相続登記中の固定資産税は誰が払う?負担方法と滞納のリスク

「父が亡くなり、所有していた実家の固定資産税納付書が届いた。高額だけどこれは誰が払うの?支払わないとダメなの?」

相続登記をする前に固定資産税の支払いが必要になったとき、どうすればいいのか悩む方が多いかと思います。

実は相続登記(や遺産分割)が完了していなくても、対象の不動産の相続人全員が連帯して固定資産税を支払う義務を負います。

相続人代表者に固定資産税の納税通知書が届きますが、納税義務は相続人全員が同じように背負う点がポイントです。

相続登記が未完了の場合の固定資産税のポイント

「誰が相続するのか決まらないし、このまま放置して、決まってから払おうかな」と考えている場合は、非常に危険です。

本来支払うはずだった固定資産税以上の額が課せられる可能性があり、税負担が増えていく悪循環に陥るのです。

【相続登記をせず固定資産税を払わないとどうなる?】

  • 住宅用地の課税標準の特例から除外されて固定資産税額が最大6倍に跳ね上がる可能性がある
  • 固定資産税の延滞金が追加されて、税負担が増えていく。延滞金が課せられても払わない場合は差し押さえの対象になる

放置すればするほど状況は悪化していくので、今このタイミングで分からないことを専門家に相談して解決の糸口を見つけることが大切です。

そこで本記事では、相続登記が完了していないときの固定資産税の納付方法や放置するリスクなどをまとめて解説します。

自己判断で固定資産税を払わず後に大変な事態に発展しないように、正しい情報を把握しておきましょう。

また、以下の動画では、相続した不動産を放置した場合に直面する金銭トラブルについて、グリーンの代表・山田が動画でわかりやすく解説しています。

\コラムの論点を“動画で補強”したい方はこちら/


1章 相続登記が完了していなくても固定資産税の支払いは必要になる

冒頭でも触れたように、不動産の相続登記が完了していなくても固定資産税の支払いは必要です。

固定資産税は、土地や家屋などの固定資産の所有者に課せられる税金です。

地方税法により、所有者が1月1日時点(賦課期日)で亡くなっている場合には、その時点で現に所有している人が固定資産税・都市計画税の納税義務者となると定められています。

ここでいう現に所有している人とは、遺産分割協議などによる遺産分割が完了するまでは相続人全員を指しています。

【固定資産税の納税義務者】

所有者として登記されている人が1月1日前に死亡している場合には、1月1日現在に、その土地や家屋を現に所有している方が納税義務者となります。

参考:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」

例えば、父が亡くなり、地方にある古い実家が相続の対象になったとしましょう。

相続人同士で話し合っても「この実家を相続しても費用だけがかかるから」と、誰が相続するのかがまとまりません。

固定資産税の納付も負担になるし、とりあえず放置しようと見て見ぬふりをしても、相続人全員に固定資産税を払う義務がのしかかります。

相続登記が未完了の場合の固定資産税の納税義務の例

また「3章 相続登記をせず固定資産税を放置するのはNG!重い税負担がのしかかる」で詳しく解説しますが、どうすればいいのか分からないからといって不動産を放置すればするほど、金銭的な負担は膨れ上がります。

だからこそ、相続登記をするタイミングで「このまま放置しよう」と逃げないで、ご家族に合う解決策を見つけることが非常に重要です。

「固定資産税の支払いがあるなんて知らずに、実家を放置している」
「話し合いが進まない不動産があって固定資産税を滞納している…」

など、相続に関する不動産の扱いに「どうすればいいのか分からない」と途方に暮れている場合は、このまま放置しても事態は悪化するばかりです。

だからこそ、まずは、相続に特化した専門家集団であるグリーングループに現状をお話ししてみませんか?ご家族の状況や要望に応じた解決策を提案させていただきます。


2章 相続登記が未完了の場合、固定資産税は誰が払う?2つのポイント

相続登記が終わっていない場合、対象となる不動産の固定資産税を誰がどのように払うのか気になるところです。

ここでは、相続登記が完了していないときの固定資産税の考え方のポイントをご紹介します。

相続登記が完了していないときの固定資産税の考え方のポイント

  • 相続人全員が固定資産税の納付義務を負う
  • 代表者を決めて相続人代表者指定届を提出する

固定資産税は「相続登記が完了するまで放置しよう」で済むものではありません。だからこそ、どのように手続きをするのか、誰が払うのかを把握しておきましょう。

2-1 相続人全員が固定資産税の納付義務を負う

相続登記が完了するまでの間、固定資産税は法定相続人全員が連帯して納付義務を負うことになります。

【地方税法 第10条の2】

共有物、共同使用物、共同事業又は共同行為に係る地方団体の徴収金は、特別徴収義務者である共有者、共同使用者、共同事業者又は共同行為者が連帯して納入する義務を負う。

出典:e-Gov「地方税法」

例えば、法定相続人が3人いる場合に、相続人代表者のもとに60万円分の固定資産税の納税通知書が届いたとしましょう。

3名全員がこの固定資産税を納付する義務を負いますが、誰がいくら支払うのかは相続人全員が納得できれば自由です。

  • 相続人代表者が60万円払う
  • 3人で20万円ずつ払う
  • 相続人代表者が30万円、残りの2人が15万円ずつ払う

など、どのように負担するのかは相続人同士で話し合い、期日までに固定資産税を納付します。

ただし、相続人代表者が立て替えた後の立替金清算や負担割合について話し合いがまとまらず、感情的なもつれやトラブルに発展するケースが多発しています。

ここで話がもつれると相続手続きにも影響するので、慎重に進める必要があるでしょう。

2-2 代表者を決めて相続人代表者指定届を提出する

相続登記が未完了の場合は、固定資産税の対象となる土地・建物がある市区町村の役所に相続人代表者指定届を提出します。

相続人代表者指定届とは、亡くなった人の税金の手続きをするときに、納税通知書などの書類を代表して受け取る人を届け出るための書類を指します。

この人が固定資産税を支払うわけではなく、あくまでも固定資産税の納税通知書を受け取る窓口としての役割を担う点がポイントです。

「相続人代表者になると、税負担を背負うことになる」わけではないので、安心してください。

相続人代表者指定届の提出方法は市区町村の役所ごとに異なりますが、一例として下記のようなステップで進めます。

【相続人代表者指定届を提出するステップ】

  1. 相続人同士で話し合いをして相続人代表者になる人を決める
  2. 申請先の役所が指定する申請書などの書類を用意する
  3. 申請先の役所に書類を提出する(郵送・オンラインに対応しているケースもあります)

「相続人代表者を決めるのは面倒だな」と思い放置していると、自治体側が相続人のなかから代表者を指定し、その人に納税通知書などを送付することがあります。

急に特定の人に固定資産税の納税通知書が届くと、トラブルになるかもしれません。

これを避けるためにも、事前に相続人代表者指定届を提出して相続人の間で「誰が固定資産税の納税通知書を受け取るのか」の認識を合わせておくといいでしょう。

このように、相続人全員が固定資産税の納付義務を負いますが、通知書は相続人代表者宛てに届くことになります。


3章 相続登記をせず固定資産税を放置するのはNG!重い税負担がのしかかる

固定資産税の負担を逃れるために「とりあえず放置しよう」とそのままにしてはいけません。重い税負担がのしかかり、悪循環に陥るためです。

ここでは、相続登記をせず固定資産税を放置すると、どのようなことが起こるのかを解説します。

相続登記をせず固定資産税を放置すると起こること

  • 空き家のまま放置すると固定資産税が最大6倍になる
  • 延滞金が膨れ上がり相続人全員が差し押さえの対象になる

最悪の場合、相続人全員が差し押さえの対象になる可能性があるので、どのようなことが起きてしまうのか把握しておきましょう。

3-1 空き家のまま放置すると固定資産税が最大6倍になる

空き家のまま放置して自治体から勧告を受けると「住宅用地の特例」が適用されなくなり、土地の固定資産税が最大6倍(都市計画税は最大3倍)に跳ね上がる可能性があります。

固定資産税が跳ね上がる可能性があるのは、「特定空家」や「管理不全空家」として市区町村から勧告を受けた場合です。

対象の空き家

概要

特定空家等

以下のいずれかの状態に該当する空き家

  • そのまま放置すれば倒壊などが起きて、著しく保安上危険となるおそれのある状態
  • そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  • 適切な管理不足で著しく景観を損なっている状態
  • 周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

管理不全空家等

このまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれの状態にある空家等

参考:東京都主税局「「特定空家等」または「管理不全空家等」に該当すると土地に対する固定資産税・都市計画税の税額が高くなる場合があります。」

このような空き家は「住宅用地の課税標準の特例」から除外されてしまうので、結果的に固定資産税が跳ね上がってしまうのです。

住宅用地の課税標準の特例の対象

概要

小規模住宅用地
(200平方メートル以下の部分)

固定資産税の課税標準が6分の1になる

一般住宅用地
(200平方メートルを超える部分)

固定資産税の課税標準が3分の1になる

参考:国土交通省「土地の保有に係る税制」

例えば、亡くなった祖父の実家を誰も使用せず、数年間そのまま放置していました。

屋根の一部が剥がれ、庭木も隣地にはみ出しているにもかかわらず修繕せずに、市から「管理不全空家等」として指導を受けたものの「修理費用を誰が出すのか」で揉めてしまいました。

そのまま改善せずに勧告を受けると、住宅用地の課税標準の特例から除外されます。

土地全体が200平方メートル以下の小規模住宅用地として特例が適用され、これまでは年間30万円の固定資産税でしたが、180万円まで跳ね上がる可能性があるのです。

このように、相続登記をしないで放置すると固定資産税の負担が増えて、余計にご家族を苦しめる可能性があります。

だからこそ、放置はしないで、相続する不動産をどうすればいいのか考えていくことが大切です。

3-2 延滞金が膨れ上がり相続人全員が差し押さえの対象になる

固定資産税を期限までに納付しない場合、期限の翌日から納付する日までの日数に応じて延滞金が発生します。

2026年時点での延滞金の率は、下記のとおりです。

延滞した期間

延滞金の率

最初の1ヶ月

2.8%

それ以降

9.1%

参考:東京都主税局「税金の支払い」

例えば、年間30万円の固定資産税を5年放置した場合は、下記のように固定資産税150万円+延滞金約38.7万円=約188.7万円近くの金額を支払う可能性があります。

滞納した年度

元の固定資産税

延滞金の概算

2026年度

30万円

約2.3万円

2027年度

30万円

約7.3万円

2028年度

30万円

約15万円

2029年度

30万円

約25.5万円

2030年度

30万円

約38.7万円

※実際の延滞金は各年度・各期の納期限や適用される延滞金の割合などによって異なります
※2026年度の延滞金の率による概算になります

複数の相続物件を放置している場合は、あっという間に支払わなければならない固定資産税・延滞金が膨らんでしまうのです。

この状態で督促を受けても納付しない状態が続くと、相続人の預貯金や給与、不動産などの財産が差し押さえられる可能性があります。

実際に相続登記をせず固定資産税の支払いを放置したことで、差し押さえの直前までいってしまった例もあります。

【固定資産税の支払いを放置したことで、差し押さえの直前までいってしまった例】

亡くなった父親名義の地方の実家(空き家)と未運用の雑種地、遠方の山林など複数の不動産がありました。

相続人は兄弟3人ですが「誰が継ぐか決まらない」「固定資産税の通知はそのうち誰かに届くだろう」と、相続登記を行わずに数年間放置していました。

相続登記が完了していないため、自治体から長男宛てに代表相続人として固定資産税の納付書が届くようになり、兄弟間で誰が払うかで揉めて放置。

固定資産税の納付期限を過ぎたことで延滞金が加算され、税額があっという間に数百万円規模へ膨張しました。放置された実家が老朽化し、自治体から「管理不全空家等」に指定されかける状態まで悪化しました。

督促を受けながらも固定資産税を納付しない状態が続いたため、自治体の税務課から「指定期日までに納付がない場合、相続人代表者および法定相続人の預貯金・給与・不動産等の財産を差し押さえる」という最終通知が届き、差し押さえられる直前まで追い込まれました。

このように、相続登記をしないで固定資産税の支払いを放置すればするほど、事態は悪化していきます。

「固定資産税を納付しなければ逃れられる」というものではないので、できる限り早く現状を改善する方法を模索することが大切です。


4章 今の状態をどうすればいい?分からないことほど専門家に聞いてみよう

ここまで、相続登記が完了していないときの固定資産税の扱いについて詳しく解説しました。

相続登記をしなくても、相続人全員に対象となる不動産の固定資産税を支払う義務は課せられます。放置すればするほど事態は悪化して、手をつけられない状態になってしまいます。

とはいえ、相続登記が進まない背景には

  • 古い実家を誰も相続したいと言わない
  • 田んぼを相続しても管理できない
  • 複数の不動産が絡んでいて納得できる分け方ができない

など、「どうすればいいのか分からない」と悩むさまざまな理由があるかと思います。相続の複雑な背景や、誰にも相談できない今の気持ちは、さまざまな相続に携わってきた専門家のほうが理解してくれます。

ご家族の状況に応じて、どうすれば相続登記が進むのか、もしくは売却を検討したほうがいいのかなど、親身になって解決策を一緒に探せます。

一人であれこれ悩むよりも、専門家に相談したほうが肩の荷がおりたと感じる方も非常に多いです。

実際に「ベンナビ相続」が実施した調査では、76.7%の人が相続登記を司法書士に依頼していることが分かっています。実は、自力で進めるほうが少数派なのです。

相続登記の手続きをした人についてのアンケート結果

出典:ベンナビ相続「家や土地を相続したら「相続登記」が義務に!相続経験ない方の約80%が「知らない」」

まずは、専門家に相談をする一歩を踏み出すだけでも、解決に近づきます。このまま放置して固定資産税も他の負担も増えていく悪循環を断ち切るためにも、気軽に相談してみましょう。


5章 グリーングループと一緒にご家族の状況に応じた解決策を探しましょう

相続登記が進まず、固定資産税が発生してしまう不動産に悩んでいる場合は、相続に関する相談件数が累計55,193件(2025年10月末現在)と豊富なグリーングループと一緒に解決策を考えてみましょう。

グリーングループでは、ご家族の状況に応じて

  • 相続の問題を解決する支援
  • 不動産の売却支援
  • 役所へ事情を相談する際のアドバイス

など、さまざまな解決策をご提案できます。

グループ内に不動産会社を内包しているので、価値のある実家と売りづらい山林をセットで処分手配することで早期現金化を目指すなど、保有している相続財産に応じてスピーディーに戦略を立てることも可能です。

実際に関わりのない広大な土地の相続をどう進めるべきか途方に暮れていた状態から、短期間で手続きを完了できた事例があります。

広大な土地の相続をどう進めるべきか悩んで相談した事例

広大な土地の相続をどう進めるべきか悩んでいたご依頼者様の声

父が亡くなり、自宅の他に、他県に広大な土地を持っていることが分かりました。畑は知人が管理していると聞くだけで、自身との関わりがほとんどない土地の相続に、戸惑いを感じていました。

ご親族の間で土地の一部を、相続人ではない被相続人のご兄弟の名義にするという話も持ち上がっていましたが、すぐには結論が出ない状況でした。

先の見えない状態に不安になり、グリーングループにご相談いただきました。

<グリーングループだからこそできたこと>

  • 不動産の相続登記だけでなく山林の所有者変更届出や農地法に基づく届出などの必要な行政手続きをすべて洗い出し、手続きの全体像と具体的な流れを明確にできた
  • 将来の売却も視野に入れたご依頼者様単独での不動産取得という形で、円満な遺産分割協議ができた
  • 司法書士・行政書士・税理士が連携してスピーディーに進めることができた

全体像が見えていない段階から約3ヶ月で手続きを終えることができた事例です。

▼この事例は下記で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

状況不明な山林・農地の相続。行政への複雑な手続きもワンストップで予定より早く完了させた事例

さまざまな問題が絡む不動産の相続は、ご家族だけで納得できる解決策が見つからないことが多いです。とはいえ「いつか解決するだろう」と放置すればするほど、問題は複雑化します。

だからこそ、今の段階で私たちグリーングループと一緒に、納得できる解決策を見つけていきましょう。


まとめ

本記事では、相続登記が完了していない場合の固定資産税の扱い方や注意点を解説しました。最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。

〇相続登記が完了していなくても固定資産税の支払いは必要になる

〇相続登記が完了していないときの固定資産税の考え方のポイントは下記のとおり

  • 相続人全員が固定資産税の納付義務を負う
  • 代表者を決めて相続人代表者指定届を提出する

〇相続登記をせず固定資産税を放置すると起こることは下記のとおり

  • 空き家のまま放置すると固定資産税が最大6倍になる
  • 延滞金が膨れ上がり相続人全員が差し押さえの対象になる

相続登記をせずに放置しても、固定資産税の納税から逃れることはできません。それどころか、放置すればするほど負担が大きくなります。

だからこそ、今の段階でグリーングループと一緒にご家族が納得できる解決策を見つけましょう。

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