
「相続手続きをしているけれど、配偶者の父母や兄弟姉妹も親族に含まれるのかな?どこまでが法定相続人になるのかよく分からない…」
相続について調べていると親族という言葉がよく出てきて、一体誰が親族に該当するのか悩みますよね。
親族の数え方は本人を0として、世代を1つ経るごとに1を足す方法で数えられます。

自分でも数えられそうと思ったかもしれませんが、相続の場合は厄介です。
よくある間違いは、親族=法定相続人だと思ってしまうことです。誰が相続に携わるのか判断を間違えてしまうと、下記のようなトラブルに発展してしまうのです。
【親族を数えることはできても防げないトラブル例】
|
相続手続きにおいて誰がどのタイミングで関わるのか判断を誤ると大きなトラブルに発展するので、専門家と一緒に慎重に進めましょう。
本記事では、親族の基本的な数え方と相続手続きでよくある落とし穴をまとめて解説します。誤って手続きを進めないためにも、ぜひ参考にしてみてください。
※すぐにでも親族の誰が何親等なのか把握したい方は「2章 親族の親等の早見表」をまずご覧ください。
1章 親族の数え方の基本は「本人を0として、世代を1つ経るごとに1を足す」
冒頭でも触れたように、親族は本人を0として、世代を1つ経るごとに1を足す方法で数えます。親族を数えるときは、親族関係の遠い・近いを表す単位「親等」を使います。
親等は人数や世代数そのものを数える単位ではなくて、親族関係の距離を数えるための単位と考えると理解しやすいでしょう。
下記の図で、親族の数え方の基本を整理してみましょう。
まず、本人は0だと考えます。本人から次の関係を辿ると、父母、子供になります。本人から1つ辿る関係性なので1親等です。本人から2つの関係を辿る祖父母・孫・兄弟姉妹は、2親等です。
このように、本人と世代が離れれば離れるほど、親等の数は大きくなり、本人と世代が近いほど親等の数が小さくなります。

親族を数えるときのポイントは、亡くなった人がいても親等は変化しないことです。例えば、祖父母よりも父母が先に亡くなったとしましょう。
父母がいないため、本人から見て祖父母が1親等になることはありません。誰かが亡くなったからといって、世代を飛ばして親族を数えることはできないと覚えておきましょう。
2章 親族の親等の早見表
「誰が何親等にあたるのか」をいち早く知りたい場合は、下記の早見表を活用ください。
例えば、本人から最も近い1親等は「父母・子供・配偶者の父母・自分の子の配偶者」だと把握できます。血族や姻族の違い、数え方は「3章 【早見表付き】親族の種類別!親等の数え方」で詳しく解説しています。

親族の親等 | 対象者 |
1親等 | 血族:父母・子供 |
2親等 | 血族:祖父母・孫・兄弟姉妹 |
3親等 | 血族:曾祖父母・ひ孫・おじおば・甥姪 |
4親等 | 血族:高祖父母・玄孫・いとこ・大おじ大おば・甥姪の子 |
5親等 | 血族:五世の祖・来孫・いとこの子・大おじ大おばの子(いとこちがい)・甥姪の孫・曾祖父母の兄弟姉妹 |
6親等 | 血族:六世の祖・昆孫・いとこの孫・大おじ大おばの孫(はとこ)・甥姪のひ孫・曾祖父母の兄弟姉妹の子 |
※配偶者に親等はありません
3章 【早見表付き】親族の種類別!親等の数え方
法律上の親族には、配偶者・血族・姻族が含まれています。
【民法第725条】 次に掲げる者は、親族とする。 |
そのため、親族にあたる人を探すときは「血族の何親等まで」「姻族の何親等まで」などと、確認していくのが基本です。
血族・姻族 | 概要/例 |
血族 | 親子や兄弟姉妹などの血のつながりがある人や、養子縁組によって法律上の血のつながりがある人 <例>
|
姻族 | 婚姻によって親族になった、配偶者の父母・兄弟姉妹や、自分の子・兄弟姉妹などの配偶者 <例>
|
ここでは、血族と姻族での親等の数え方を詳しく解説します。誰が親族に該当するのか確認するためにも、参考にしてみてください。
3-1 血族の場合
血族では、本人との血のつながりを辿り、1世代を経るごとに1を足していきます。
基本的な数え方は「1章 親族の数え方の基本は「本人を0として、世代を1つ経るごとに1を足す」」と同じです。
下記の図では、本人との血のつながりを辿ると、1番近いのが父母と子供になります。父母と子供は「1親等」です。
その次に、父母とつながる祖父母や兄弟姉妹が「2親等」になります。兄弟姉妹は父母を経たつながりと考えるので、2親等です。

また、血族には養子縁組によって法律上の血のつながりがあるケースも該当します。本人が養子縁組をした子供がいる場合は、1親等の血族になります。
血族の親等の早見表は、下記のとおりです。誰が親族に含まれるのか確認してみましょう。
親等 | 対象者 |
1親等 | 父母・子供 |
2親等 | 祖父母・孫・兄弟姉妹 |
3親等 | 曾祖父母・ひ孫・おじおば・甥姪 |
4親等 | 高祖父母・玄孫・いとこ・大おじ大おば・甥姪の子 |
5親等 | 五世の祖・来孫・いとこの子・大おじ大おばの子(いとこちがい)・甥姪の孫・曾祖父母の兄弟姉妹 |
6親等 | 六世の祖・昆孫・いとこの孫・大おじ大おばの孫(はとこ)・甥姪のひ孫・曾祖父母の兄弟姉妹の子 |
※配偶者に親等はありません
3-2 姻族の場合
姻族の場合は、「配偶者から見て何親等か」がそのまま本人との姻族の親等になります。親等を数えるときには、配偶者と本人は数に含まれないからです。
例えば、配偶者の父母となると、本人→配偶者→配偶者の父母と辿るので「2親等だ」と考えがちですが、配偶者は親等にカウントされません。そのため、配偶者の父母は1親等になります。
配偶者を親等に含まないとなると、本人から見たときの親等の数え方は血族と同じです。配偶者の祖父母や兄弟姉妹は2親等、配偶者の甥姪は3親等になります。

姻族の親等の早見表は、下記のとおりです。誰が親族に含まれるのか確認してみましょう。姻族の場合、親族に含まれるのは3親等以内なので、配偶者のいとこは親族には含まれません。
親等 | 対象者 |
1親等 | 配偶者の父母・自分の子の配偶者 |
2親等 | 配偶者の祖父母・配偶者の兄弟姉妹・自分の孫の配偶者・自分の兄弟姉妹の配偶者 |
3親等 | 配偶者の曾祖父母・配偶者のおじおば・配偶者の甥姪・自分のひ孫の配偶者・自分のおじおばの配偶者・自分の甥姪の配偶者 |
※配偶者には親等はありません
4章 数え方を間違えやすい親族のケース
状況によっては「親族に含まれるのかな?」というケースがあるかと思います。
そのようなイレギュラーなケースにおける親族の数え方についても見ていきましょう。
関係性 | 種別 | 備考 | |
離婚した元夫・妻 | なし | 離婚した時点で、関係性はなくなりますので、親族には含まれません。 | |
内縁の妻・夫 | なし | 婚姻関係のない男女は、法律上親族になりません。 | |
離婚して離れた親子 | 1親等の血族 | 親同士が離婚したとしても、親子は常に1親等の血族として親族に含まれます。 | |
養子縁組した子供 | 1親等の血族 | 養子縁組をした場合、法律上親子関係が成立しますので、1親等の血族として親族に含まれます。 | |
再婚相手の連れ子 | 養子縁組を | 1親等の姻族 | 養子縁組をしていない場合、配偶者の親族となるので、1親等の姻族として親族に含まれます。姻族なので相続権はありません。 |
養子縁組を | 1親等の血族 | 一方で、養子縁組をした場合は法律上親子関係が成立するので、1親等の血族として親族に含まれます。親族となるため相続人に含まれます。 | |
未婚の男女の間に | 1親等の血族 | 未婚の男女から生まれた子供(非嫡出子)であっても、母と子は必ず親族となります。 | |
5章 親族を自分で数えるのは意外と危険!よくある落とし穴
ここまで読み「親族を自分で数えられるかもしれない」と感じたかもしれません。実は、相続手続きをするときは親族を自分で数えて手続きを進めることは非常に危険です。
「知らない相続人がいた」「親族と法定相続人を区別できていなかった」などのトラブルにつながるからです。
ここでは、親族を自分で数えて相続手続きを進めるときによくある落とし穴をご紹介します。「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、参考にしてみてください。
親族を自分で数えて相続手続きを進めるときによくある落とし穴 |
|
5-1 親族ではあるものの法定相続人には含まれていなかった
1つ目は、親族ではあるものの法定相続人には含まれていなかったケースです。冒頭でも触れたように、親族であれば必ず法定相続人になれるわけではありません。
法律上の親族と、遺産を引き継ぐ権利を持つ法定相続人は別物です。親等が近い人から相続人になるわけではなく、法定相続人になる順序は別に法律で定められています。
【法定相続人になる順序】
|
「親族だから相続の権利がある」という思い込みで相続手続きを進めてしまうと、法務局などで「法定相続人ではない人が混ざっている」と指摘されて、下記のようにやり直しになってしまうのです。
【法定相続人以外の人が手続きに混ざっていた例】 「父の介護を一生懸命手伝ってくれた配偶者の妹(姻族2親等=親族)」や「仲の良かったいとこ(血族4親等=親族)」を親族だからと遺産分割協議のメンバーに入れました。 登記申請書などを法務局に提出すると「遺産分割協議書に相続権のない人が含まれているため、登記できません」と補正を求められたり、申請を却下されてしまいます。 書類を作り直すにしても「ごめん、このままでは相続ができないから、名前を外して書類を作り直すね」と、親族に告げなければなりません。 「一度は認めたのに、最後は他人扱いされて追い出された」と強烈な裏切り感や不信感を抱いた場合、親族の関係にもひびが入ってしまいました。 |
親族と法定相続人を正しく理解していないと、無駄な手続きが発生するだけでなく「私は相続から外された」など親族の関係性が悪化する可能性があります。
だからこそ専門家が間に入って現状を正しく整理しながら、ご家族の思いを汲んだ経路を設計していく必要があるのです。
▼誰が法定相続人に該当するのかは、下記の記事で詳しく解説しています。参考にしてみてください。
【グリーングループであればご家族の思いを大切にした相続手続きが可能です】 「父の介護を手伝ってもらったのに、法定相続人ではない配偶者の妹には何もできないの?」と、法定相続人ではない親族に申し訳なさや歯がゆさを感じる方もいるかと思います。 グリーングループではご家族の思いを大切にして、代償分割や遺言書などを活用する方法もご提案できます。
このような経路を事前に設計しておくことで、法定相続人以外の親族に遺産を残せない状態を回避できます。 「本当は遺産を残したい親族がいる」などご家族の思いを、まずはグリーングループにお電話やメールでお気軽にお聞かせください。 電話で気軽に聞きたい方はこちらをクリック |
5-2 歴史のあるご家庭では養子縁組と離縁を繰り返し正しく判断しにくい
2つ目は、歴史のあるご家庭では養子縁組と離縁を繰り返しており、誰が親族なのか、法定相続人なのかを正しく判断しにくいことです。
明治、大正、昭和初期にかけては、現代よりもはるかに「家」の結びつきが強く、下記のように便宜上の理由で親戚の子供を養子にすることがよくありました。
- 都会の学校へ通わせるために、通学先の近所に住む叔父・叔母の籍に入れる必要があった
- 家名や家財を守るために、一時的に本家の籍に子供を入れて跡継ぎの形を整えた
学校の卒業や家を出るなどすれば「養子関係はもう実質的に終わった」と思っていても、手続き自体を失念したまま何十年も放置することがよくありました。
結果として戸籍上は祖父の子供のまま時間が止まっているなど、複雑な状況に陥るのです。
このような状態のまま亡くなってしまうと、知らない養子がいて手続きがやり直しになる事態が起こります。
【親族が把握していなかった養子がいた例】 父が亡くなり残された家族だけで遺産を分けようと、仲良く遺産分割協議書を作成しました。 しかし、法務局で知らない養子がいたことが発覚します。法定相続人である養子が参加していない遺産分割協議は、法律上無効になります。 |
このような事態に陥らないためにも、専門家と相談しながら漏れなく親族、法定相続人を把握したうえで相続手続きを進めることが大切です。
6章 グリーングループでは誰が法定相続人なのか一人残らず明確にできます
ここまで解説したように、親族の数え方が分かり親族を特定できても「誰が法定相続人なのか」を正しく把握できなければ、相続手続きを円滑に進めることができません。
だからこそ、相続手続きを開始する段階で、親族のなかで誰が法定相続人なのかをしっかり洗い出す必要があります。
「あの人にお世話になったけれど、法定相続人として遺産分割に参加してもらってもいいのかな」と少しでも悩む場合は、相続に特化した専門家集団であるグリーングループに、まずは今の状況をお聞かせください。
グリーングループでは亡くなった人の人生を丁寧にヒアリングしたうえで、隠れた相続人はいないかを徹底的に調査します。
司法書士などの国家資格者が、相続登記や遺産承継業務などのご依頼に基づき、必要な戸籍書類等をスピーディーに収集して法定相続人を確定させるお手伝いをいたします。
実際に、面識のない相続人が多数いる相続手続きを支援した事例もあります。
面識のない相続人が多数いる相続手続きを支援した事例 |
ご依頼者様の兄弟が亡くなり手続きを進めることになりました。妻子や存命の直系尊属がいないため、相続権は亡くなった人の兄弟姉妹に移ります。 しかし、存命の兄弟はご依頼者様一人。他界した他の兄弟の相続権は甥や姪に引き継がれていました。相続人の数は多く、関東・関西など各地に散らばっており、中には全く面識のない方もいます。 また、手続きの途中で、相続人であった別の兄弟とその子供が相次いで亡くなり数次相続が発生。相続関係はさらに広がり、面識もない被相続人の大姪にあたる未成年者までが相続人の一人となりました。 この状況でどのように手続きを進めるべきか分からず、グリーングループにご相談いただきました。 <グリーングループだからこそできること>
相続人が多数にわたったうえで複雑な事情が絡む相続手続きにおいて、相続人が納得できる糸口を見つけた事例です。 ▼この事例は下記で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。 |
相続手続きは親族で勝手に進めるのではなく、誰が相続人なのかしっかりと把握してトラブルなく進めることが大切です。
「本当にこのまま進めて大丈夫なのだろうか」と少しでも不安を感じたら、まずはその思いをグリーングループにお話ください。
まとめ
本記事では、親族の数え方を詳しく解説しました。最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。
〇親族は本人を0として、世代を1つ経るごとに1を足す方法で数えることが基本。亡くなった人がいても親等は変動しない
〇血族では、本人との血のつながりを辿り、1世代を経るごとに1を足していく
〇姻族では、「配偶者から見て何親等か」がそのまま本人との姻族の親等になる
〇親族を自分で数えて相続手続きを進めるときによくある落とし穴は下記のとおり
- 親族ではあるものの法定相続人には含まれていなかった
- 歴史のあるご家庭では養子縁組と離縁を繰り返し正しく判断しにくい
親族の親等や法定相続人の範囲について、数え方・考え方を間違えると、相続手続きをやり直すことになります。
トラブルなくスムーズに手続きを進めるためにも、相続手続きを開始する段階で、グリーングループと一緒に誰が法定相続人になるのか、しっかりと洗い出してみましょう。





