個人再生では、返済計画に沿って3〜5年程度、返済を続けることになります。
そのため個人再生をした人が「継続的に返済できるかどうか」、裁判所が判断する資料として「家計簿」の提出が求められます。

しかし、突然「家計簿をつけなさい」と言われても、何を書けばいいか、どうやって作成すればいいか分からず困ってしまいますよね。

そこでこの記事では

  • 個人再生の手続きに家計簿が必要な理由
  • 裁判所が確認するポイント
  • 家計簿の作成方法
  • 家計簿を作成する際の注意点

などについて解説します。


1章 個人再生の手続きに家計簿が必要な理由

個人再生では、借金は大幅に減額されるとは言え、手続き後も再生計画に沿って3〜5年程度返済を続けなければいけません。

そのため裁判所は「継続的に返済することは可能なのか」を確認します。収入と支出を記載した家計簿は、その参考にするものです。

家庭裁判所は、家計簿で以下のような点をチェックします。

  • 収入に対する支出のバランス(多すぎないか)
  • 支出の妥当性(娯楽費や交際費など余計な支出はないか)
  • 継続的な返済が可能なのか
  • 個人再生をするほど生活に困っているのか

2章 個人再生で提出する家計簿の作成方法

「家計簿」といっても、突然作成しなければいけないとなると困ってしまいますよね。

ここでは、家計簿の作成方法について詳しく解説します。

ぜひ参考にしてください。

2−1 作成する期間

裁判所への申立ての際に「直近2ヶ月分程度の家計簿」を提出します。

その後、多くのケースでは「個人再生の手続きが終了するまで」家計簿をつけるよう、裁判所から求められるため、少なくとも6~8ヶ月間程度は継続して作成することになります。

2−2 記載する内容

家計簿には【収入】と【支出】のどちらも記載します。

具体的には以下のとおりです。

収入
項目 概要
前月の繰越金 現在手元にある金額を記載します。
預貯金と手持ちの現金の合計した金額です。
2ヶ月目以降は前月で余った分を記載します。
給与・賞与 自身や配偶者など世帯を同じくしている人のものをそれぞれ記載します。
自営収入 自営業の方は、自営収入を記載します。
年金 年金受給者の方は年金の金額を記載します。
生活保護 生活保護受給者の方は生活保護の支給額を記載します。
児童手当等 児童手当や児童扶養手当など、国や自治体から何かしらの手当を受けている場合には記載します。
援助等 親などから資金援助を受けている場合に記載します。
借入金 消費者金融や個人から借りた借入金を記載します。
その他 上記以外になにか収入がある場合には記載します。
収入合計 上記すべてを合算した金額を記載します。
支出
項目 概要
家賃・地代 家賃や地代などを記載します。
管理費や修繕費積立費がある場合にはそれも合算します。
住宅ローン 住宅ローンがある場合には記載します。
食費 日々の食事にかかった費用を記載します。
同世帯の人の分も合算します。
嗜好品代 お酒やタバコなどの嗜好品、趣味にかかった費用を記載します。
水道光熱費 水道・光熱費は正確に記載しなければいけません。
領収書を見ながら記載し、領収書は保管しておきましょう。
電話代 固定電話・携帯電話・インターネットなどの通信費を記載します。
同世帯の人の分も合算してください。
インターネット代
新聞代 新聞の定期購入にかかった費用を記載します。
ガソリン代 車やバイクなどでガソリン代が発生した場合に記載します。
同世帯の人が使用している場合にもきさいしなければいけません。
備考欄に車の所有者の名前を記載してください。
医療費 医療費が発生した場合には記載します。
病院に診察したときだけでなく、薬局でかぜ薬を買ったときなどもここに記載してください。
同世帯の人に発生した場合も同様です。
備考欄に受診者や費用の詳細を記載します。
交通費 電車代等の交通費を記載します。
同世帯の人にもかかった場合には合算します。
被服費 衣類や靴などを購入した場合には記載します。
同世帯の人にもかかった場合には合算します。
日用品費 トイレットペーパーやティッシュ、洗剤、シャンプーなど日常生活に必要なものを購入した際に記載します。
同世帯の人にもかかった場合には合算します。
交際費 友人や職場の人と食事などに行った際にかかった費用を記載します。
同世帯の人にもかかった場合には合算します。
娯楽費 飲み会での費用は食費ではなく「娯楽費」になります。
同世帯の人にもかかった場合には合算します。
保険料 生命保険や医療保険、国民健康保険などの保険料を記載します。
返済金 個人再生の場合、支払いができるかのテストのため支払い原資の積立てをします。
その積立金額を記載します。
その他 上記の項目にない出費について、その内容を明記して記載します。
例:冠婚葬祭、お年玉、郵便代など
支出合計 上記をすべて合算した額を記載します。

 

2−3 書式


2−4 作成例


【専門家に作成のサポートをしてもらおう】
個人再生の申立時に提出する家計簿は、必要事項を細かく記載する必要があります。
そのため、自身で作成するのは難しいという方も多いでしょう。
専門家に相談し、あらかじめ記載すべき内容を聞いておき、日々の収支をメモするなどして、家計簿の作成は専門家にお願いするのをおすすめします。

3章 個人再生で提出する家計簿を作成する際の注意点

個人再生の申立時に提出する家計簿は、裁判所が支払いの履行可能性を判断するための重要な参考資料です。

そのため、生活のための家計簿よりも注意して作成する必要があります。

作成時には以下の点に気をつけましょう。

3−1 嘘偽りなく正確に記入する

家計簿には、嘘偽りのない金額を正確に記載するようにしましょう。

特に給与・賞与・借金・返済額などについては、正確に記載しなければいけません。

食費や日用品などは大まかな金額でも良いとされていますが、今後の返済をしっかりと行うためにも領収書やレシートを見ながら正確に記載するのが良いでしょう。

3−2 世帯家計で作成する

個人再生では返済ができるかを判断するため、自己破産よりも「世帯家計」が重要視されます。

そのため、家計簿も世帯家計で作ることを求められます。

つまり、配偶者や家族の協力が不可欠ですので、その点も注意しましょう。

3−3 領収書を保管する

水道光熱費・家賃・通信費といった固定費は、領収書の提出を求められることがありますので、しっかりと保管しておきましょう。

一方で、日々かかる日用品代や食費は領収書の添付が必須ではありません。

しかし、自身の出費を把握するためにも、領収書は保管しておくことをおすすめします。

少し大変ですが、こうした日々の管理が今後の再生計画の役に立ちます。

3−4 「繰越額」には口座残高と現金を合算した額を記入する

「繰越金」という項目には、銀行口座の預貯金と手持ちの現金を合算した金額を記載します。

2ヶ月目以降は、給与などの収入などが入る前に余っていた分が「繰越金」となります。

繰越金が多いに越したことはありませんが、赤字でなければひとまずOKです。とはいえ、少なすぎる場合には、その点も含めて(無理していないか等)今後の返済の履行可能性が判断されます。やはり、ある程度の余裕をもった家計にするのが理想的です。

3−5 食費・交際費・娯楽費などが多すぎると審査にひっかかる可能性がある

家計簿をつける期間は、個人再生後の返済期間の予行練習として無駄な出費を抑えるようにしましょう。

特に「食費」「交際費」「娯楽費」など、抑えられるはずの出費が多すぎると審査に引っかかる可能性があります。

少なくとも家計簿をつける期間は、タバコやお酒などの嗜好品や、趣味に使うお金などは抑えるようにしましょう。

4章 個人再生の手続きでお困りならグリーン司法書士法人にご相談ください

個人再生の手続きや申し立てに必要な家計簿の準備などでお困りの方は、ぜひグリーン司法書士法人にご相談ください!

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安心しておまかせしただけます。

4−2 初回相談料無料

グリーン司法書士法人では、初回相談は無料です。

  • 個人再生できるのか
  • どれくらい費用がかかるのか
  • どのように手続きを進めるのか

4−3 明確な費用設定と柔軟なお支払い方法

グリーン司法書士法人では、費用面で不安を与えないよう、ご相談時に明確な費用の目安をご提示しています。

また、一括でのお支払いが難しい場合には、分割払いなど、柔軟な対応をしております。



相談料 着手金
0円 0円

4−4 休日・夜間やオンラインでの相談が可能

お仕事や家事などで、平日や日中のご相談が難しい方のために休日や夜間のど相談を承っております。

また、外出が難しい場合にはオンラインでの相談も可能です。

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山田 愼一

代表司法書士山田愼一

相続の相談件数は業界でもトップクラスの年間1800件のグリーン司法書士法人の代表司法書士。
一般の方向けのセミナーの講師や、司法書士や税理士等専門家向けのセミナー講師も多数手がける。オーダーメイドの家族信託を使った生前対策や、不動産・法人を活用した生前対策が得意である。

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