
「相続手続きを進めるなかで、登録免許税の算出には固定資産税評価額が必要だと知った。固定資産税評価額は、どこに記載されているんだろう?Webで調べてみようかな?」
Webで固定資産税評価額の調べ方を探している時点で、あなたは既にミスをしている可能性があります。誤った情報が多く、どの調べ方が正しいのか判断することが非常に難しい状態だからです。
私たちグリーングループでは、市区町村の窓口で「名寄帳(なよせちょう)」を取得することが本当に正しい固定資産税評価額の探し方だと考えています。
手軽に入手できる固定資産課税明細書で済ませようとする方もいますが、私道や山林などの非課税物件は記載されないことが多いため、相続財産の全体像を把握するには不十分となる可能性があります。

固定資産税評価額は意外と簡単に探せると感じるかもしれませんが、本当に大切なのは「漏れている土地はないか?」「相続税評価額に直すといくらになるか?」をセットで確認することです。
安易に手続きだけを進めてしまうと、下記のように漏れている山林があったなどのトラブルにつながります。
【山林の筆数を見落としていた例】 父の相続財産を調査したところ実家の土地・建物に加え、多数の山林が見つかりました。山林の一部には100名以上が関係する組合があり、実家の建物も登記内容と現況が大きく異なることが判明。 滅失登記や新たな保存登記など、複雑で専門的な手続きが必要になってしまいました。 ▼この事例は下記の記事で詳しく解説しています |
だからこそ、固定資産税評価額を正しく調べるのと同時に、相続する不動産に漏れがないか、適切な経路で手続きができているのかなどを専門家と一緒に確認しましょう。
本記事では、固定資産税評価額の調べ方や調べるときの注意点などをまとめて解説します。1つずつ着実に相続登記を進めるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
1章 相続した不動産の固定資産税評価額の調べ方は3つ
冒頭でも触れたように、相続した不動産の固定資産税評価額の調べ方は下記の3つです。
固定資産税評価額の調べ方 |
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多くの人は、手軽に入手できる固定資産課税明細書で済ませようとしますが、これでは不十分です。私道や田畑など非課税の不動産も記載されている「名寄帳」を取得して確認するのが本来の方法です。
基本的には名寄帳を取得して固定資産税評価額を調べて、あくまでも参考程度に固定資産課税明細書や固定資産評価証明書を使うようにしましょう。
ここでは、書類のどこに固定資産税評価額が記載されているのか、どこで取得するのかをまとめているので、参考にしてみてください。
1-1 【一番確実】名寄帳(固定資産課税台帳)を取得する
一番確実なのは、名寄帳を取得する方法です。自治体によっては、固定資産課税台帳や固定資産名寄帳などと呼ばれています。
名寄帳とは、固定資産(土地・家屋)を把握するために、所有者ごとに資産の所在地や面積、評価額などをまとめたものです。
名寄帳は、事前に必要な書類を揃えて、不動産がある市区町村の役場で取得します。
名寄帳を取得する方法 | |
申請できる人 |
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必要な書類の例 |
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主な申請方法 |
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費用目安 |
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※毎年4月〜5月頃の縦覧期間中は無料で閲覧・取得できる場合もあります。詳細は各市区町村にご確認ください
名寄帳には下記のように、不動産に関する情報がまとめられています。

土地・家屋ごとに情報がまとめられているので、下記のように地積の下欄にある「価格」の部分を見ると固定資産税評価額が分かります。

上記の例では、1行目の「土地」を見ると、15,000,000円が固定資産税評価額に該当します。課税標準額と固定資産税評価額は異なるので、間違えないようにしましょう。
▼名寄帳とはどのような書類なのかは下記の記事で詳しくまとめているので、参考にしてみてください。
1-2 【あくまで参考】固定資産課税明細書を確認する
ざっくり参考程度に固定資産税評価額を確認したい場合は、固定資産課税明細書を見てみましょう。
固定資産課税明細書は、毎年4~6月頃に固定資産税・都市計画税の納税通知書に同封されている書類です。固定資産課税台帳に所有者として登録されている人宛てに届きます。
亡くなった人が今年度の固定資産課税明細書を保管していたなど、既に手元にありすぐに確認できる場合に活用できます。
手元にない場合は、再発行が可能な市区町村と再発行できない市区町村があるので、役所に問い合わせて確認してみてください。
固定資産課税明細書は、下記のように固定資産税・都市計画税の対象となった固定資産の情報が記載されています。赤丸の付いている「当該年度価格」部分が、固定資産税評価額になります。

上記の場合は、土地が342,100円、家屋が4,890,000円の固定資産税評価額であることが分かります。
1-3 【あくまで参考】固定資産評価証明書を取得する
あくまでも参考にはなりますが、固定資産評価証明書を取得するのも調べ方の1つです。固定資産評価証明書とは、固定資産(土地・家屋)の評価額を公的に証明する書類です。
固定資産評価証明書は、事前に必要な書類を揃えて、不動産が所在する市区町村で申請を行います。
固定資産評価証明書を取得する方法 | |
申請できる人 |
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必要な書類の例 |
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主な申請方法 |
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費用目安 |
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※市区町村によって異なるので事前に確認してください
固定資産評価証明書は、下記のように所有している固定資産と評価額が記載されています。赤枠で囲っている部分が、固定資産税評価額になります。

上記の場合は、土地が1,456,000円、家屋が1,135,855円の固定資産税評価額であることが分かります。
2章 固定資産税評価額から登録免許税を算出する方法
不動産の固定資産税評価額が分かったところで、相続登記に必要な登録免許税を算出しましょう。相続登記を申請するときは、登記申請書の提出と併せて登録免許税を納付します。
せっかく固定資産税評価額が分かっても登録免許税まで算出できないと先に進めないので、算出する手順を知っておきましょう。
登録免許税を算出する主な流れは、下記のとおりです。
登録免許税を算出する方法 | 概要/例 |
ステップ1:相続登記する全ての不動産の評価額を合算する | 相続登記の対象となる不動産の固定資産税評価額を合算する <例>
これを合算して3,440万2,395円 |
ステップ2:合算額の1,000円未満の端数を切り捨てる | 合算した固定資産税評価額の1,000円未満の端数を切り捨てる。この価格が課税標準額になる <例> |
ステップ3:課税標準額に税率0.4%を掛ける | 課税標準額に0.4%を掛ける <例> |
ステップ4:100円未満の金額を切り捨てる | 算出した税額の100円未満を切り捨てる <例> |
※2026年9月現在、一定の相続登記や、価額100万円以下の土地については、登録免許税が免税となる場合があります。
参考:国税庁「登録免許税の税額表」
このように、固定資産税評価額をもとに算出した登録免許税を、相続登記の申請時に納付します。
▼登録免許税の算出に不安がある場合は、下記の記事でより丁寧に算出しているので参考にしてみてください。
一覧でわかる!相続登記の登録免許税の計算方法と免税措置を解説
3章 自分で固定資産税評価額を調べるときの注意点
ここまで述べたように、固定資産税評価額は自分で調べることはできますが、そのときにいくつか注意点があります。
安易に進めるとトラブルにつながる可能性があるので、どのような点に気をつければいいのか把握しておきましょう。
自分で固定資産税評価額を調べるときの注意点 |
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3-1 固定資産税評価額と他の価格を混同させない
1つ目は、固定資産税評価額と他の価格を混同させないようにすることです。固定資産税評価額を調べていると、下記のような似た言葉が出てきます。
それぞれの言葉を間違えて使わないように、注意しましょう。
間違えやすい価格 | 概要 |
固定資産税評価額 | 土地や家屋の固定資産税などを算出する基準として、市区町村が決定する不動産の評価額 |
相続税評価額 | 相続税を算出するための評価額 |
実勢価格 | 不動産を売却するときの市場価格 |
例えば、不動産の評価額として、下記のような情報があったとしましょう。
- 固定資産税評価額:1,800万円
- 相続税評価額:1,400万円
固定資産税評価額と相続税評価額を取り違え、相続税評価額1,400万円を基に登録免許税を計算すると、本来納付すべき7万2,000円ではなく5万6,000円と算出してしまいます。
その結果、登録免許税が1万6,000円不足してしまい、このまま手続きを進めると法務局で指摘され、手間と負担がかかるでしょう。
とくに、固定資産税評価額を調べるためにさまざまな書類や情報を見ていると、普段見慣れない言葉を上手に使い分けることができず誤って使ってしまうことはあるので注意しましょう。
3-2 基礎控除以下だと思って相続手続きを放置しない
2つ目は、基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数という相続税の非課税枠のこと)以下だと思って相続手続きを放置しないことです。
固定資産税評価額を見たときに「基礎控除以下だから相続税はかからないし申告も不要だ」と安心してしまうケースが多々あります。
しかし、これは大きな誤解です。
土地の場合、固定資産税評価額は地価公示価格の約70%を目安に設定されるのに対し、相続税評価額(路線価方式の場合)は約80%を目安に設定されるため、多くの場合で相続税評価額の方が高い金額になります。
固定資産税評価額だけを見て「相続税はかからない」と思い込んでしまうと、必要な手続きを放置してしまうことが考えられます。
実際に下記のようなシミュレーションで、固定資産税評価額と相続税評価額を比べてみましょう。
【シミュレーションの状況】
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シミュレーションに沿った固定資産税評価額と相続税評価額 | |
固定資産税評価額だけで誤って概算した場合 | 土地1,750万円+預貯金1,800万円=3,550万円 →基礎控除以下なので手続きは不要だと思ってしまう |
正しい相続税評価額で計算した場合 | 土地2,000万円+預貯金1,800万円=3,800万円 →基礎控除を超えるので相続税が発生する |
固定資産税評価額は基礎控除の3,600万円以下ですが、相続税評価額は3,600万円を超えるので相続税が発生します。
固定資産税評価額だけで判断してしまうと税務署に指摘され、無申告による多額のペナルティを課されることも考えられます。
固定資産税評価額は、登録免許税を計算する際の基礎となる金額です。これだけを見て、相続税の有無を判断しないようにしましょう。
4章 固定資産税評価額を調べて終わりではない。隠れた問題を見落とすと数百万〜数千万円単位の損失に!
相続手続きを進めるときに「固定資産税評価額さえ分かれば手続きが前に進む」と思っていませんか?
実は、土地や家屋などの不動産は固定資産税評価額を調べて終わりではなく、本当に漏れている土地はないかを確認することが非常に重要です。この段階で見落としてしまうと、将来数百万〜数千万円単位の損失になる可能性があるのです。
【私道を見落としていた例】 家の前の道路などの私道は、固定資産税が非課税なので納税通知書には一切記載がありません。固定資産税評価額の明細だけを見て自分で相続登記を進めると建物や土地しか把握できず、私道の持分が亡くなった人の名義のまま漏れ落ちてしまいます。 数十年後にいざ土地と建物を売却しようとすると、私道部分の工事許可が下りない、買主の住宅ローン審査が通らないなど、売却活動が完全にストップしてしまいます。この問題を解決しようとすると、余分に時間と費用がかかってしまいます。 |
【山林の筆数を見落としていた例】 山林は納税通知書には2筆と記載されていても、実際には10筆以上の細かな土地が隠れているケースが多々あります。固定資産税が非課税となっている山林などは、そもそも納税通知書に一切記載されません。 そのため、手元の書類だけを見て自己判断して手続きを進めると、多くの土地が亡くなった方の名義のまま漏れ落ちてしまいます。 将来土地を売却したり、担保に入れたりすることができません。時間が経過して次の相続が発生すると、関係する相続人が増え、戸籍の収集や遺産分割協議が複雑になり時間と費用がかかることが考えられます。 |
このように、相続登記では「本当に漏れている土地はないか?」「相続税評価額に直すといくらになるか?」をセットで確認しないと、将来思わぬトラブルに発展する可能性があるのです。
とくに、隠れた問題は固定資産税評価額を調べる過程では「納税通知書に記載されていない」「現地調査をしないと分からない」など可視化できないことが多いです。
だからこそ、とりあえず相続登記を進めると安易に考えるのではなく、本当にこのまま進めて大丈夫なのか専門家の意見を聞くようにしましょう。
5章 税理士や不動産会社と連携しているグリーングループなら漏れている土地の確認から申告までをサポートできます
固定資産税評価額を調べることは、相続登記のほんの一部の工程に過ぎません。
- 不動産の登記の漏れがないか
- 税務署から指摘されるような隠れた財産や算出間違いがないか
- 将来不動産を適正価格で売却できるか
など、さまざまな視点から本当に安心して相続登記を進めていいのかを検討する必要があります。
「本当に隠れた土地はないのか」「将来後悔しないのか」など、少しでも引っかかることがあるなら、まずは相続に関する相談件数が累計55,193件(2025年10月末現在)にのぼるグリーングループにそのお悩みをお聞かせください。
グリーングループは、相続に特化した専門家集団です。司法書士だけでなく、税理士や不動産会社もグループ内に連携しており、漏れている土地の確認や不動産の出口戦略、相続手続きまでをまとめてお任せいただけます。
実際に「誰がどの土地を、どのように保有しているのか分からない」という状態から相続登記を完了した事例があります。
所有者不明の土地まで網羅して複雑な共有名義の相続登記を完了させた事例 |
ご依頼者様は、自宅の土地を含めて「5筆くらいだろう」という認識で相続登記を進めていました。 しかし、自宅の宅地を除くほとんどの林野が、近隣にお住まいの方々との共有名義になっており「一体誰が、どの土地を、どれくらいの割合で所有しているのか」が分からないことが発覚。 この機会にすべての相続関係を明確にし、きちんと整理しなくてはならないという切実な思いでグリーングループにご依頼されました。 <グリーングループだからできたこと>
相続登記が完了してBさんから「ここまでやってもらえて本当に助かった」との言葉をいただきました。 自力では解決が難しい状況であっても、今までの実績や経験、各プロフェッショナルとの連携をしながら、納得できる方法を模索して相続登記完了へと導いた事例です。 この事例は下記で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。 |
相続登記は一度完了すると、安易に修正できるものではありません。だからこそ、相続登記を始める段階で1つずつ丁寧に進めることが、将来のトラブルを防ぎ納得できる手続きにつながります。
自分で進めて「こんなはずではなかった」と後悔する前に、今の不安や疑問をお気軽にグリーングループにお聞かせください。
まとめ
本記事では、不動産を相続登記するときの固定資産税評価額の調べ方を解説しました。最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。
〇固定資産税評価額の調べ方は下記の3つ
- 名寄帳(固定資産課税台帳)を取得する
- 固定資産課税明細書を確認する
- 固定資産評価証明書を取得する
〇固定資産税評価額を使って登録免許税を算出する方法は下記のとおり
- ステップ1:相続登記する全ての不動産の評価額を合算する
- ステップ2:合算額の1,000円未満の端数を切り捨てる
- ステップ3:課税標準額に税率0.4%を掛ける
- ステップ4:100円未満の金額を切り捨てる
〇自分で固定資産税評価額を調べるときの注意点は下記のとおり
- 固定資産税評価額と他の価格を混同させない
- 基礎控除以下だと思って相続手続きを放置しない
固定資産税評価額を調べて、登録免許税を把握するのは相続登記の第一歩です。将来を見据えて安心できる相続登記を行うためにも、安易に自分で進めないで専門家と一緒に取り組むようにしましょう。





