とし穴があります。このリスクを説明した上で、「節税のために施設入所後、すぐに売却しましょう」といった、耳の痛い、しかし誠実な提案ができるかがポイントです。
  •  期限(3年以内)の遵守: 「空き家特例」には相続から3年以内という厳しい期限があります。法要などを優先して期限を逃さないよう、逆算したスピード感のあるスケジュールを提示してくれます。

したがって、単に「言われた通りに登記を入れるだけ」の事務所ではなく、税金の分岐点(チャート)を理解し、依頼者が最終的に損をしないためのベストなタイミングと手法を自ら示唆してくれる事務所を選ぶべきです。

空き家に強い司法書士の見分け方

ここでは、耳の痛い助言をきちんとしてくれる事務所を選びましょう。

安易に相続放棄を勧めたり、「法要が落ち着いてからで大丈夫です」と放置を許したりせず、状況によっては「不謹慎に聞こえるかもしれませんが、税制の期限があるので今すぐ売却も検討すべきです」と、はっきり言えるかどうか。そこにこそ、その事務所の誠実さが出ます。


6.空き家に強い司法書士事務所の特徴(4)不動産会社や税理士との強固なアライアンス(連携)がある

最後に、空き家問題を本気で解決するためには、司法書士だけで完結する事務所ではなく、不動産会社や税理士とワンストップで動ける連携体制を持つ事務所を選びましょう。

なぜなら、司法書士の本来の職務は「登記」であり、「売却先を探すこと」や「複雑な税務判断」は専門外だからです。

登記だけを済ませても、最終的にどう手放すか(出口)が決まっていなければ、依頼者は管理責任というリスクを抱え続けることになります。本当に解決力のある事務所は、グループ内や提携先に専門家を抱え、登記の「その先」まで責任を持つのです。

具体的には、買い手がつきにくい資産価値の低い物件(いわゆる負動産)の場合でも、提携する不動産会社を通じて特殊な引き取りスキームを提案したり、条件によってはグループ会社が自ら買い取ったりして、放置のリスクを解消できます。 

また、税務面でも「5.空き家に強い司法書士事務所の特徴(3)「空き家特例」などの節税メリットを自ら示唆してくれる」で紹介した「空き家特例」や「マイホーム特例」などの譲渡所得税がかからないように緻密なロジックで売却を設計してくれます。

したがって、事務所を選ぶ際は自社グループや提携先に不動産会社・税理士を抱え、「買い手がつかない場合の特殊な引き取りスキーム」まで提示できるような、ワンストップの体制がある事務所かどうか確認しましょう。

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7.まとめ

空き家の相続登記は、単なる名義変更という「事務作業」ではありません。

登記はゴールではなくスタートであり、本当の勝負はその先の「空き家を最終的にどうするか」で決まります。

だからこそ、次の4点を満たす事務所を選んでください。

  1. 安易に「相続放棄」を勧めてこない
  2. 税務上の落とし穴を回避しながら相続登記を行える
  3. 「空き家特例」「マイホーム特例」などの節税メリットを自ら示唆してくれる
  4. 不動産会社や税理士との強固な連携がある

「言われた通りに登記を入れるだけの事務所」ではなく、税金・親族トラブル・売却難・管理責任まで含めて、最も損をしない出口戦略を提示できる事務所を選びましょう。

最後に、私たちグリーン司法書士法人について少しだけお伝えします。

私たちは、相続登記をはじめとした各種手続きの専門家ですが、何より大切にしているのは「登記をすること」ではありません。

私たちが目指しているのは、依頼者の方が空き家問題をきちんと解決し、安心して前に進める状態をつくることです。

そのために、この記事でお伝えしたポイントを、私たちは高い水準で満たし、登記の“その先”まで責任をもって伴走できる体制を整えていると自負しています。

私たちの空き家相続に対する考え方や、具体的にどのように問題解決へ導くのかについては、以下のページで詳しくご紹介しています。よろしければご覧ください。

空き家の相続登記・売却におけるグリーンの具体的な強みはこちら

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