【相続財産調査とは】自分でできる財産別の調査方法と進め方

相続財産調査とは?詳しい調査方法や依頼先について簡単解説

父が亡くなり、不動産や預貯金、有価証券などさまざまな種類の財産が次々と判明。

他にも財産はあるだろうし、刻々と時間が過ぎるなかで、どのように相続財産調査をすればいいのか途方に暮れているかと思います。

相続財産調査とは、プラス・マイナスの財産を全部洗い出す作業のことです。亡くなった人の人生や趣味、思い出を辿りながら、下記のような財産を漏れなく特定していきます。

財産

相続財産調査の概要

不動産

名寄帳を取得して亡くなった人が保有している不動産を明確にする

預貯金

亡くなった人の銀行口座を特定してから残高証明書や取引履歴を確認する

現金

亡くなった人の行動や記録などをもとに「どこに現金がありそうか」考えて、金庫や自宅を探す

有価証券・保険

照会制度を利用して亡くなった人の有価証券、保険を洗い出してから問い合わせをする

動産

金や宝石、刀などをしっかりと探したうえで、亡くなった日時点での価値を把握する

借金

ローンや借入金、連帯保証などを信用情報機関を活用して漏れなく確認する

「これくらいなら自分でできるかもしれない」と思った方は、要注意です。

実は隠れ財産に気付かずそのまま相続手続きを進めてしまい、手続きのやり直し、相続税のペナルティなどを受けてしまうケースがあるのです。

実際にグリーングループが相続財産調査をしたときには、下記のような隠れ財産が見つかりました。

【グリーングループの徹底した相続財産調査で見つかった財産例】

  • 書道教室の教授だった母の600万円相当のすずり・筆
  • 旧姓口座に眠っていた2,000万円
  • 古いカステラの缶に入った2億円もの現金
  • 本人が知らなかった13筆の土地

このような隠れ財産を探し出すにはノウハウが必要なので、専門家と一緒に全財産を漏れなく特定していくことが大切です。

本記事では、相続財産調査の概要や進め方、注意点などをまとめて解説します。相続財産調査は相続手続きを進める土台になるからこそ、ミスがあると費用、負担がかさみます。

適切な方法で取り組むためにも、ぜひ参考にしてみてください。

また、以下の動画では「相続が起きる前にかならず確認すべき負の遺産と実際のトラブル」について、グリーンの代表・山田が動画でわかりやすく解説しています。

\コラムの論点を“動画で補強”したい方はこちら/


1章 相続財産調査とはプラス・マイナスの財産を全部洗い出す作業のこと

冒頭でも触れたように、相続財産調査とは、プラス・マイナスの財産を全部洗い出す作業のことです。

相続財産調査の概要

タイミング

相続開始から1~2ヶ月以内の完了を目指す

調査をする人

法定相続人など、相続財産を調査する権限がある人※

相続財産調査の対象

亡くなった人が保有する全財産

<プラスの財産例>

  • 不動産
  • 現金
  • 預貯金
  • 有価証券
  • 動産(絵画、宝石など)

<マイナスの財産例>

  • 住宅ローン
  • 金融機関からの借入
  • 未払金

※相続税申告にも使える書類を集めながら調査することは、非常に難しい作業なので専門家に依頼することが基本です。

例えば、父が亡くなったときに、いきなり「誰が何を相続するのか」という話し合いをすると、財産を見落とす可能性があります。

そのためまずは、下記のようにプラスの財産とマイナスの財産を全部洗い出す「相続財産調査」を実施して、亡くなった人にはどのような財産があるのかを明らかにします。

プラス相続とマイナス相続になる相続財産の例

「何となく分かる財産だけで終わらせよう」と相続財産調査を適当に済ませると、相続手続きを進めていくなかで大きなトラブルになる可能性があります。

相続財産調査は、相続手続きの最初の工程であり、遺産分割や相続税申告、名義変更などを正確に進めるための土台になります。だからこそ、確実に相続財産を洗い出す知識と調査力が必要になるのです。

▼相続の対象となる財産は下記の記事で詳しくまとめているので、参考にしてみてください

相続財産とは|対象の財産と対象にならない財産をわかりやすく解説


2章 相続財産調査は案外重要!隠れ財産の発見がたくさん起きています

「とりあえず自分で相続財産調査をしてみよう」と安易に進めると、財産を見落とす可能性が非常に高いです。

想像してみてください。ご家族の貯金額や趣味、負債などを完全に把握していると言えるでしょうか?

「本当はどれくらい預貯金があるんだろう?」「宝石はどれくらい持っているんだろう?」など、知らない側面が必ずあるかと思います。

相続財産調査は、亡くなった人の知らない一面を紐解いていく作業です。「真面目な人だから」「信頼しているから」などの感情で進めると、後から負債や知らない預貯金などが出てきて、相続手続きをやり直すことになるのです。

相談件数が累計55,193件(2025年10月末現在)と豊富なグリーングループも今までに数多くの隠れ財産を発見してきました。

【相続財産調査で見つかった隠れ財産の例】

  • 古い実家や山林などの整理中、押し入れの奥に置かれていた古いカステラの缶の中から2億円もの現金を発見
  • お金を使い込まれないように亡くなった人の退職金2,000万円を旧姓のままの口座に移していたことを発見
  • 生前書道教室をしており、捨てようとしていたすずりや筆などの道具に600万円もの価値があることを発見

これらの財産を見逃してしまうと、もう一度遺産分割からやり直す必要が出たり、相続税の申告漏れが指摘されたりするのです。

【相続財産調査をしっかりできていないと起こること】

  • 遺産分割協議後に新たな財産が見つかり、再協議が必要になる
  • 借金を見落とし、相続放棄の期限を過ぎる
  • 相続税の申告漏れが発生する

相続財産調査は知っている財産をまとめるのではなく、探偵のように細かな軌跡からまだ知らない財産を紐解き見つけ出す、とても地道で高度な作業になります。

「本当に今知っている財産だけで全てなのか」疑いの目を持ち、しっかりと調査していく気持ちを持ちましょう。


3章 【財産別】相続財産調査の方法

相続財産調査は、亡くなった人の財産によって調査方法が異なります。ここでは、相続財産調査の方法をご紹介します。

現在「不動産はないな」「負債はないはず」と思っていても、隠れ財産がある可能性があるので、ここに記載のある財産は全部一度確認するようにしましょう。

財産

相続財産調査の概要

不動産

名寄帳を取得して亡くなった人が保有している不動産を明確にする

預貯金

亡くなった人の銀行口座を特定してから残高証明書や取引履歴を確認する

現金

亡くなった人の行動や記録などをもとに「どこに現金がありそうか」考えて、金庫や自宅を探す

有価証券・保険

照会制度を利用して亡くなった人の有価証券、保険を洗い出してから問い合わせをする

動産

金や宝石、刀などをしっかりと探したうえで、亡くなった日時点での価値を把握する

借金

ローンや借入金、連帯保証などを信用情報機関を活用して漏れなく確認する

3-1 不動産|名寄帳を取得する

不動産の相続財産調査をする場合は、名寄帳を取得します。名寄帳とは、固定資産(土地・家屋)を把握するために、所有者ごとに資産の所在地や面積、評価額などをまとめたものです。

下記のように、亡くなった人が所有する不動産が一覧で表示されているので、ご家族が把握していなかった土地や田んぼなどを確認できる可能性があります。

土地・家屋名寄帳の例

名寄帳を取得する方法

申請できる人

  • 法定相続人
  • 遺言で指定された人
  • 代理人(委任状が必要)

必要な書類の例

  • 申請書
  • 申請者の本人確認書類
  • 所有者と申請者の相続関係が分かる書類(戸籍謄本など)
  • 法定相続情報一覧図
  • 被相続人が亡くなったことが分かる書類(除籍謄本など)

(電子申請の場合はマイナンバーカードが必要な場合があります)

主な申請方法

  • 市区町村の窓口
  • 郵送
  • 電子申請

費用目安

  • 300円

※市区町村によって異なるので事前に確認してください

しかし、名寄帳さえ確認すれば、不動産の財産調査が終わるわけではありません。名寄帳は、申請した役所の管轄内にある不動産しか記載されていません。

ご家族が知らない間に地方の山林を購入していたケースなどは、実家のある役所で名寄帳を取得しても、このような不動産の存在は浮かび上がってきません。

また、名寄帳は亡くなった人が所有している不動産しか分かりません。実家の一部の土地や裏山などが名義変更されないまま放置されている場合は、把握できずに漏れてしまうのです。

実際に、固定資産税の納税通知書だけを見て2筆の山林を相続すると思っていたものの、しっかりと財産調査をすると15筆だった事例もあります。

【グリーンの専門家が見た!実際の財産発見記録】

父が亡くなり、実家の裏にある山林の相続登記を進めていたAさん。固定資産税の納税通知書には2筆と記載されており、これを相続登記すると思っていました。

しかし、財産調査をすると、13筆も隠れていたのです。残りの13筆は災害防止のための「保安林」などに指定されており、固定資産税が非課税でした。そのため、納税通知書では確認できなかったのです。

見た目はひと続きの1枚の緑の山に見えても、日本の古い土地は、明治・大正期の歴史などから、パズルのピースのように細かく枝分かれしていることが多く、しっかりと調査する必要があります。

不動産を財産調査で発見できずに漏らしてしまうと、その不動産だけ相続登記されないまま残ります。

後から不動産の存在が判明した場合は、改めて相続関係を確認し、遺産分割のやり直しや相続登記の手続きをしなければなりません。令和6年4月から相続登記は義務化されており、放置すると過料の対象となるリスクもあるため注意が必要です。

また、発見までに長い年月が経過してしまうと、次の相続が発生して相続関係が複雑になり、手続きに関与する人数が増えることも考えられるでしょう。

だからこそ「不動産はこれだけだ」と決めつけないで、専門家による徹底した調査が必要になるのです。

▼名寄帳の概要については下記の記事で詳しく解説しています。

名寄帳とは?取得方法・必要書類と活用方法を注意点を含め解説

3-2 預貯金|残高証明書や取引履歴を確認する

預貯金の財産調査をするときは、亡くなった人の口座の残高証明書や取引履歴を取得します。

ただし、金融機関が口座名義人の死亡を把握すると、原則として口座が凍結され、預貯金の引き出しや公共料金などの引き落としができなくなるため注意が必要です。

残高証明書の取得を依頼する際にも、金融機関に死亡の事実が伝わるため、事前に支払い方法の変更や当面必要な資金について確認しておくと安心です。

しかし、実際には「亡くなった親の預貯金を調べたいけれど、そもそもどこの銀行に口座があるか分からない」と悩むケースが多いので、下記のステップで進めてください。

ステップ

概要

ステップ1
銀行の手がかりを探す

  • 亡くなった人の通帳やキャッシュカード、郵便物などを探してどの銀行に口座があるのか確認する
  • 結婚する前の住所や勤務先なども視野に入れて、古い口座も洗い出す

ステップ2
口座を特定する

銀行名が分かった場合は、銀行に問い合わせをして口座の有無、口座情報を確認する
(銀行によって必要な書類、問い合わせ方法が異なります)

ステップ3
残高証明書を発行する

  • 銀行に問い合わせをして、亡くなった日(死亡日)時点での残高証明書を取得する
  • 経過利息の確認にチェックを入れて、利息を含む残高証明書を取得する

(銀行によって必要な書類、問い合わせ方法が異なります)

ステップ4
過去5年〜10年の取引履歴を開示請求する

銀行に問い合わせをして、亡くなった人の過去5~10年分の取引履歴を開示請求する
(銀行によって必要な書類、問い合わせ方法が異なります)

亡くなった人の銀行、口座が分かっている場合は、残高証明書と取引履歴を取得します。銀行によって必要な書類や取得方法が異なるので、事前に確認をしてから進めるといいでしょう。

とくに、ミスをしやすいのは、残高証明書を請求するときに経過利息を含むチェックを忘れてしまうことです。税務署は1円の過小申告も許さないため、経過利息を含まない残高証明書を取得してしまうと、再取得しなければなりません。

「銀行に申請するだけの手続き」だと考えていると思わぬミスをして、手続きに時間と労力がかかる可能性があります。

また、そもそも亡くなった人の預貯金を確実に洗い出すことが難しいケースも多いです。下記のように、銀行で問い合わせをしても、システムをすり抜けてしまう例もあります。

【グリーンの専門家が見た!実際の財産発見記録】

銀行に問い合わせをして「この人の口座をリストアップしてください」と言っても

  • 結婚前に作ったまま苗字(旧姓)を変えずに放置している古い口座
  • 大昔に引っ越しをする前の古い住所のままになっている口座

などは、銀行のシステム上、「該当なし」としてすり抜けてしまいます。その結果、亡くなった人の預貯金を正確に把握できずに、手続きに影響が出るリスクがあります。

だからこそ、現住所の口座だけでなく、結婚する前の口座や勤務先地域での口座など、さまざまな視点を持ち、口座を洗い出す工夫が必要になります。

3-3 現金|金庫や自宅などを確認する

亡くなった人の現金の財産調査をするときは、金庫や自宅など現金を保管していると思われる場所を徹底的に探すしかありません。

預貯金のように金融機関に照会して一覧を取得するなどの方法がないので、亡くなった人の行動や記録などをもとに「どこに現金がありそうか」考えて1つずつ確認していきます。

一例として下記のような場所を探してみるといいでしょう。

現金がどこにありそうかイメージが持てない場合は、亡くなった人の家計簿やノート、帳簿を確認して予測してみるのも1つの方法です。

現金を探す場所

概要

貸金庫

・相続人全員の署名・実印・印鑑証明書を揃えたうえで金融機関に開錠を依頼する

タンス・仏壇・引き出し

・タンスや仏壇、引き出しなど現金をまとめて収納できそうな場所を確認する

バッグや小物入れ

・亡くなった人が使っていたバッグや小物入れのなかなどを確認する

倉庫

・亡くなった人が借りていた倉庫や部屋以外の収納場所を確認する

ただし、現金は誰でも分かるような場所に保管されているとは限りません。実際に「こんなところに現金が!」という生々しい現金の発見現場を何度も目にしてきました。

【グリーンの専門家が見た!実際の財産発見記録】

  • 押し入れの奥のさらに奥から、大昔のカステラの缶に入った2億円(インゴットや手元金含む)が発見されました。
  • 「いつも置いてあるけれど、何に使うのか誰も知らない古い洗剤ボトルがずっと水道の下にある」という何気ない一言から、ボトルの中を確認してもらったところ、中から現金が発見されました。

そこに現金があると知らなければそのままゴミとして失うか、後から税務署の網にかかって高額なペナルティを課される事態に陥っていたのです。

このように、亡くなった人が保管していた現金は、意外な場所に隠れている可能性が高く、チェックシートなどに沿って確認するだけでは見つけられません。

グリーングループでは生前の趣味や仕事の歴史、性格など亡くなった人の人生ストーリーを雑談からじっくりと紐解き、あらゆる可能性を考えてご家族すら知らない現金をあぶり出していきます。

▼相続財産調査で現金が見つかりやすい場所は、下記の記事でもまとめています。どこを探せばいいのか、参考にしてみてください。

遺品整理で現金が見つかりやすい場所はどこ?見つかったときの対処法

3-4 有価証券・保険|照会制度を利用する

亡くなった人の有価証券や保険の財産調査をするときは、どのような有価証券、保険を持っているのか書類を確認します。

ただし、実際には「3-2 預貯金|残高証明書や取引履歴を確認する」と同様に、亡くなった人がどのような有価証券、保険を持っているのか分からないケースが多いです。

そこで、下記のステップに沿って1つずつ確認しておくといいでしょう。

ステップ

概要

ステップ1
手がかりを探す

・亡くなった人の郵便物やメール、書類などを確認してどのような有価証券、保険を持っているのか確認する

<有価証券の場合>

  • 取引残高報告書
  • 年間取引報告書
  • 証券会社からの入出金履歴

<保険の場合>

  • 保険証券
  • 契約内容のお知らせ
  • 生命保険料控除証明書
  • 口座から保険料の引き落とし履歴

ステップ2
照会制度を利用する

・ステップ1では情報が掴めなかった場合は照会制度を利用して「どこの証券会社に口座を持っていたか」「どの保険に加入していたのか」を洗い出す

<有価証券の場合>

  • 証券保管振替機構(ほふり)の「登録済加入者情報の開示請求」を行う
  • 必要書類を揃えて郵送し、開示結果を受け取る

<保険会社の場合>

  • 一般社団法人生命保険協会の生命保険契約照会制度を利用する
  • 問い合わせフォームから書類を取り寄せ手続きを行い、開示結果を受け取る

ステップ3
証券会社・保険会社に問い合わせる

該当する証券会社、保険会社に問い合わせをして亡くなった人の財産の状況を確認する
(必要な書類、問い合わせ方法は証券会社、保険会社により異なります)

参考:証券保管振替機構「ご本人又は亡くなった方の株式等に係る口座の開設先を確認したい場合」
参考:一般社団法人生命保険協会「生命保険契約照会制度のご案内」

ただし、上記のステップを踏めば、確実に亡くなった人の有価証券、生命保険が把握できるわけではありません。

とくに、有価証券の場合は下記のケースがあり、証券保管振替機構を使っても洗い出せない可能性があるのです。

【グリーンの専門家が見た!実際の財産発見記録】

  • 株主が手続きを怠っていたために、株券が電子化される前(2009年以前)の株券が特別口座に強制的に移管されて眠っている
  • 押し入れや金庫の奥から、裏書き付きの昔の実物株券がそのまま出てくる
  • 亡くなった人が勤めていた会社で積み立てていた持株会や、自身で経営・出資していた非上場会社の株式を保有している

このような抜け漏れを防ぐには個別に会社や信託銀行に問い合わせをして、現在の権利関係を追跡・特定しなければならず、自力で行うには極めて難解な手続きとなります。

【見落としやすいゴルフ会員権や組合員出資金にも注意する】

  • 趣味で通っていたゴルフの会員権
  • JAや地域の信用金庫の組合員になるための出資金

なども見落としやすい相続財産になります。ゴルフ会員権や出資金の形跡があったときに「これは財産ではないだろう」と安易に判断せずに、専門家と一緒に正しく価値を判断することが大切です。

3-5 動産|それぞれの価値を確認する

貴金属や、自動車などの動産の財産調査は、動産に紐づく書類などを確認して地道に価値を調べていくしかありません。

  • 亡くなった人の趣味
  • 亡くなった人のライフスタイル
  • 亡くなった人の交友関係

などを参考にしながら、金や趣味のコレクション、自動車など考えられる動産を洗い出していきます。

どのような動産も、基本的には亡くなった日時点の価値で評価されます。そのため、金など価値が上昇している動産の場合は、亡くなった人が購入したときよりも資産価値が高くなっていることがあります。

動産の例としては下記のようなものがあります。どのように価値を算出するのかを含めて、確認しておきましょう。

動産の種類

確認方法

金

  • 金属取引市場が提示している公式な相場レートを掛け算して、時価評価額を算出する
  • 購入時の鑑定書を紛失している場合は専門の機関に持ち込み鑑定してもらう必要がある

自動車

  • 自動車検査証や自動車税の納付書、自動車の車種や購入年月日などから資産価値を算出する
  • 査定額が100万円以下かどうかで行政手続きが大幅に簡略化できるため、事前に査定を受ける

宝石・高級美術
・骨董品

  • 素人の目から見ても価値がないと感じるものでも歴史的価値のある高級美術品の可能性があるので信頼できる機関で査定を受ける

日本刀

  • さやに教育委員会が発行した銃砲刀剣類登録証が巻かれているか確認する
  • 銃砲刀剣類登録証がない場合は絶対に触らず、教育委員会の登録審査会をクリアする難解な手続きが必要になる

とくに、実家に飾られている刀がある場合は、安易に持ち出さずに銃砲刀剣類登録証があるかを確認しましょう。

銃砲刀剣類登録証がない状態で、価値を調べようと日本刀を外に持ち出すと、銃刀法違反(不法所持)となるリスクがあります。

登録証がない場合は刀に触らずに、管轄の警察署へ発見届を出して、教育委員会の登録審査会をクリアする難解な手続きが必要です。

また、亡くなった人の趣味やライフスタイルに即した動産の価値の見極めは非常に難しいです。実際にグリーングループでは、600万円相当の動産を発見したこともあります。

【グリーンの専門家が見た!実際の財産発見記録】

母が亡くなり、実家の遺品整理を進めていました。母は生前自宅で書道教室をしており、部屋の押し入れの奥や棚から大量の古い筆や、長年使い古されて真っ黒になったすずり(硯)などが出てきました。

遺族は専門家に相談することなく、不用品として扱っていました。

しかし、骨董鑑定士を現地に手配して細かく鑑定したところ、すずりや筆が中国の歴史的な名石を用いた逸品などであり、カタログ評価で総額600万円相当の価値がある高級美術品であることが判明しました。

動産は、ご家族が見ただけでは正しく価値を把握できないケースが多いです。

「これは価値がないだろう」「財産として申告する必要はないだろう」と安易に判断してしまうと、税務署に指摘されてペナルティを課せられる可能性があります。

だからこそ、専門家の視点で現時点での価値をしっかりと判断してもらう必要があるでしょう。

3-6 借金:信用情報機関で確認する

相続財産調査は、価値のあるものだけでなく下記のような借金も対象です。

【相続財産調査の対象となる借金の例】

  • 金融機関からの借入
  • 住宅ローン
  • クレジットカード債務
  • 未払金
  • 個人間の借金
  • 保証債務

マイナスの財産こそご家族は把握されていないことが多いので、本当に漏れがないか徹底的に調査する必要があります。

督促状や契約書などでは実情を掴みきれないため、下記の3大信用情報機関に問い合わせをして情報を開示してもらいます。

3大信用情報機関

概要

JICC(日本信用情報機構)

主に消費者金融などのキャッシング系の借入情報を開示する

CIC(シー・アイ・シー)

主に信販会社、クレジットカード、割賦販売の借入情報を開示する

KSC(全国銀行個人信用情報センター)

主に銀行や信用金庫、住宅ローンなどの借入情報を開示する

ただし、個人間の借入や保証債務などは信用情報機関に問い合わせをしても把握できないので、亡くなった人の情報を収集して紐解いていくしかありません。

とくに、亡くなった人が連帯保証人になっていると、その連帯保証債務も原則として相続の対象になります。

「知らない間に連帯保証人になっていた」ということがないように、徹底的に調べる必要があるのです。

実際に「父はとても真面目な性格だったから借入や連帯保証人なんてあり得ない」と思っていても、しっかりと調査をしたことで5,000万円の連帯保証債務が見つかった例があります。

【グリーンの専門家が見た!実際の財産発見記録】

「父はとても真面目な性格だったから、消費者金融や怪しい金融機関からの借金なんてあるはずがない」と考えつつも、念のため負債の調査を行いました。

生前の状況や親族関係について話を伺うなかで、担当者は嫌な予感を抱きました。父は昔親族(おじ)が立ち上げた会社の役員をしていた時期がありました。

会社は倒産して、おじは現在働いておらず、生活実態がよく分からない状態だったのです。

地道な調査の結果、おじの会社がかつて数千万円の融資を銀行から受けるときに、父が連帯保証人になっていたことが判明。相続が発生した瞬間にこの負債がそのまま引き継がれてしまう状態だったのです。

信用情報機関では分からないマイナスの財産は、個人では特定することができません。知らない間にマイナスの財産を引き継ぎ後悔しないためにも、専門家と一緒に進めることが大切です。

このように、相続財産調査はただ財産を整理するだけではなく、探偵のように根気よく1つずつ隠れていた真実を暴いていく必要があります。

時間と費用、根気のかかる作業だからこそ「本当に自分でできるのか」不安になった方もいるかと思います。

「これは財産に含まれるのかな?」
「どうやって財産を探せばいいのか分からない」

など、相続財産調査に難しさを感じたら、相続に特化した専門家集団であるグリーングループにご相談ください。

亡くなった人の人生のストーリーを辿り、チェックシートだけでは拾いきれない財産を1つずつ洗い出していきます。まずはLINEやお電話で、今のお悩みをお気軽にお聞かせください。

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※平日9時〜20時 / 土日祝9時〜18時まで営業。年末年始以外は営業しております。


4章 自分で相続財産調査を進めるステップ

財産ごとの調査方法が分かったところで、相続手続きをする前にどのように調査を進めるのか簡単にご紹介します。

相続財産調査がどのように相続手続きに関わっていくのか分かるので、参考にしてみてください。

自分で相続財産調査を進めるステップ

  • ステップ1:亡くなった人の財産に関する書類を集める
  • ステップ2:財産目録を作成する
  • ステップ3:相続方法を検討する

4-1 ステップ1:亡くなった人の財産に関する書類を集める

まずは「3章 【財産別】相続財産調査の方法」で紹介した方法を駆使して、亡くなった人の財産に関する書類、情報を洗い出します。

相続財産を調べるときに「知らなかった」「悪気はなかった」という言い訳は法務局や税務署には通用しません。

ここで1つでも財産を見落とすと、この後の相続手続きに大きな影響を及ぼします。本当にこれ以上財産はないか、徹底的に洗い出すようにしましょう。

【マイナスの財産の場合は相続手続きが終わるまで負債の返済をしない】

相続財産調査をしているときに、亡くなった人の債務を返済してしまうと、借金も含めた財産を無条件で相続することを認めたことになります。

例えば、亡くなった人の車のローンが残っていると分かったときに「ローンが遅れないように、今月のローン代を支払っておこう」と、立て替えてローンを払うとしましょう。

これをしてしまうと、場合によっては法律上の「単純承認(借金を含めて、すべての財産を引き継ぐという意思表示)」が成立したとみなされ、負債が多くても相続放棄ができなくなる恐れがあります。

住宅ローンや車のローンなどを見つけても、自己判断でとりあえず払うことはしないようにしましょう。

4-2 ステップ2:財産目録を作成する

亡くなった人の全財産が分かったところで、財産目録を作成します。財産目録とは、調査した財産を一覧にまとめたものです。

財産目録を作成することで、どのような財産があるのか全体像を把握でき、相続手続きが進めやすくなります。

原則として財産目録に決まった形式はありません。一例として下記のように、預貯金や不動産、有価証券、動産、借金などの財産が一目で分かるようにまとめるといいでしょう。

本人の財産目録の例

また、財産目録を作成するときには、財産の種類だけでなく、金額や評価額、査定額なども明確にしておきましょう。

それぞれの財産の価値を把握しておけば、相続財産全体の金額が分かり、遺産分割の方法を検討しやすくなります。相続税の申告が必要か、借金を含めて相続するべきかなどの判断をするときにも役立ちます。

▼財産目録の作り方は、下記の記事で詳しく解説しています。無料テンプレートもダウンロードできるので、ぜひご活用ください

財産目録はなぜ重要?記載内容や作成方法を解説

4-3 ステップ3:相続方法を検討する

亡くなった人の財産が可視化できたら、亡くなった人の財産を相続するかどうかを検討します。

下記のいずれかのケースに該当するので、どのように相続を進めるのか決めていきます。

相続財産調査の結果

できること

プラスの財産よりマイナスの財産が上回っている場合

  • 相続放棄:プラスの財産も含めて相続を放棄する
  • 限定承認:相続した財産の範囲内で亡くなった人の借金などを支払う
    (相続人全員で共同して行う必要があります)

マイナスの財産よりプラスの財産が上回っている場合

  • 遺言書に沿って相続する:遺言がある場合は遺言書に沿って相続する
  • 遺産分割協議をする:法定相続人で財産を誰がどのように分けるのかを話し合う

※相続放棄・限定承認について、どちらも自分のために相続が開始したことを知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所への申述手続きが必要です。

注意したいのは、プラスの財産よりマイナスの財産が上回っている場合です。財産目録を作成して、プラスの財産が1,000万円、マイナスの財産が2,000万円の場合は、マイナスの財産のほうが多くなります。

この場合は相続人で財産を分けると負債が大きくのしかかるため、基本的に相続放棄を検討しなければなりません。

相続放棄は原則として、相続が開始したことを知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述しなければなりません。時間を意識して手続きを進める必要があるでしょう。

マイナスの財産よりプラスの財産が上回り相続手続きを進める場合は、所得税の準確定申告(4ヶ月以内)等の期限にも注意しながら、下記の記事の手順に従って相続登記や相続税の申告(10ヶ月以内)まで進めることになります。

不動産の相続登記の流れを完全解説|必要書類・費用・手続きの進め方


5章 自分で相続財産調査を進めるのは危険!専門家と一緒に進めたほうがいい理由

ここまで読み、相続財産調査は、いかに専門的な業務であるか理解できたかと思います。だからこそ、安易に自力で進めようとすると大きなトラブルにつながる可能性があります。

ここでは、相続財産調査は専門家と一緒に進めたほうがいい理由をご紹介します。後から後悔しないためにも、なぜ専門家の力が必要なのか把握しておきましょう。

相続財産調査は専門家と一緒に進めたほうがいい理由

  • 家族間で疑心暗鬼が生まれ関係が悪化する
  • 財産の見落としがペナルティにつながる

5-1 家族間で疑心暗鬼が生まれ関係が悪化する

1つ目は、家族間で疑心暗鬼が生まれ関係が悪化するためです。

相続が発生したときに、相続人の代表者(同居していた長男や、実家の近くに住む長女など)が仕事を休み、平日に何度も役所や銀行を往復して必死に財産調査を行うケースがあります。

血の滲むような努力をして調査を進めても、疎遠な親族、兄弟には激しい猜疑心しか生まれないことをたくさん見てきました。

相続財産調査はお金に直結するため、何気ない行動でも下記のように疑いの目を向けられてしまうのです。

【家族間で疑心暗鬼が生まれた例】

  • 実家の片付けや遺品の整理を頑張ってしていても、他の親族からすれば「自分たちの見ていないところで、金庫や引き出しを開けて遺品を一番にチェックした」という事実だけで、猛烈な嫉妬が芽生えます。「何かいいものを先にポケットに入れたのではないか」という不信感を持つことがあります。
  • 「親父は昔、あれだけ稼いでいたのだから、預金が1,000万円しかないはずがない」など輝いていた頃のイメージを持っていることがあります。

頑張って調べた結果「預金は300万円」という現実を提示しても「そんなはずはない、裏でタンス預金や現金を抜き取ったに違いない」と責められてしまうのです。

必死に相続財産調査をしたのにもかかわらず、疑いの目で見られて、責められ、ストレスだけが積もっていく状況に陥っています。

それだけでなく、一度「隠しているのではないか」という疑いの泥沼にはまってしまうと、どれだけ話し合っても「嘘つき」「泥棒」など非難し合う状態が起きてしまうものです。

予期せぬ疑いをかけられて家族間の仲を壊さないためにも、第三者の客観的な視点が必要になるのです。

5-2 財産の見落としがペナルティにつながる

2つ目は、財産の見落としがペナルティにつながるためです。相続財産調査は「1つくらい見落としても問題ない」というものではありません。

相続税の申告が必要なケースで財産を見落とし、本来より少ない相続税を申告してしまうと、後から指摘される可能性があります。

申告漏れが判明すれば、不足していた相続税を納めるだけでなく、過少申告加算税や延滞税などが課される場合があります。

財産を意図的に隠していたと判断されれば、重加算税の対象になることも考えられるでしょう。

例えば、相続財産調査が終わってから亡くなった人のタンス預金が見つかったとしましょう。「とりあえずそのままにしておこう」と思っても、税務署は過去7〜10年の通帳履歴を調べることが可能です。

下記のように、生前に引き出されたお金の履歴からタンス預金が見つかり、ペナルティの対象となることも考えられるのです。

【相続税申告に漏れがありペナルティの対象になった例】

親のタンス預金や母の旧姓の休眠口座は、銀行の口座情報に出ていないのでばれるわけがないと思い、この2つは入れずに相続税の申告をしました。

しかし、税務署では見抜かれてしまい重加算税や延滞税を課せられました。

ペナルティの対象になると、本来支払うはずの相続税以上の税負担がのしかかり「こんなはずではなかった」と後悔することになります。

だからこそ、相続財産を確定させるところから専門家に依頼することで、税負担が重くなるリスクを軽減して適切な申告ができるようになります。


6章 相続財産調査は相続手続きの土台!ここでつまずかないためにもグリーングループと一緒に進めませんか?

相続手続きの土台となる相続財産調査でつまずかないためにも、相続に特化した専門家集団であるグリーングループと一緒に進めませんか?

グリーングループは今まで多くの相続財産調査に携わってきました。相続財産調査は亡くなった人の人生のストーリーを辿る旅路で、チェックシートだけでは拾いきれません。

  • お金とどう向き合ってきたか
  • どのような趣味にどれだけお金を使っていたか
  • どのような場所で活動してきたか

など細かくヒアリングをして、隠れた資産を洗い出します。この記事で紹介してきた下記の事例は、グリーングループの調査力を使ってご家族の知らない財産を見つけ出したものです。

【グリーングループの徹底した相続財産調査で見つかった財産例】

  • 書道教室の教授だった母の600万円相当のすずり・筆
  • 旧姓口座に眠っていた2,000万円
  • 古いカステラの缶に入った2億円もの現金
  • 本人が知らなかった13筆の土地

また、グリーングループは相続財産調査だけでなく、洗い出した財産をトラブルなく分けるご提案や二次相続まで見据えた相続税のシミュレーションなど、相続財産調査の後の工程まで踏まえたサポートが可能です。

相続財産調査は限られた時間のなかで、亡くなった人の人生をしっかりと辿り、確実に財産を洗い出すスキルが求められます。

「財産を見落としていた!」と焦らないためにも、グリーングループと一緒に確実な相続財産調査を実施しませんか?


まとめ

本記事では、相続財産調査の概要や進め方をまとめて解説しました。最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。

〇相続財産調査とは、プラス・マイナスの財産を全部洗い出す作業のこと

〇財産ごとの相続財産調査の方法は下記のとおり

  • 不動産:名寄帳を取得して亡くなった人が保有している不動産を明確にする
  • 預貯金:亡くなった人の銀行口座を特定してから残高証明書や取引履歴を確認する
  • 現金:亡くなった人の行動や記録などをもとに「どこに現金がありそうか」考えて、金庫や自宅を探す
  • 有価証券・保険:照会制度を利用して亡くなった人の有価証券、保険を洗い出してから問い合わせをする
  • 動産:金や宝石、刀などをしっかりと探したうえで、亡くなった日時点での価値を把握する
  • 借金:ローンや借入金、連帯保証などを信用情報機関を活用して漏れなく確認する

〇自分で相続財産調査を進めるステップは下記のとおり

  • ステップ1:亡くなった人の財産に関する書類を集める
  • ステップ2:財産目録を作成する
  • ステップ3:相続方法を検討する

〇相続財産調査は専門家と一緒に進めたほうがいい理由は下記のとおり

  • 家族間で疑心暗鬼が生まれ関係が悪化する
  • 財産の見落としがペナルティにつながる

相続財産調査は、相続手続きの土台となる重要な工程です。ここでミスをすると、相続手続きがスムーズに進まなくなります。

安心して問題のない相続手続きをするためにも、グリーングループと一緒に進めてみませんか?

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