火葬した家族や親族の遺骨をお墓に納骨する際には「埋葬許可証」が必要です。
なお、多くの自治体では埋葬許可証を単体で発行するのではなく、火葬許可証に火葬場の証明印を捺してもらったものを埋葬許可証とすることが多いです。
埋葬許可証は遺骨を納骨する際に提出しなければならないので、大切に保管しておきましょう。
納骨時だけではなく、お墓を購入するときや散骨などお墓に納めずに供養する場合も埋葬許可証が必要な場合があります。
本記事では、埋葬許可証とは何か、どこでもらうのかを解説します。
また、家族や親族が亡くなったときには火葬許可証や埋葬許可証の発行、提出だけでなく、様々な手続きが必要です。
家族が亡くなったときの手続きについては、下記の記事で詳しく解説しているので、ご参考にしてください。
目次
1章 埋葬許可証とは?どこでもらう?
埋葬許可証とは、故人の遺骨をお墓に納める際に提出する書類です。
なお、埋葬許可証という名称で発行されるのではなく、自治体に発行してもらった「火葬許可証」に火葬場の証明印が捺されたものを埋葬許可証として扱うケースが多いです。
埋葬許可証は納骨時を始めとする下記のタイミングで提出や確認が必要になります。
- 納骨時
- お墓を購入する時
- 散骨などお墓に納めず遺骨を供養する時
上記のように、海洋散骨のようにお墓に納めない場合でも埋葬許可証の確認や提出を求められる場合があるので、火葬後は証明印を捺してもらった「火葬許可証」を大切に保管しておきましょう。
2章 埋葬許可証を発行・提出する流れ
埋葬許可証は単体で発行されるのではなく、火葬許可書に火葬場の証明印を捺してもらったものを埋葬許可証とする自治体が多いです。
家族や親族が亡くなったときには、下記の流れで埋葬許可証を発行、提出しましょう。
- 死亡診断書と火葬・埋葬許可申請書を提出する
- 火葬後に火葬場の証明印を受け取る
- 納骨時に埋葬許可証を提出する
それぞれ詳しく解説していきます。
STEP① 死亡診断書と火葬・埋葬許可申請書を提出する
埋葬許可証を発行するためには、自治体に死亡届を提出しましょう。
家族や親族が亡くなったときには「死亡の事実を知った日から7日以内」に、故人の死亡地を管轄する市区町村役場などに死亡届を提出する必要があります。
死亡届を提出する流れは、下記の通りです。
- 医師から死亡診断書の交付をうける
- 死亡届を市区町村役場へ提出
死亡診断書は故人が亡くなった状況によって、下記のように作成する人や方法が変わってきます。
亡くなった状況 | 作成する人物・方法 |
病院で死亡した | 入院先の病院の主治医が作成する |
自宅で死亡した | かかりつけ医などが作成する |
不慮の事故などで亡くなった | 警察を通じて医師が死体検案書を交付する |
死亡届を提出するとともに、「火葬・埋葬許可申請書」を提出し、火葬許可証を受け取りましょう。
火葬・埋葬許可申請書は役所に用意されているので、死亡届の提出時に必要事項を記入して一緒に提出してしまうことをおすすめします。
死亡届の提出方法は、下記の通りです。
提出する人 | 亡くなった人の配偶者や親族、同居人 (提出自体は上記以外の人でも可能) |
提出期限 | 死亡を知ってから7日以内 |
提出先 |
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必要書類 |
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STEP② 火葬後に火葬場の証明印を受け取る
火葬許可証を提出し故人の遺体を火葬した後は、火葬場の証明員が捺された火葬証明証を受け取りましょう。
火葬場の証明印が捺された火葬許可証が「埋葬許可証」となります。
そのため、火葬場から火葬許可証が返却されたときには証明印が捺されているか必ず確認しておきましょう。
埋葬許可証は紛失を防ぐために、遺骨が入った骨壺と一緒に桐の箱に入れて返却されることが多いです。
STEP③ 納骨時に埋葬許可証を提出する
火葬場の証明印が捺された埋葬許可証は、故人の遺骨を納骨する際に墓地や霊園の管理者に提出します。
まだお墓を購入していない場合や納骨せず手元供養しない場合も、将来的に納骨する可能性があるため、埋葬許可証は大切に保管しておきましょう。
3章 埋葬許可証の発行・提出時の注意点
埋葬許可証は納骨時に墓地や霊園の管理者に提出する必要があるため、分骨する際には複数枚の埋葬許可証を用意しましょう。
他にも、埋葬許可証を発行、提出する際には下記の3点に注意が必要です。
- 分骨時には複数枚の埋葬許可証が必要になる
- 海洋散骨の場合も埋葬許可証が必要な場合がある
- 埋葬許可証を紛失したときには再発行してもらう
それぞれ詳しく解説していきます。
3-1 分骨時には複数枚の埋葬許可証が必要になる
埋葬許可証は納骨時に墓地や霊園の管理者に提出が必要なため、複数の土地に分骨する際には納骨場所の数だけ埋葬許可証が必要です。
火葬の段階で分骨することや分骨先が決まっているのであれば、担当者や火葬場に依頼しておけば必要枚数分の埋葬許可証を発行してもらえることが多いです。
なお、複数枚の埋葬許可証を発行する際には「分骨証明書」などの名称で発行される場合もあります。
また、遺骨の一部のみを納骨する場合でも「埋葬許可証」の提出が必要なのでご注意ください。
3-2 海洋散骨の場合も埋葬許可証が必要な場合がある
埋葬許可証は遺骨を墓地に埋葬する際に必要な書類であり、法律上は海洋散骨で供養する場合は埋葬許可証の提出が必要ありません。
しかし散骨を行う業者によっては、事件性がないことの証明として埋葬許可証の確認や提出を求める場合もあります。
「海洋散骨するから埋葬許可証は必要ない」と考えるのではなく、供養が完了するまで埋葬許可証は大切に保管しておきましょう。
また、遺骨のほとんどを海洋散骨して一部のみを手元に残しておく場合も、将来的に納骨する可能性があるため埋葬許可証を手元に残しておくと安心です。
3-3 埋葬許可証を紛失したときには再発行してもらう
埋葬許可証を紛失してしまった場合は、市区町村役場にて埋葬許可証を再発行してもらえます。
市区町村役場にて火葬・埋葬許可申請書が保管されていれば、役所に依頼するのみで埋葬許可証を再発行可能です。
再発行時には、下記の点にご注意ください。
- 役所によって火葬・埋葬許可申請書の保管期間が異なる
- 保管期間が過ぎている場合は火葬場の「火葬証明書」の提出が必要
- 自治体ごとに埋葬許可証を再発行できる人物が決まっている
- 再発行には300~400円がかかる
市区町村役場にて火葬・埋葬許可申請書が保管されていない場合は、火葬場に発行してもらった火葬証明書を提出すれば埋葬許可証を再発行してもらえます。
また、埋葬許可証の再発行は誰でもできるわけではなく「死亡届を提出した人」「故人の直系親族のみ」などと決められている場合もあります。
万が一、埋葬許可証を紛失していまい再発行が必要なときには死亡届を提出した自治体に再発行手続きについて確認してみましょう。
まとめ
故人の遺骨をお墓に納骨する際には、墓地や霊園の管理者に「埋葬許可証」を提出する必要があります。
埋葬許可証は専用のものが発行されるのではなく、火葬許可証に火葬場の証明印が捺されたものを使用します。
埋葬許可証は骨壺と一緒に桐の箱に入れられて返却されるので、大切に保管しておきましょう。
万が一、埋葬許可証を紛失したときには自治体にて再発行も可能です。
ただし手数料がかかりますし、発行時期によっては火葬場に「火葬証明書」を発行してもらう必要があります。
家族や親族が亡くなると埋葬許可証の発行だけでなく、様々な手続きが必要です。
特に、相続手続きには相続税申告など期限が設定されているものもあり、スムーズに進めるには専門的な知識が必要になります。
何から手続きを進めれば良いかわからないとお悩みの人やミスなく手続きを完了したい人は、専門家への相談もご検討ください。
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よくあるご質問
埋葬許可証はどこでもらう?
埋葬許可証とは、故人の遺骨をお墓に納める際に提出する書類です。
自治体に発行してもらった火葬許可証に火葬場の証明印が捺されたものが埋葬許可証となります。埋葬許可証は誰に渡す?
火葬場の証明印が捺された埋葬許可証は、故人の遺骨を納骨する際に墓地や霊園の管理者に提出します。
埋葬許可証はどうやってもらう?
死亡届を提出するとともに、「火葬・埋葬許可申請書」を提出し、火葬許可証を受け取りましょう。
火葬・埋葬許可申請書は役所に用意されているので、死亡届の提出時に必要事項を記入して一緒に提出してしまうことをおすすめします。