養育費の一括払いには贈与税がかかる?非課税にする方法とは

養育費の一括払いには贈与税がかかる?非課税にする方法とは
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司法書士山田 愼一

 監修者:山田 愼一

この記事を読む およそ時間: 3

離婚後に子供の生活費や教育費として支払う養育費は月額払いが原則です。
しかし、夫婦が合意すれば養育費を一括で払うことも認められています。

ただし養育費を一括払いすると、贈与税がかかってしまう場合があるので注意しなければなりません。
一括払いされた養育費に贈与税がかからないようにするには、養育費を信託銀行で管理するなどの対策が必要です。

本記事では、養育費を一括払いすると贈与税がかかるのか、かからないようにする方法を解説します。


1章 養育費には原則として贈与税がかからない

養育費は子供に対する扶養義務の一環として考えられています。
そのため、原則として養育費を受け取っても贈与税が課税されることはありません。

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2章 養育費の一括払いには贈与税がかかる可能性がある

原則として養育費に贈与税はかかりませんが、110万円を超える養育費を一括払いすると贈与税が課税される恐れがあります。
一括払いされた養育費は、子供の生活費や教育費として「通常必要である範囲」を超えて支払われていると判断されるからです。

贈与税には基礎控除110万円が用意されており、基礎控除を超えた分に関しては贈与税の申告や納税が必要です。
なお、贈与税は「贈与をした側」ではなく、「贈与を受け取った側」にかかります。

そのため養育費の一括払いにより贈与税が課税された場合は、養育費を払った父親もしくは母親ではなく、子供に対して税金がかかります。
贈与税の計算方法については、下記記事で詳しく解説しているのでご参考にしてください。

贈与税はいくらからかかる?贈与税が0円になる4つの節税方法

3章 養育費の支払いにおける贈与税の取扱い

一括払いではなく月額払いにより支払われている養育費や大学進学などまとまったお金が必要になるタイミングで支払われた養育費には贈与税がかかりません。
養育費の贈与税の取り扱いは、下記の通りです。

  1. 原則として養育費に贈与税はかからない
  2. 養育費を貯金していると贈与税がかかる場合がある
  3. 養育費で株式や不動産を購入すると贈与税がかかる場合がある

それぞれ詳しく見ていきましょう。

3-1 原則として養育費に贈与税はかからない

子供の生活費や教育費として支払われる養育費に関しては、贈与税は課税されません。
離婚して別居になった親子であっても、親子にはそれぞれ扶養義務があり、生活費や教育費の贈与には税金がかからないからです。

3-2 養育費を貯金していると贈与税がかかる場合がある

生活費や教育費として支払われた養育費には贈与税がかかりませんが、受け取った養育費を貯金してしまうと贈与税がかかる恐れがあるのでご注意ください。
養育費にかかる贈与税が非課税になるのは、生活費や教育費として支払われたもののみだからです。

養育費をそのまま貯金した場合は子供に必要な生活費や教育費を支払っているといえないため、課税対象となります。
「子供の将来のために」と思って受け取った養育費を使わずに貯金してしまうと、贈与税がかかってしまう恐れがあるのでご注意ください。

3-3 養育費で株式や不動産を購入すると贈与税がかかる場合がある

受け取った養育費を子供の生活費や教育費に使用するのではなく、株式や不動産の購入に充てた場合は養育費に対して贈与税がかかる恐れがあります。
株式や不動産の購入は子供の生活や教育などのように「通常必要と認められるもの」に該当しないからです。


4章 一括払いの養育費に贈与税がかからないようにする方法

養育費は月額払いが原則ですが、元配偶者が養育費を途中で払わなくなりそうなどの理由があれば一括払いも認められます。
ただし、一括払いにした養育費の贈与税を非課税にするには下記の方法で信託契約を結び、一度に子供が養育費を受け取れないようにする必要があります。

  • 支払年数分の養育費を子供名義の普通預金に支払い、子供が委託者兼受益者となる金銭信託契約を信託銀行と結び運用する
  • 支払い義務者が委託者兼信託契約解除同意者、受益者を子供とする信託契約を信託銀行と結び、信託銀行に運用を任せる

上記のように、養育費をまとめて子供に渡すのではなく子供を受益者とする信託契約を結べば、贈与税をかけずに一括払いの養育費を非課税にできます。
信託契約は複雑なので、信託銀行や専門家に相談しながら契約や手続きを進めることをおすすめします。


まとめ

養育費は離婚して別居状態になる子供の生活費や教育費として支払うお金であり、月額払いが原則です。
養育費を一括払いすると「通常必要な範囲」を超えると税務署に判断され、贈与税が課税される恐れがあります。

一括払いした贈与税を非課税にするには、子供を受益者とする信託契約を結び子供が一度に養育費を受け取れないようにしておく必要があります。
信託契約の締結には専門的な知識が必要になるため、信託銀行や専門家のアドバイスを受けるのが良いでしょう。

離婚して別居するとしても、親子の関係は続きます。
子供のために養育費を払いたい、財産を遺してあげたいと考える場合は自己判断で行わず、贈与税や相続税のシミュレーションや起きうるトラブルの可能性を考慮しながら行うのが良いでしょう。

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よくあるご質問

一括払いの養育費に贈与税がかからないようにする方法はある?

一括払いにした養育費の贈与税を非課税にするには下記の方法で信託契約を結び、一度に子供が養育費を受け取れないようにする必要があります。
・支払年数分の養育費を子供名義の普通預金に支払い、子供が委託者兼受益者となる金銭信託契約を信託銀行と結び運用する
・支払い義務者が委託者兼信託契約解除同意者、受益者を子供とする信託契約を信託銀行と結び、信託銀行に運用を任せる

養育費を一括で受け取ると税金がかかる?

原則として養育費に贈与税はかかりませんが、110万円を超える養育費を一括払いすると贈与税が課税される恐れがあります。
一括払いされた養育費は、子供の生活費や教育費として「通常必要である範囲」を超えて支払われていると判断されるからです。

養育費を支払う側に税金はかかる?

原則として養育費の支払いや受け取りには税金はかかりません。
ただし、養育費を一括払いで受け取り金額が110万円を超えた場合は、受け取った側に贈与税がかかる場合があります。

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