
「亡くなった父が土地を持っていたはずだけど、詳しい場所や名義が分からない」
「父の土地だと思っていたけど、本当に父名義なのかな?」
土地を相続したときに「誰の土地なのか」現在の所有者をすぐに明確にしたいと悩む場面に遭遇する方は多いかと思います。
今すぐ土地の所有者を調べる方法には「登記事項証明書を取得する」と「登記情報提供サービスを利用する」の2つがあります。

この方法を使えば土地の所有者はすぐに分かりますが、問題は土地の所有者が分かってからです。
土地の所有者だけ分かっても「名義人と現在の所有者が異なる」「連絡が取れない」などのトラブルが多発し、なかなか手続きが進まない状況に陥ってしまうことがあります。
【土地の所有者が分かってから起きるトラブル例】
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だからこそ、土地の所有者を確認するだけではなく、その後の手続きも含めてトラブルにならないように専門家と一緒に進めることが大切です。
そこで本記事では、土地の所有者を調べる2つの方法と土地の所有者を調べた後に起こるトラブル例をまとめて解説します。
土地の所有者を正確に調べて円滑に手続きを進めるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
1章 土地の所有者を調べる方法は2つ
冒頭でも触れたように、土地の所有者を調べる方法は下記の2つがあります。
比較項目 | 登記事項証明書 | 登記情報提供サービス |
発行形態 | 紙の証明書(公印あり) | PDFデータ(公印なし) |
取得方法 | 窓口受取・郵送 | その場で即時取得 |
費用 | 1通:490~600円 | 1回:140~330円 |
主な用途 | 各種公的手続きへの提出 | 事前の権利関係・所有者の簡易的な確認 |
おすすめのケース |
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とりあえず土地の所有者だけをすぐに知りたい場合は、インターネット上から請求できる登記情報提供サービスの利用がおすすめです。
一方で、時間にゆとりがある場合や今後の手続きでも使える公的な証明書を持っておきたい場合は、登記事項証明書の取得が向いています。
このときによくあるミスは、毎年送られてくる固定資産税の通知書で確認しようとすることです。これはあくまでも税金徴収のための書類に過ぎず、土地の所有者を証明するものではありません。
非課税の土地が記載されていないなど固定資産税の納税通知書では十分な確認ができないので、これから紹介するいずれかの方法を使って土地の所有者を調べましょう。
2章 土地の所有者を調べる方法1:登記事項証明書を取得する
1つ目は、登記事項証明書を取得する方法です。登記事項証明書とは、不動産の情報や所有者など法務局に登記されている内容が記載されている書類です。
登記事項証明書を取得すれば、誰が土地の所有者なのかすぐに把握できます。ここでは、登記事項証明書を取得する方法から土地の所有者を確認する方法まで、まとめて解説します。
土地の所有者をすぐに調べるためにも、参考にしてみてください。
2-1 登記事項証明書を取得する方法
登記事項証明書を取得する方法は、下記の3つがあります。
【登記事項証明書を取得する方法】
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それぞれの概要や取得方法は、下記のとおりです。
取得方法 | 請求できる時間 | 概要 |
最寄りの法務局で申請、取得する | 平日のみ:原則9:00~17:00 | 法務局に出向いて請求書を提出して、全部事項証明書を取得する <請求書のテンプレート> |
郵送で申請、取得する | 随時 | 法務局に郵送で請求書を送付して、全部事項証明書を指定の住所に送ってもらう <請求書のテンプレート> |
登記・供託オンライン申請システムで | 平日:8:30~23:00 | 登記・供託オンライン申請システムに無料登録して、請求書形式に必要事項を入力する。 |
参考:法務局「登記事項証明書(土地・建物)、地図・図面証明書を取得したい方」
参考:法務局「不動産登記のよくあるご質問等」
平日の開庁時間内に法務局に出向く時間がある場合は、法務局に登記事項証明書の請求書を提出して、その場で取得する方法が最も早く土地の所有者を把握できます。
「登記・供託オンライン申請システムなら夜間や休日でも取得できるのでは?」と思うかもしれませんが、登記・供託オンライン申請システムでできるのは登記事項証明書の請求と手数料の支払いまでです。
その場で登記事項証明書をダウンロードできるなどの仕組みではなく、登記事項証明書の受け取りは郵送、もしくは最寄りの法務局での受け取りになるので注意してください。
また、法務局のサイトを見ると、郵送での取得は時間を要するとの記載があります。
【不動産登記事項証明書の請求方法について】 郵送及びオンライン(郵送による送付の場合)で登記事項証明書を請求される場合は,郵送にかかる日数及び事務処理時間がかかりますので,余裕をもって請求いただけますようお願いします。 |
出典:千葉地方法務局「不動産登記事項証明書の請求方法について」
郵送を選択する場合は、所有者の確認を急いでいないかどうかを念頭に置いて検討するようにしてください。
2-2 登記事項証明書の取得費用
登記事項証明書の取得費用は、1通490~600円です。取得方法によって費用が異なるので、事前に確認しておきましょう。
登記事項証明書の取得方法 | 費用 |
法務局の窓口で取得する | 1通:600円(請求書に収入印紙を貼る) |
郵送で申請、取得する | 1通:600円(請求書に収入印紙を貼る)+返信用の切手 |
登記・供託オンライン申請システムで請求する | <法務局の窓口で受け取る場合> |
参考:法務局「不動産登記、商業・法人登記における主な登記手数料」
参考:法務局「登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です」
登記事項証明書の取得費用が最も高くなるのは、郵送で申請、取得する方法です。1通600円の手数料に加えて、返信用の切手の費用がかかります。
一方で、少しでも取得費用を抑えることを意識したい場合は、登記・供託オンライン申請システムでの請求がおすすめです。
法務局の窓口で登記事項証明書を受け取る場合でも、登記・供託オンライン申請システムで請求すれば110円も費用を抑えられます。
このように、登記事項証明書を取得したい場合は
- 一刻も早く取得したい場合は法務局の窓口で申請する
- 少し手間をかけてでもコストを抑えたい場合は登記・供託オンライン申請システムで請求する
という使い分けができるでしょう。
2-3 登記事項証明書で土地の所有者を確認する方法
登記事項証明書を取得できたら、土地の所有者を確認しましょう。下記は、登記事項証明書の見本です。このなかで、所有者に関する情報は「甲区」に記載されています。
下記の見本では、甲区に記載されている「法務五郎」が所有者になります。

出典:法務局「不動産登記の登記事項証明書等の様式が変更されます!」
区分 | 概要 |
表題部 | ・不動産の情報 |
甲区 | ・不動産の所有権に関する情報 |
乙区 | ・不動産の所有権以外の権利に関する情報 |
また、土地によっては、所有者が1人ではない場合があります。下記のように「持分2分の1」などの記載がある場合は、複数人でその土地を共有しており、その人が土地の所有権の2分の1を持っていることを意味します。

3章 土地の所有者を調べる方法2:登記情報提供サービスを利用する
2つ目は、登記情報提供サービスを利用する方法です。登記情報提供サービスは、登記所が保有している登記情報をパソコンなどの画面上で確認できる有料サービスです。
「今すぐ土地の所有者だけを知りたい」「法務局に行く時間がない」という場合は、登記情報提供サービスの利用が向いています。
ここでは、登記情報提供サービスを利用する方法から土地の所有者を調べる方法までまとめて解説します。すぐに利用するには手順などの全体像を知っておく必要があるので、参考にしてみてください。
3-1 登記情報提供サービスを利用する方法
登記情報提供サービスは、インターネットが使えて登記情報提供サービスにアクセスできる環境であれば、下記の利用時間内にいつでも使えます。
【登記情報提供サービスの利用時間】
※年末年始を除く |
日中に法務局に足を運ぶことが難しくても、登記情報提供サービスを利用すればその日に土地の所有者が把握できます。
表示した情報は印刷をしたり、PDFファイルとして保存したりできますが、認証文や登記官印はないので証明書として使うことはできません。
3-2 登記情報提供サービスの利用料
登記情報提供サービスの利用料は、下記のとおりです。事前にクレジットカードを登録しておき、登録したクレジットカードから利用料金が引き落とされる仕組みになっています。
利用料が発生する項目 | 内訳 |
不動産登記情報の照会 |
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登録費用 | 300円 |
土地の現在の所有者の氏名や住所、持分だけを確認したい場合は、140円で情報を取得できます。「2-1 登記事項証明書を取得する方法」よりも、費用を抑えて土地の所有者を確認することが可能です。
また、メールアドレスや氏名などを登録する一時利用者登録をすれば、会員登録をしなくても一時利用できます。
登録したIDで継続利用するために会員登録をしておきたい場合にのみ、登録費用が発生します。
3-3 登記情報提供サービスで土地の所有者を確認する方法
登記情報提供サービスで土地の所有者を確認する場合は、下記のステップで操作をします。
土地の所有者を確認するステップ | 概要 |
ステップ1 |
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ステップ2 |
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ステップ3 |
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ステップ4 |
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ステップ5 |
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ステップ6 |
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登記情報提供サービスの利用時間内であれば、上記の操作をすることで法務局に出向かなくても土地の所有者を確認できます。
ただし、13桁の不動産番号や土地の地番などから、土地の所有者を調べることができますが、所有者から土地を探すことはできません。
- 亡くなった人しか把握していない土地
- 自宅から離れた地域にある山林や農地
- 自宅の敷地とは地番が異なる私道の持分
などが漏れてしまう可能性があるので、登記情報提供サービスだけに頼らずに専門家と一緒に確実に漏れなく土地を洗い出すようにしましょう。
4章 土地の所有者を調べた後に気付く!よくあるトラブル
「所有者の名前が確認できたからこれで一安心だ」と思われるかもしれませんが、相続の実務では、所有者の名前が判明してからが本当の戦いになります。
ここでは、土地の所有者を調べた後によく起きているトラブルをご紹介します。
土地の所有者を調べた後に気付くよくあるトラブル |
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所有者の名前が分かった後がトラブルの起こりやすい工程になるので、どのようなことが起こり得るのかチェックしてみましょう。
4-1 名義人と現在の所有者が異なる
1つ目は、名義人と現在の所有者が異なるケースです。
登記事項証明書の甲区を見ると、自分の親の氏名ではなく昭和初期に亡くなった祖父や曾祖父の氏名のまま放置されていた事例は数多くあります。
名義人と実際の所有者が異なり長期間にわたって相続登記が行われていない場合は、登記名義人が亡くなった時点の相続人を確認し、その後に亡くなった相続人についても戸籍を辿り、現在の相続人を特定する必要があります。
放置された期間が長いほど数次相続(亡くなった人の相続手続きが終わっていない状態で次の相続が立て続けに起こること)が発生して、相続人が数十人に増えるケースもあります。
実際に、登記事項証明書を取得したところ名義が祖父であると分かり、手続きが難航した例もあります。
【実家の名義が祖父のまま放置されていた例】 父が亡くなり実家の名義変更をしようと登記事項証明書を取得したところ、名義が昭和初期に亡くなった祖父のまま放置されていることが判明しました。 「司法書士に頼むと費用がかかるから、自力で進めよう」と思い、相続人を確定させるために祖父の出生から死亡までの戸籍を取り寄せました。 全国の役所に定額小為替や返信用封筒を準備して郵送請求を繰り返す作業は、想像以上の膨大な労力がかかりました。 やり方を調べるだけで20時間以上を費やし、仕事の合間や貴重な休日が書類集めで潰れ、精神的に限界を迎えてしまいました。 手元に届いた戸籍を見ると、明治・大正期の戸籍は当時の担当者による毛筆の手書き・崩し文字ばかり。文字を解読できず、戸籍収集が初期段階で完全にストップしてしまいました。 |
名義人と現在の所有者が異なると、戸籍の収集や明治戸籍の解読など心が折れる作業が続きます。
自分で土地の所有者を調べられたとしても、その後どうすればいいのかに悩み手続きが止まってしまうのです。
4-2 私道や隠れた土地を見落とす
2つ目は、私道や隠れた土地を見落とすケースです。
法務局で登記事項証明書を取得したり、登記情報提供サービスを利用したりする場合は、原則として「〇〇市〇〇町100番1」のように、調べたい土地を地番で特定して請求します。
しかし、登記情報提供サービスでは、所有者の氏名から全国の所有不動産を一覧検索することはできません。
例えば、自宅の土地が「100番1」でも、前面道路の私道や周囲にある小さな土地には「100番5」「101番3」など、それぞれ別の地番が付いていることがあります。
そのため「100番1」しか把握していなかった場合は、別の地番で登記されている私道や土地を見落としてしまうのです。
【土地の所有者を調べたときに私道が漏れていた例】 父が亡くなり、Aさんは登記情報提供サービスで自宅の地番を指定して登記情報を取得。「父の名義になっていること」を確認して「これで父の土地の所有者は確定した」と確信しました。 数年後、Aさんは実家を売却して現金化しようとしました。売却直前まできたところで、不備が判明します。 実家の敷地に面した前面道路は私道であり、父は私道も所有していました。この私道は公衆用道路として固定資産税が非課税であったため、納税通知書には記載がありません。 また、登記情報提供サービスで自宅の宅地の地番だけを指定して確認していたため、別の地番で登記されていた私道の存在にも気付けませんでした。 このような場合、私道について改めて遺産分割協議を行い、必要な書類を作成する必要が生じる場合があります。 |
一方で、2026年2月2日からは、一定の条件を満たす本人や相続人等が「所有不動産記録証明制度」を利用することで、特定の人が登記名義人となっている不動産を一覧的に確認できるようになりました。
ただし、この新制度も万能ではありません。指定した氏名・住所等の検索条件と登記記録上の情報が一致しない不動産は一覧に出ない可能性があります。
だからこそ、番地から土地の所有者を辿るだけではなく、亡くなった人をしっかり調査して本当に漏れがないか確認することが大切です。
4-3 土地の所有者は分かったものの相続人と連絡が取れない
3つ目は、土地の所有者は分かったものの相続人と連絡が取れないケースです。
「土地の所有者さえ分かれば、後はどうにかなるだろう」と思っているかもしれませんが、相続人と連絡が取れない、認知症で意思疎通が取れないなどの状態が多々あります。
遺産分割協議をして土地の名義変更をするには、亡くなった所有者の相続人全員の同意が必要になります。1人でも欠けてしまうと手続きは進まなくなり、凍結するリスクがあるのです。
実際に相続人のなかに認知症の人や非協力的な人が含まれており、手続きが進まなくなった例があります。
【相続人のなかに認知症・非協力的な人が含まれている事例】 父が亡くなり、空き家になった実家を解体して売却しようと不動産会社へ相談したところ、所有者が昭和50年代に他界した祖父のままでした。 戸籍を取り寄せて調査を行ったところ、日本全国に散らばる合計32名の相続人があぶり出されました。しかし、そのなかに、下記のような2名が含まれていたのです。
その結果、買い手がついているにもかかわらず売却契約は破談。実家は解体も売却もできないまま放置され、凍結状態になってしまいました。 |
土地の所有者は分かっても、相続人全員と連絡が取れなければ、遺産分割協議による名義変更や、その後の売却を進められない場合があります。
特に、長期間にわたって相続登記がされていない土地では、相続が繰り返されることで相続人の数が増え、面識のない親族や認知症で意思能力のない人が含まれることもあります。
土地の所有者を調べることをゴールにしないで、その後の手続きまでを見据えて進めることが大切です。
5章 土地の所有者を確実に調べて連絡を取るには専門家の力が必要
このようなよくあるトラブルを未然に防ぐには、相続に特化した知見のある専門家の力が必要です。
ここでは、専門家に相談すると、よくあるトラブルをどのように解決できるのか、事例を踏まえてご紹介します。
「専門家に依頼すると何をしてもらえるんだろう」と漠然とした疑問を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
土地の所有者を確実に調べて連絡を取るときに専門家だからこそできること |
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5-1 名義人と現在の所有者が異なる場合は職務上請求を使い現在の相続人を調査できる
名義人と現在の所有者が異なる場合は専門家に相談することで、職務上請求を使い必要な戸籍を取得し、現在の相続人を調査できます。
職務上請求とは、司法書士や行政書士、弁護士など法律で定められた特定の資格者が業務を遂行するために戸籍謄本などを請求できる制度です。
職務上請求のできる専門家に依頼すれば何代も前の先祖であっても、古い戸籍を読み解きながら相続関係を整理し、現在の相続人を調査することが可能です。
実際にグリーングループでは、下記のように名義人と所有者が異なる場合でも職務上請求を使い、1日の空白も存在しない完璧な連続性を立証しています。
【職務上請求を使い相続関係説明図を作成した例】 父が亡くなり実家の名義変更をしようと登記事項証明書を取得したところ、父や祖父の名義ではなく曾祖父の名義のまま数十年以上放置されていたことが判明しました。 グリーングループでは職務上請求を使い、個人では請求手続きが非常に煩雑な兄弟姉妹・甥姪ラインの戸籍を一括取得しました。 なかには毛筆で書かれたものや古い戸籍もありましたが、プロの技術で解読。1日の空白も存在しない完璧な連続性を立証し、相続関係説明図を作成しました。 |
少しでも空白があると後から「実は認知された子がいた」「漏れていた相続人がいた」など知らなかった相続人の存在が明らかになることがあります。
こうなると、それまで進めていた遺産分割協議や名義変更手続きが無効となり、やり直しになる可能性があるのです。
この作業を自力で行おうとすると非常にハードルが高く挫折してしまうものですが、専門家ならスムーズに戸籍を収集して、現状を明らかにしていくことが可能です。
「登記名義が祖父や曾祖父のまま」「古い戸籍を読み解けない」「相続人が何十人にも増えている」といった場合は、自力で戸籍収集を続けるよりも、早い段階で専門家に相談するとよいでしょう。
5-2 私道や隠れた土地を見落とさないように徹底的に調査をする
専門家が土地の所有者を調べるときには「相続人が把握していない土地があるかもしれない」と考え、下記のステップで徹底的に調査をします。
漏れている土地を確認するステップ | 概要 |
ステップ1:名寄帳を取り寄せて確認する | 課税・非課税を問わない全不動産の一覧である名寄帳を取得して、納税通知書から漏れている私道や非課税地を洗い出す |
ステップ2:目視によるチェックで公図と照らし合わせる | 宅地の周辺配置図(公図)を取得し、隣接する道路や細かな筆の中に、共有持分や亡くなった人の名義のものが残っていないか一筆ずつ目視で照合する |
実際にグリーングループでは、このステップを踏んで、相続人が知らなかった土地を洗い出して未然にトラブルを防いでいます。
【漏れていた私道持分を発見した例】 父が亡くなりご実家(宅地・建物)を売却して現金を兄弟で分ける「換価分割」を進めることになりました。 固定資産税の納税通知書には「宅地1筆・建物1棟」しか記載がなく「実家の不動産はこの2つだけ」と思い込んでいました。 グリーングループでは名寄帳と公図を取得。公図上に描かれたメイン宅地に接する道路部分や、敷地の周囲にある細かな筆の地番を一筆ずつ目視で抽出・照合しました。 すべての地番の登記事項証明書を確認したところ、納税通知書には載っていなかったご実家前の私道の1/5の共有持分が、父の名義のまま残されていることが判明しました。 |
亡くなった人の土地を見落としたまま売却に進むと、後から買主へ道路の通行・掘削許可や所有権移転ができず、不動産売買契約が白紙撤回される可能性があります。
だからこそ、相続手続きの時点で本当にこれ以上土地はないのかを、専門家の視点からしっかり確認してもらうことが大切です。
5-3 土地の所有者と連絡が取れない場合は中立な立場で問題解決を図る
土地の所有者と上手にコミュニケーションが取れない場合は当事者同士で解決しようとすると、余計に事態が悪化するリスクがあります。
面識のない土地の所有者からすれば、いきなり連絡が来ても「詐欺ではないか」「自分に不利益な借金を押し付けられるのではないか」と激しく警戒している可能性があります。
少しでも不信感を持たれている状態で当事者同士で直接連絡を取ると、どうしても感情的な衝突が生まれやすくなるのです。
そこで、専門家が中立な立場として間に入り、相手の感情を刺激しないように立ち回ることで問題解決を図ります。
例えば、専門家から差し障りのない手紙を送るところから始めて、相手の警戒心を解いていきます。
実際にグリーングループでは、下記のように中立な立場の窓口となり、トラブルを避けながらスムーズに問題解決できた事例もあります。
【中立な立場で相続人同士のトラブルを未然に防いだ例】 父が亡くなり、実家(宅地・建物)とその裏手にある山林を売却して現金を分け合う「換価分割」を行いたいと考えていました。 戸籍を詳しく調査したところ甥姪や異父兄弟など、10名以上の相続人がいることが判明しました。 当事者同士の直接接触を避け、中立な機関として介入。送付した手紙には、感情を刺激しないよう、以下の内容を透明かつ客観的に記載しました。
「プロが公平に処理してくれるなら安心」「管理に困る土地の処分代金が手に入るなら断る理由がない」と警戒心を和らげることができ、全員からスムーズに遺産分割協議書への署名・実印押印・印鑑証明書を回収できました。 |
とくに、長期間放置された土地や複数の相続人が絡む土地は、関係者で解決しようとしても感情が邪魔をしてトラブルに発展する可能性があります。
相続を機に親族の仲を壊さないためにも、専門家が間に入り円満にまとめることを目指します。
6章 グリーングループと一緒に土地の所有者を確定して問題解決を目指しませんか?
ここまで解説したように、土地の所有者は簡単に調べることができても、そこからトラブルなく相続手続きを進めることが非常に難しいです。
だからこそ、トラブルになり後悔する前に、相続に特化した専門家集団であるグリーングループに今のお悩みを相談してみませんか?
グリーングループは司法書士だけでなく、税理士や不動産会社がグループ内で連携しています。各専門家領域の知見を駆使して、漏れている土地の確認や不動産の出口戦略、相続手続きまでをまとめてお任せいただけます。
実際に「誰がどの土地を、どのように保有しているのか分からない」という所有者が不明な状態から相続登記を完了した事例があります。
所有者不明の土地まで網羅して複雑な共有名義の相続登記を完了させた事例 |
ご依頼者様は、自宅の土地を含めて「5筆くらいだろう」という認識で相続登記を進めていました。 しかし、自宅の宅地を除くほとんどの林野が、近隣にお住まいの方々との共有名義になっており「一体誰が、どの土地を、どれくらいの割合で所有しているのか」が分からないことが発覚。 この機会にすべての相続関係を明確にし、きちんと整理しなくてはならないという切実な思いでグリーングループにご依頼されました。 <グリーングループだからできたこと>
相続登記が完了してBさんから「ここまでやってもらえて本当に助かった」との言葉をいただきました。 自力では解決が難しい状況であっても、今までの実績や経験、各プロフェッショナルとの連携をしながら、納得できる方法を模索して相続登記完了へと導いた事例です。 この事例は下記で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。 |
土地が絡む相続は最初の段階で誤ると、相続税の申告や売却など後の手続きでのトラブルにつながります。
確実に安心して相続手続きを進めるためにも、まずは今のお悩みをグリーングループにお気軽にお聞かせください。
まとめ
本記事では、土地の所有者を調べる方法を詳しく解説しました。最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。
〇土地の所有者を調べる方法は下記の2つ
比較項目 | 登記事項証明書 | 登記情報提供サービス |
発行形態 | 紙の証明書(公印あり) | PDFデータ(公印なし) |
取得スピード | 窓口受取・郵送 | その場で即時取得 |
費用 | 1通:490~600円 | 1回:140~330円 |
〇土地の所有者を調べた後によくあるトラブルは下記のとおり
- 名義人と現在の所有者が異なる
- 私道や隠れた土地を見落とす
- 土地の所有者は分かったものの相続人と連絡が取れない
〇土地の所有者を調べた後によくあるトラブルを回避するために専門家だからこそできることは下記のとおり
- 名義人と現在の所有者が異なる場合は職務上請求を使い現在の相続人を調査できる
- 私道や隠れた土地を見落とさないように徹底的に調査をする
- 土地の所有者と連絡が取れない場合は中立な立場で問題解決を図る
土地の所有者は比較的簡単に調べることはできますが、その後にトラブルを抱えることが非常に多いです。だからこそ、土地の所有者を調べる段階から、グリーングループと一緒に確実に進めていきましょう。





